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 再三繰り返す通り、私は福島原発事故を経て尚原発推進論者だ。「原発は人類の手に負えない。」などとしたり顔で抜かす敗北主義者には、片っ端から喧嘩を売ることに決めている。
 
 そんな私の「心の戦友」は、一部例外は居るものの原子力技術者であり原発運転員であり、今も苦闘を激闘を繰り広げる福島原発事故現場の作業員である。確かに最後者の苦闘は、福島原発事故が起きたが故の苦闘である。然り。『福島にせよどこにせよこの世に原発がなければ彼らの苦闘もなかった筈だ。』然り。『だから日本は原発を辞めるべきだ。』然らず。断じて、然らず。
 
 福島に原発があり、幾つもの不備があり、福島原発事故は起こった。そのために彼等福島原発事故作業員は苦闘している。彼らの苦闘に報いる道は、福島に限らず不備を正し、より安全な原発として運転し、以って安定して安価な電力を供給し続けることである。
 
 では、報じられる福島現場作業員の今も続く苦闘を、先ずはご一読願おうか。

転載開始=========================================

福島第1、作業員たちは今 放射線と対峙、自ら突入…2000人の闘い 

福島県広野町の旅館では早朝、朝食を済ませた作業員らが続々と東京電力福島第1原発に向かった
「原発は爆発させねえ」

 東京電力福島第1原発の安定化を目指す作業員の闘いは7カ月目に突入した。いまだに高い放射線量を放つがれきに突入する「特攻隊」、逃げ出す作業員を統率する監督。「原発は絶対に爆発させねえから」。家族と離れ、全国から集まった数千人の男たちは日本の安全を自らの肩に背負って、今日も現場に向かう。(荒船清太)


 福島第1原発周辺にあったひとつのがれきが、毎時10ミリシーベルト以上の放射線量を放出していた。5分間で一般人の年間許容量を突破する。無人の重機は使えない場所。待機所で沈黙を破ったのは若手の男性作業員だった。
 「俺、1週間で切り上げるんで行きます」
 現場では敬意を込めて彼らのことを「特攻隊」と呼ぶ。30年以上原発関連の仕事に携わり、いまも福島第1原発で汗を流すベテラン作業員は「彼みたいな若者はたくさんいるよ」と明かす。
 原発事故を受け、政府は作業員の被曝(ひばく)線量の基準を年間250ミリシーベルトに引き上げたが、多くの会社では年間50ミリシーベルトが被曝線量の基準。若手作業員は滞在を短くすることで、被曝線量をクリアすることに決め、無事にがれきを撤去した。
 原発周辺には北海道から沖縄まで、全国の建設会社から2千人が集まる。1カ月で規定線量を超える作業員も多く、「いくら呼んでも人が足りない」(建設業関係者)状況に現場は悩まされる。警戒区域内での作業は、弁当運びでも1日2万円。放射線と対峙(たいじ)する作業員には数万円単位で危険手当が付くという。
 現場には、監督が「職人さん」と呼ぶ下請け会社がチームを組んで入る。ベテラン作業員の部署では1回1時間半で8交代。「みんな会社を背負って士気が高い」(ベテラン作業員)
 だが、見えない放射能の恐怖はしばしば作業員を悩ませる。
 ある夏の暑い日。第1原発周辺に、後ろのトレーラー部分が外れたまま走り回る大型トラックがあった。恐怖に襲われた作業員が逃げ出したのだ。作業は2時間中断した。
 「何考えてんだ!」。現場監督は怒鳴ってはみたものの、すぐに「もう、来んな」と静かに諭して帰らせたという。ベテラン作業員は「放射能が怖いのはしようがない。叱ってもあまり意味ないと思ったんだ」と推し量る。

 
内部被曝、敵は暑さ 「誰かが行かなきゃいけねえんだ」

 「国のためじゃねえ。自分と家族のため」
 そう語るベテラン作業員は警戒区域内の町出身。一時帰宅した自宅で、目の高さまで生えた草と散乱していた牛の糞(ふん)を片付けた。家の物は一つも持ち帰らなかった。「いつか帰ってくる。それまで最後のご奉公だ」
 原発作業員の敵は放射能だけではない。毎日続く異常な暑さもそうだ。6月に熱中症が相次ぎ、現場に支給された保冷剤入りの「凍るベスト」も、すぐにフニャフニャになる。家族や同僚の心配を振り切って神奈川県から来ているという男性作業員(42)は「終わるたびにパンツはびしょびしょ。はかないやつもいる」と話す。手袋を外すと、指の部分に汗がたまっている。男性の現場では1時間仕事、1時間休憩を3回繰り返す。そのたびに除染し、防護服を着替える。
 特に暑いのはマスクだという。フィルターがついて呼吸しにくい。「つらくてマスクをずらす作業員が後を絶たない」と別の作業員。内部被曝(ひばく)する作業員は、こうしてマスクをはずしてしまった場合が多いという。
 「鏡を見てマスク確認! 装備確認!」。福島第1原発に向かう作業員の拠点である福島県広野町の「Jヴィレッジ」の出入り口には大きな鏡が据え付けられている。作業を終え、白いTシャツ姿で歩く作業員がいれば、白い防護服を着て廊下のサッカー選手の写真を眺めながら、次の作業に備える作業員もいる。
 新たに設けられた売店は長期滞在に備えてシャンプー、せっけんから映画のDVDまで陳列。500ミリリットルのペットボトル1本120円と、警戒区域外より割安だ。
 外の階段に囲まれた広場に並んでいるのは8月にできたばかりの東京電力の社員寮。2階建てプレハブ住宅だ。奥にそびえるスコアボードを見て初めて、そこがかつてサッカースタジアムの芝生だったと分かる。
 「警戒区域内の寮には今もサッカー選手の車が放置してある」と男性作業員。震災前、原発作業員の間で名所として知られていた桜の並木通りは、誰に見られることもなく葉桜に変わっていたという。


