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 以下に掲載する三本の記事は、私も「戦う世界市民」として尊敬するダライ・ラマ師の来日と、これに対する中国の相変わらずの反発及び圧力。
 以前も記事にしたが、私がダライ・ラマ師を尊敬するのは、「世界市民であるから(*1)」ではなく、「戦う世界市民」であるからである。ダライ・ラマ師が戦う相手は、私の考えでは、具体的にはチベット本国を占領し、宗教と良心の自由を弾圧する中国共産党政権であり、抽象的には魂の自由を締め付ける圧政である。
 
 魂の自由を愛し、中国を敵と断じる私にして見れば、甚だおこがましくも一方的であるが、ダライ・ラマ師は「心の戦友」と言って良かろう。
 
 では、そのダライ・ラマ師の関連記事、篤と御ろうじよ。
 

<注釈>

(*1) それはそれで尊敬に値する。何故ならば、大概の「世界市民」は自称でしかなく贋物であり、真の世界市民なんてのは一種の超人であるから。
 
転載開始=========================================

【東日本大震災】
「悲しみを乗り越えて」 ダライ・ラマが石巻で法要 

 慰霊法要のため西光寺を訪れ、出迎えた幼稚園児を抱き締めるダライ・ラマ14世=5日午前、宮城県石巻市
 来日中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が5日、宮城県石巻市の西光寺を訪れて慰霊法要に出席、東日本大震災の犠牲者を悼むとともに「あまり落胆せず、思いやりを持ってこの悲しみを乗り越えてほしい」と被災者を励ました。
 法要には約千人の被災者が参加。ダライ・ラマ14世は「震災で身近な人を亡くした皆さんの心の痛みを、一人の人間として分かち合いたかった」と石巻を訪れた思いを語り、本堂や参道を練り歩いて参加者と触れ合った。
 ダライ・ラマ14世は4月にも日本を訪れ、東京都内で震災の犠牲者を悼む「四十九日特別慰霊法要」を行った。
 石巻市は東日本大震災で死者・行方不明者が3800人を超え、被災市町村で最多の人的被害を出した。

ダライ・ラマ14世が自民・安倍氏らと会談 中国に民主化への働き掛けを

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111107/stt11110712360001-n1.htm
2011.11.7 12:34 [民主党]
 来日中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は7日午前、都内のホテルで、自民党の安倍晋三元首相ら民主、自民両党の国会議員と会談した。長島昭久首相補佐官や渡辺周防衛副大臣らも同席した。民主党政権の政府高官が14世と会談したのは初めて。
 会談で安倍氏は、14世が東日本大震災の被災地を訪問して犠牲者を悼み、被災者を励ましたことに感謝の意を表明。その後、中国の民主化問題などについて意見交換した。
 14世は「中国の人々も開かれた社会、自由を求めているはずだ。日本やインドなどアジアの民主主義国家が、中国の指導者に対して、(民主化への)働き掛けをしてほしい。これは米国のオバマ大統領にも伝えた」と支援を要請した。
 これに対し安倍氏は「基本的人権、法の支配といった価値観をアジアに広げていきたい。中国に対しても、これらの重要性を求め続けていく」と応えた。

「問題を適切に処理せよ」 長島氏とダライ・ラマの会談で中国 

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/111108/chn11110814120004-n1.htm
2011.11.8 14:10 [日中関係]
 長島昭久首相補佐官が来日していたチベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世と会談したことについて、中国外務省は8日「両国関係の大局に立ち、日本側に問題を慎重かつ適切に処理することを要求する」との談話を出した。
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた米ハワイでの日中首脳会談を控え、中国側としては強い批判を表明するのを避け適切な対応を促すにとどめた形だ。
 談話はダライ・ラマを「長期にわたり、中国の分裂活動に携わっている政治亡命者」と指摘。「中国はダライが世界中をあちこち回ることや、いかなる形であれ外国の要人がダライと接触することに断固として反対する」との従来の立場を強調した。(共同)

=================================転載完了

俺達の武器は、心だ。

 さて、如何であろうか。
 
 先ずは東日本大震災の被災地を自ら訪れ、法要を営み、犠牲者を悼み、被災者を励ましたダライ・ラマ師に、一国民として謝意と敬意を表したい。私はチベット仏教徒ではないし、日本ではチベット仏教徒は相当少数ではあろうが、仏教徒ならば一大勢力であり、日本独自の宗教的大らかさと言うか良い加減さと言うかファジーさと言うか曖昧さの甲斐あって、被災者も、恐らくは犠牲者らも、ダライ・ラマ師の来日と法要を心から歓迎したに違いない。
 
ダ1> 「震災で身近な人を亡くした皆さんの心の痛みを、一人の人間として分かち合いたかった」
 
ダ2> 「あまり落胆せず、思いやりを持ってこの悲しみを乗り越えてほしい」
 
 報じられるダライ・ラマ師の言葉は短く、簡素ではあるが、其処に我らが天皇陛下のお言葉にもあい通じる力強さ、率直さを見るのは、私ばかりではないだろう。
 
 その力強さ・率直さは、二番目の記事で報じられる安倍元首相との会談での言葉にも表れる。
 
ダ3> 「中国の人々も開かれた社会、自由を求めているはずだ。
ダ4>  日本やインドなどアジアの民主主義国家が、中国の指導者に対して、(民主化への)働き掛けをしてほしい。
ダ5>  これは米国のオバマ大統領にも伝えた」
 
