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 AFP通信が報じ、他でも東京新聞(*1)やサーチナ(*2)も報じているのは、韓国はソウルの道路面から検出された放射能のニュース。
 
 AFP通信は通常の10倍と、相対値でしか報じていないが、東京新聞報道はもっと具体的だ。
 
東1>  周辺住民が携帯用測定器で測り、届け出た値は毎時三マイクロシーベルト。
東2> 技術院の精密測定で同一・四マイクロシーベルトだった。
東3> どちらも、日本で文部科学省が学校校庭の除染目安で示した同一マイクロシーベルトを上回る。
 
 いや、流石は反原発原理主義の東京新聞。「日本で文部科学省が学校校庭の除染目安で示した」基準などと言う、直接には関係が薄い基準を比較対象としてその「放射能の高さ」を強調する。
 
東4> 「路上に毎日一時間ずつ一年間立っても、国際放射線防護委員会が平常時の一般人の年間被ばく限度の指標値として示す線量一ミリシーベルトの半分」
 
と、AFP通信も報じる韓国技術院の見解も併記して、逃げ道確保には余念が無い。とは言え、東京新聞報道の締めは
 
東5> 環境団体は「政府の対策や説明が不十分」と反発、韓国紙・東亜日報は七日、「恐怖で道路で遊ぶ子どもがいなくなった」と報じた
 
となっており、環境団体(*3)や東亜日報にかこつけて子供をダシにして「放射能の恐怖」を煽る。そりゃそんな東亜日報や東京新聞を読んでいたら、「純真無垢な子供」が恐怖に駆られるのも無理なかろう
 
 さて、言うも更なりなんだが、今回報じられた韓国の放射能Hot Spotは、福島原発事故とは関係ない。それどころか、半島や大陸にまだあるかも知れない、いや、屹度あるに違いない放射能Hot Spotが、福島原発事故に起因する可能性は、先ず無い。
  日本と韓国の位置関係は、距離的には遠くはないが、日本海を挟んでの隣国であり、偏西風が吹く中緯度帯で尚且つ西側に韓国がある。さらには、福島原発事故で水素爆発が発生し、最も大気中に放射性物質が拡散した時は、一年でも最も偏西風の強い、「黄砂の季節=大陸から日本まで黄砂が届くような季節」である。大陸だの半島だのは、大気中に拡散した放射性物質にとっては、福島原発からは、北半球で最も遠い処に位置しているのであり、「大陸や半島が福島原発事故の放射性物質の影響を受ける」のは、北米大陸や欧州、露西亜がそれ以上の影響を受けた後だ。言い換えれば、北米大陸、欧州、露西亜で福島原発事故に起因する放射能Hot Spotが数多発見されない限り、半島や大陸に「福島原発事故に起因する放射能Hot Spot」がある訳が無い。
 
 先刻「屹度あるに違いない放射能Hot Spot」と言ったのと矛盾するように聞こえようか。だが、私は福島原発事故に起因する放射能Hot Spot」がある訳が無い。」と言っているのであって、他の原因による放射能Hot Spotを「ある訳が無い」と言っているのではない。半島や大陸ならば、中国がその西方ゴビ砂漠で実施した地上核実験による放射能Hot Spotが「屹度あるに違いない」と言っているのである。何も矛盾はない。
 
東6>  問題となったアスファルトは二〇〇〇年に舗装された。
東7> 高い数値が検出された後、ソウル市が六日までに周辺のアスファルトとともに撤去した
 
と、東京新聞は報じ、AFP通信はもっと踏み込んで、
 
A1>   中央日報(JoongAng Daily)によると、専門家たちは、
A2>  2000年に道路補修をした際にアスファルトに添加された物質が原因ではないかとみている。
 
、「2000年に補修した際に放射性物質が混じっていたのではないかとしている。即ち、アリバイからして福島原発事故に起因する訳がないと、明記している。(*4)。それと同時に、放射性物質と言うものは放射線を出しながら減っていく=別の物質に変わっていくものであるから、「2000年に補修された当時は、現在よりも放射能は高かった筈である事を示しており、さらにまた同時に、「此の10年以上にわたって、顕著な健康被害は報告されていない事も示している。
 ま、2000年の補修当時にどれほどの放射能を此のアスファルトが帯びていたかは、放射性物質の種類による。また、これから統計を取って綿密に調べたら、新たな事実が浮かび上がる可能性も、ないではない。
 
 だが、此の報道から言えることは、今回ソウルのアスファルトで検出された程度の放射能Hot Spotは、福島原発事故なんぞなくても存在すると言う事であり、福島原発事故による放射能に対する関心が高まり、「俄か放射能計測員」が大量発生しなければ、その存在は知られさえもしなかっただろうと言う事だ。
 
 放射能よりも、放射能を恐れるストレスの方が健康に悪い」と言うのは、ブラックジョークの筈なんだが、現時点までの放射能Hot SPot報道を見る限りは、真実でありそうだぞ。
 
 「俄か放射能計測員」が大量発生し、放射能計測データが増える事自体は、悪い事ではない。だがそれは、計測がまともに行われていて誤差が一定の範囲に収まる事が前提だ。さらには、その前提が満たされても、収集されたデータを評価し、判断するのは、正しく人間の仕事である。センサーは計測データを出すだけで、評価も判断も、してはくれない。 
  
 言い換えれば、放射能計測データを出すばかりで、評価も判断もしないのならば、それは人間性の放棄であるとさえ言えよう。
 

<注釈>

(*1) ソウルの住宅街 高放射線 道路の舗装撤去 住民健康調査へ  http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011110802000016.html
 
(*2) アスファルトから基準値超す放射線、ソウルの道路を調査=韓国  http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1107&f=national_1107_199.shtml
 
(*3) 少なくともある主の環境団体は、滑って転んでも放射能のせいにするに違いないのであるが。
 
(*4) 対して東京新聞の報道が、「福島原発事故による放射性物質が、アスファルトに付着した可能性」を残している/「舗装されたのは2000年だが、放射性物質は福島原発事故後に付着した可能性」を残している、と読むのは、深読みが過ぎようか。
 
転載開始========================================= 

東京新聞 ソウルの住宅街 高放射線 道路の舗装撤去 住民健康調査へ 

 
 【ソウル=辻渕智之】ソウル北東部の住宅街の道路から放射線量の高い数値が検出され、住民の不安を招いている。路面のアスファルトが原因とみられ、韓国政府の傘下機関である韓国原子力安全技術院が調査を始めた。
 周辺住民が携帯用測定器で測り、届け出た値は毎時三マイクロシーベルト。技術院の精密測定で同一・四マイクロシーベルトだった。どちらも、日本で文部科学省が学校校庭の除染目安で示した同一マイクロシーベルトを上回る。
 問題となったアスファルトは二〇〇〇年に舗装された。高い数値が検出された後、ソウル市が六日までに周辺のアスファルトとともに撤去した。朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長は同日、周辺住民の健康調査を指示した。技術院は、放射性物質の混入ルートなど汚染原因を追及する一方、「路上に毎日一時間ずつ一年間立っても、国際放射線防護委員会が平常時の一般人の年間被ばく限度の指標値として示す線量一ミリシーベルトの半分」と説明。人体に影響を及ぼす水準ではないとしている。
 環境団体は「政府の対策や説明が不十分」と反発、韓国紙・東亜日報は七日、「恐怖で道路で遊ぶ子どもがいなくなった」と報じた
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