 「今日は0・9だったよ」「マジで? 俺は0・7」。「Jヴィレッジ」周辺の旅館では、毎日午後7時ごろになると作業員が続々と夕飯を食べに来る。
 冒頭の会話はそれぞれの一日の被曝線量。ただ、単位は警戒区域外で一般に使われているマイクロシーベルトではなく、その千倍のミリシーベルト。限界量に近づいても、線量の低い現場を志願して仕事を続ける作業員も多い。
 夜の作業員は冗舌だ。テレビのニュースで汚染水処理施設が映されると、「お、俺が造ったやつだ」と箸を進める。興に乗ればビール、ウイスキー、日本酒の出番。明日に備え、午後8~9時にはお開きだ。
 昼も夜も周辺は静まりかえっている。同町の住民のうち戻ってきたのは1割未満。たまに顔を出す生き物といえば、「警戒区域から逃げ出して野生化した牛ぐらい」と地元出身の若手作業員は笑う。
 明けて午前4時。星空に月が輝く中で旅館内の電灯がともり始める。5時ごろ、貸し切った旅館の食堂に集まり始める作業員は夜とは打って変わって無口だ。ハムエッグ、納豆、みそ汁をかっ込み、バナナを懐に入れる。会社から支給される弁当を手に、いざ原発に向かうバスへ。
 「誰かが行かなきゃいけねえんだ」。そう笑いながら話す男性作業員(40)の目は真剣そのものだった。

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Sie mit uns! 彼等、我等と共に在り!

 さて、如何であろうか。
 
 「その辺のホームレスを強制徴発して原発に送り込み、放射線で健康を害するまで遣い潰す」と言う「原発ジプシー」なる都市伝説があるそうだが、「日当の高さに吊られたホームレス」ぐらいが為せる業か否かは、一読すればわかろうというものだ。もしこれらの報じられている作業が、ホームレスのOJT現場教育程度で為せるならば、私は日本のホームレスのレベルの高さに舌を巻かざるを得ないし、『「いくら呼んでも人が足りない」(建設業関係者)状況に現場は悩まされる。』状況も、ホームレスを徴発すれば解決する筈だ。
 
 そんな訳はないだろう。少なくとも福島原発事故現場には「原発ジプシー」なぞ居る筈が無い。
 
 報じられるとおり、放射能に対する恐怖に駆られて脱走し、現場監督に怒鳴られる作業員も居ると言う。だが、大半の作業員達が、水素爆発やチャイナシンドロームの恐怖は一応去ったとは言え、今も福島原発事故現場で報じられるように作業を黙々と実施しているからこそ、事故処理は進んでいるのである。
 
 彼らを忘れてはなるまい。彼らの献身を。彼らの勇気を。
 
 彼らの勇気は、福島製造の花火にイチャモンつけて打上中止に追い込んだ「市民」とは全く異質であることは論を待つまい・・・どころか、比べるのでさえ気恥ずかしくなるほどだ。これが同じ日本人なのかと疑いたくなる(*1)ほどに。福島原発事故現場作業員達は、毎日の被爆量を計測しながら、許容被爆線量ギリギリの作業を進んで引き受けているのだ。「勇気の要諦は決意断行」と言うのは何の台詞だったか忘れたが(*2)、正に決意断行の勇気を彼らは示している。
 
 私は、彼らが私と同じ日本人であることを誇りに思うし、彼らの示した献身、彼らの示した勇気に応えねばならないと思う。その応える道は、先述の通り「福島原発事故の教訓を活かした、より安全な原子力技術の確立と発展」によって応えるべきであって、決して「脱原発」ではない。「脱原発」だの「さよなら原発」だのは、原子力技術の放棄であり、原発の安全な運転と言う技術課題に対する敵前逃亡であり、非理性に対する理性と知性の敗北である。
 
 何、イタリアとドイツが脱原発を決めたと?それが何か。
 酸素魚雷一つ実用化できなかった根性なし共が、挫けたからとてどれ程の物か。
 
 我等は、イタリア人やドイツ人とは違う。
 我等は、日本人である。我等は、降伏を肯んじない。
 
 「ならば、行って我らの正当な遺産を要求しようではないか。
  我々の伝統に、敗北の概念はない。
  我らを止める力など、この宇宙には存在しないのだ。」
生物学者クリス・ダンテチェッカー教授 J.P.ホーガン作「星を継ぐ者」より
 

<注釈>

(*1) ああ、前述の「市民」が日本国籍を有して居ると言う保証はないな。だから、かの「市民」が日本人でない可能性はある。
 
(*2) 確か乃木大将の伝記だったような気がするが、定かではない。