 上記ダ3>~ダ5>は、確かに政治的発言だ。それも中国政府としては大いに苦になるような政治的発言だ。実際後述するように、中国共産党政権はダライ・ラマ師の移動も行動も発言も「全て反対」と公言しているのだから、正しく、ダライ・ラマ師を恐れているのだ。
 
 それ即ちダライ・ラマ師が正しく「戦っている」証拠であり、国を追われ、軍勢も持たず、宗教的指導者に「しか過ぎない」ダライ・ラマ師が、頭数では世界一の陸軍を擁し、「宗教は民族のアヘン」と断じた共産主義を党名とし、世界第二位のGDPを生産するという中華人民共和国を、恐れさせているのである。
 
 「こいつは、ハンニバル。ハンニバル・バルカ。
  俺の国は百万の兵士は恐れないが、此の男、唯一人を恐れた
。」―
大スキピオ―
 
 その、ダライ・ラマ師の武器はと言えば、「チベット仏教の宗教的指導者」と言う地位、チベットの精神的指導者としてのカリスマ、突き詰めれば、ダライラマ師自身の精神、心、ないし魂であろう。本章の章題を「俺達の武器は、心だ。」とした所以である。
 
 さて、上記のダライ・ラマ師の来日と会談に対する中国の反応は、「米ハワイでの日中首脳会談を控え、中国側としては強い批判を表明するのを避け等と尤もらしく報じられているが、「衣の下から鎧が覗いている」と言うよりは、「衣を慌てて羽織ってみたが、やたらサイズが小さくて、鎧が丸見え」と言うところだ。ま、無理にでも「衣を羽織って見せた」だけ、進歩と言えないこともないかも知れないが・・・以前の「ダライ・ラマは悪魔だ!」発言の応酬(*1)に際しても見られた、「格の違い」が感じられる。
 
中1> 「両国関係の大局に立ち、日本側に問題を慎重かつ適切に処理することを要求する
 
 此の中国の恫喝が意味する所は余りにも明らかだろう。「チベットの宗教的指導者に過ぎないダライ・ラマよりも、日中関係を重視しろ。」であり、忘れもしない昨年の尖閣諸島沖中国「漁船」体当たり攻撃の際にその犯人たる中国人船長を「超法規的措置」で釈放したのと同じ理屈・「日中友好だ。だが、その「日中友好」の美名のもとに行われた目も眩むばかりで今も継続中の対中ODAが、なんの役に立ったかと言うのか。中国の経済発展と軍備大拡張、それに政府主導の反日暴動やレアアースを始めとする恫喝砲艦外交以外の、何かの役に立っただろうか。
 大局に立った日中関係と言うならば、ダライ・ラマ師と連携し、ダライ・ラマ師の上記ダ4>の提言通り、アメリカ・インドと共に「対中民主主義連合による包囲」こそ実施すべき方策であろう。それぞ正に「適切な処理」である。
 いや、巷間話題になっている国会や日本企業に対するサイバー攻撃が、中国由来であるとするならば、既に非在来型戦争は開戦していると見るべきであるから、「明石大佐の秘密工作」を開始する理由は充分にある事になる。ロシア革命ほど壮大ではないが、大陸名物の易姓革命だ。秘密工作のし甲斐があろう。
 
中2> 「(ダライ・ラマは)長期にわたり、中国の分裂活動に携わっている政治亡命者」
 
 いつもながら笑わせてくれる。チベットは元々中国領ではないのだから、分裂活動も何も、独立国であるのが元の状態にして自然な状態だ。それを大中華だの五十六族共和だのの大ボラで無理矢理併合併呑しているのが、今の「中華人民共和国」ではないか。
 
中3> 「中国はダライが世界中をあちこち回ることや、
中4> いかなる形であれ外国の要人がダライと接触することに断固として反対する」
 
 ・・・一体中国政府は何様なんだろうか。ご自慢の中華思想が脳髄の奥まで浸透して、早くも世界征服を果たした心算なのだろうか。
 
 ダライ・ラマ師は亡命したチベット仏教の宗教的指導者だ。元はチベットに住んでいたチベット人で、現在チベットは中国の占領下にあるから(*2)ダライ・ラマ師は元中国人だ!」と言う主張は、相当無理すればできない事は無かろう。だが、それとて「元中国人」までだ。チベット仏教の総本山を今は中国が占領していようとも、亡命してチベットには居ないダライ・ラマ師の行動や移動や言動を、中国政府が掣肘出来るような謂れは、全くない。
 
 "Republic. I like the sounds of the word.
  It means that people can live FREE, talk FREE.
  Come or go, buy or sell ,be drunken or sober however they choose!"
―Movie "ALAMO"―
 
  上記は何度も引用している映画「アラモ」のデイビー・クロケットの科白。演じるは、「彼こそ、アメリカそのものだ」と謳われたジョン・ウエイン(*3)。ところが、中華人民共和国の政府様は上記中3>~中4>の通り、精々が「元中国人」にしかならないダライ・ラマ師の移動・行動・言動を、統制しようと言うのだ。
 
  朝鮮民主主義人民共和国と言い、中華人民共和国と言い、漢字で「共和国」と書けてしまう様な国は、Republicじゃぁないらしいぞ。
  日本語から支那語や朝鮮語に翻訳された時に、意味が変わったかな。
 

<注釈>

(*1) 共産主義的横暴-中国、ダライ・ラマの後継者選びを「違法」と非難  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/36040791.html  
 
(*2) ああ。今のところは、な。
 
(*3) で、ついでに此の映画の監督で製作者。