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 「政治家の問題発言」報道と言うのは、怪しい物も少なくないのは事実だ。前後関係や状況によって言葉の意味やニュアンスが変わると言うのは事実であるから、実際に言った事であってもそれ単独で切り出して報じたり、或いは別の状況を設定して報じれば、問題発言化するのは比較的容易である。
 しかしながら、左様な視点を以って「問題発言」報道に接しているが故に、民主党政権発足以来数多あった「問題発言」報道の内、当ブログで取り上げた物は、真底問題発言であって、問題発言視して「問題を捏造」したものではない、と自負している。今回取り上げようという平野発言もまた然り。
 
 何しろ余りに「問題発言」が多い上、問題発言ぐらいじゃ簡単には議員辞職どころか辞任すらせず、問責決議喰らって辞任した筈の官房長官が官房副長官として復活するような民主党(*1)であるから、「○○発言」と固有名詞で特定しようとしても困難を感じるほどだが、今回取り上げる「平野発言」は、東日本大震災とそれに伴う津波による被災者を取り上げての、以下の発言である。
平1> 「私の同級生のように逃げなかった(為に死んだ)バカがいる」   ()内は筆者追記
 この問題となっている平野発言には、二つの問題が含まれているように思われる。
 
 一つは「東日本大震災の津波で死んだ人間は馬鹿だ。」と解釈でき、東日本大震災の犠牲者を馬鹿扱いし、冒涜しているように聞こえる事。
 「逃げれば良かったのに、助かったのにと言う悔しさからの「バカ」発言」と言う解釈は確かに成り立つ。実際、官房長官たる藤村も幹事長たる輿石も斯様な解釈を披露して平野を擁護しているから、民主党の公式見解と考えて良かろう。だが、実施に家族、肉親や友人を津波で亡くした遺族や知人ら被者にどう聞こえるかと言うと、私としては「死んだ奴は馬鹿だ」の方に思われる。なおかつ震災復興相と言う正しくその被災者達と向き合うべき国務大臣の口から「死んだ奴は馬鹿だ」と言われたと感じたら、どんな気持ちになるかは、想像に余りある。単に「誤解を招くような発言で申し訳ない」で済む話とも思われない。但し、民主党政権の震災復興担当相なんて肩書きの奴バラならば、「申し訳ない」と言うだけマシであろうと、思えてならない。
 
 もう一つは「東日本大震災の津波に対し、逃げないような奴は馬鹿だ。」と解釈できる事。これは一寸解説が居る複雑微妙な問題だ。人によっては足が悪いとか移動手段がないとかで「逃げようとしたが逃げられなかった」人もあるだろうし、逃げる機会も手段もあったが、踏みとどまって逃げなかった人もあるだろう。私が特に問題にしたいのは後者だ。例えば、津波に呑み込まれるまで防災放送で避難を呼びかけ続けた女子職員などは、「踏みとどまって逃げなかった」典型例だ。彼ら・彼女らは、「逃げようと思えば逃げられた」かも知れない。それを逃げずに踏み止まった事に対しては、満腔の敬意を表するべきだと私は考えている。彼ら・彼女らはその身命を賭して責務を果たし、日本人の勇気を、敷島の大和心の雄々しさを、具現化し、体現してくれたのであるから。
 
 その姿に何も感じない者、何とも思わない者も、中にはあろう。それはそ奴等の勝手だ。私の知った事ではない。己の命が一番大事と公言出来るような輩は、その程度のシロモノだ。共に語るに足らん。
 
 だが、彼ら・彼女らを馬鹿にする者は。これは許せない。それは正しく冒涜だ。死者の魂に対する冒涜であると同時に、勇気や自己犠牲精神と言う、人類共通の財産・普遍的価値に対する冒涜だ。
 故に、今回問題の平野発言は、東日本大震災と津波と言う大災害に我ら日本人が見せた、勇気と自己犠牲精神に対する冒涜である。少なくともそう解釈できるし、私ならば確信出来てしまう。
 而して、民主党政権の震災復興担当相たる平野も、民主党も、民主党政権も、勿論首相なんて地位にある野田も、こちらの意味では辞職辞任は愚か言葉だけの謝罪すらもしないだろうと、断言し、確信出来てしまう。
 
 それが、売国奴と言うものだ。
 国を売る者。国を弱らせる者。国を滅ぼす者。
 
 これは民主党に対し不公平な見方だろうか。私が一昨年夏の総選挙結果である「政権交代」を忌まわしい事と断じ、それ以前から民主党嫌いであったことは、紛れもない事実だ。だから私に「民主党に対する偏見」ならば、多かれ少なかれあるのに違いない。
 
 私が考えるように民主党が売国奴で平野もまた売国奴の一人ならば、上記平1>の発言をした際に(*2)「東日本大震災と津波に際し、自らの死を覚悟して逃げずに踏みとどまり、その任を全うした」人々なぞ頭の片隅にも無かった、と言う可能性はある。その場合、上記平1>の平野発言には上記野二番目の問題は含まれて居ない事になる。
 だが、もしそうならば、「東日本大震災と津波に際し、自らの死を覚悟して逃げずに踏みとどまり、その任を全うした」人々の勇気と自己犠牲の精神を冒涜しては居ないが、無視はしている事になる。それは上記1>を問題発言にする要員ではないが、別の問題を擁していよう。
 
 無論、売国奴が政権の座にあるという以上の問題では、無いのであるが。
 
 如何に、国民。
 

<注釈>

(*1) 大体、元党首は「今季限りで議員を辞職する」と宣言を反故にしていまだ議員であり続け、前党首は「首相を辞任する」そぶりを見せる事で不信任案可決を阻止して見せてから長い事首相の座に噛り付いていたのだから、党員なんざ推して知る可しだ。
 
(*2) 或いはそれ以前も以降も、如何なる瞬間にも