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今回取り上げるは琉球新報の一連の社説。社説で取り上げられているのは、沖縄は八重山地区の中学公民教科書。その選定を巡っては沖縄二紙がしきりに社説に取り上げていた。そのこと事態は充分予想できたことでもあり、またローカルなことでもあり(*1)、特に当ブログでは取り上げずに来たが、チョイと腹に据えかねたんで取り上げることにする。
先ずは琉球新報からの社説二題を、ご一読願おうか。
先ずは琉球新報からの社説二題を、ご一読願おうか。
<注釈>
(*1) 類似の事例は各地で起きている。
琉球新報社説 教科書と民意 歴史に禍根残さぬ見直しを
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-181402-storytopic-11.html
2011年9月8日 Tweet
次代を担う児童・生徒が学ぶ教科書の選定には、地域の歴史や特性が考慮される。だからこそ、可能な限り小規模な範囲で採択される制度が確立されている。県内は6地区に分けて決められる。
住民の意向を反映することは、「開かれた採択」を求める教科書採択制度の趣旨に合致する。
八重山地区の「公民」教科書の採択問題で、石垣、竹富、与那国の3市町の住民が鮮明な意思を表した。
愛国心を強調し、改憲志向が強い「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社の教科書採択に関する琉球新報社の世論調査で、八重山住民の61・3%が反対し、容認する22%を大幅に上回った。
民意と育鵬社を選んだ八重山採択地区協議会、これを追認した石垣市、与那国町の両教育委員会との乖離(かいり)が鮮明になった。八重山にふさわしくないとして、民意は採択見直しを鋭く迫っている。
ほかの5地区は「つくる会」系の教科書を採択していない。全県調査でも57・7%が反対し、八重山住民の思いと符合している。
「社会科教科書で大切にしてほしいこと」の設問で、八重山も全県調査も「平和教育」がトップで半数を占めた。一方、「愛国心」や「領土問題」は1割に満たない。
多数の住民が犠牲になった沖縄戦を教訓に不戦の志を踏まえた教科書を求める民意の表れだろう。
一方、与那国島に自衛隊を配備することに対し、八重山住民の6割が反対している。地元与那国町で反対が7割を超え、軍事優先への警戒感が色濃くにじんだ。交流によって台湾などと友好関係を築いてきた国境の島民の判断は重い。
育鵬社採択について、八重山採択地区協の玉津博克会長(石垣市教育長)は「領土問題がしっかり扱われている」と理由を述べていたが、住民は「平和教育」や「基本的人権・平等」などを重視する教科書を望んでいる。
採択時の無記名投票導入など、玉津氏は手続きの重大な変更を密室で進めた。結論ありきに映る選定過程に対し、「八重山に民主主義はあるのか」と声を上げた高校生の勇気ある発言は問題の核心を突いている。
3市町の教育委員13人が8日、一堂に会して善後策を話し合う。民意に向き合い、歴史に禍根を残さない採択見直しを求めたい。主役である生徒たちへの配慮も決して忘れてはなるまい。
琉琉球新報社説 八重山教科書採択 平和貫く大人の決意示した
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-181441-storytopic-11.html
2011年9月9日
国民主権、平和主義、人権尊重を柱とする日本国憲法や沖縄戦の教訓などを大切に思う、地域住民の声、民意を反映した妥当な判断が下されたことを評価したい。
八重山地区の社会科教科書採択問題で石垣、竹富、与那国3市町の教育委員全員による協議が行われ、2012年度から使用する中学公民教科書に東京書籍版を多数決で採択した。
今回の問題は、教科用図書八重山採択地区協議会の玉津博克会長(石垣市教育長)が現場教員による順位付けを廃止し、無記名投票を導入するなど、従来の教科書選定の手法を一方的に変更したためボタンの掛け違いが始まった。
玉津会長主導で「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版が選定され、石垣市、与那国町両教委が追認したことで政治・社会問題化。同協議では育鵬社版の採択をめぐり激しい議論を展開し、最終的に協議会答申の育鵬社版ではなく、東京書籍版を採択した。
琉球新報社が石垣、竹富、与那国3市町で実施した世論調査で「新しい歴史教科書をつくる会」系の教科書採択に6割余が反対していた。教育委員の採択は、その民意に沿ったものと言える。
育鵬社版は現行憲法の役割を積極的には評価せず、戦前の大日本帝国憲法の全文を掲載している。愛国心を強調し、日本の安全保障で米軍と自衛隊の役割を高く評価するなど「改憲志向」の強さが突出していた。
東京書籍版は憲法の平和主義を評価。公共の利益を政府が一方的に判断して個人の人権が制限されてはならないとするなど、育鵬社版とはだいぶ趣を異にする。
平和憲法に否定的な教科書に、住民や教育関係者が毅(き)然(ぜん)と異議を唱えたことに敬意を表したい。
文部科学省の教科書検定をクリアした教科書が問題視されたのは、検定制度に欠陥がある証左だ。
08年度以降使用される高校教科書の検定で、文科省が沖縄戦の「集団自決」の記述に検定意見を付し、日本軍による命令・強制・誘導などの表現を削除・修正するよう教科書会社に求め社会問題化した。検定意見の撤回と検定の民主化が進まねば、根本的な解決とは言えない。
生徒が大人の建設的な「熟議」に学ぶことは意義がある。しかし、不毛な対立には巻き込んでならない。県民全体で教科書選びの民主化へ向け、不断の努力を続けたい。
琉球新報社説氏に問う!
事実の経緯を時系列順に箇条書きすると以下の通りとなる。なお、箇条書きに抜書きにしたのは上掲の2社説によって居るから、琉球新報社説氏自らが認める「合意確認された経緯」である。
(1) 八重山地区は「愛国心を強調し、改憲志向が強い「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社の教科書」を採択した。
(1) 八重山地区は「愛国心を強調し、改憲志向が強い「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社の教科書」を採択した。
(2) 上記(1)の八重山地区の採択を、石垣市、与那国町の両教育委員会は追認した。
(3) 上記(2)までで八重山地区の教科書選定手続きは完了したはずだが、これが問題視された。
(4) 上記(3)を受けて、石垣、竹富、与那国3市町の教育委員全員による協議が行われ、2012年度から使用する中学公民教科書に東京書籍版を多数決で採択した。
上記(1)~(2)を受けたのが前者社説であり、上記(4)に至ったことを寿いだのが後者社説である。
で、如何であろうか。
普通に考えれば上記(3)は紛れもない横槍であろう。
1> 採択時の無記名投票導入など、玉津氏は手続きの重大な変更を密室で進めた。
と琉球新報社説は息巻くが、その「手続きの重大な変更」は玉津氏の権限の範囲内だろう。(*1)
況や「無記名投票導入」を
況や「無記名投票導入」を
2> 「八重山に民主主義はあるのか」と声を上げた高校生の勇気ある発言は問題の核心を突いている。
等と評するのは、琉球新報も頭がどうかしているし、上記2>の「声を上げた高校生」も相当に左巻きだ。一体何をどう考えると「記名投票の方が無記名投票より民主的」等と主張できるのか。その主張が、秘密投票の否定であることに、気付いているのか。
で、最終的にその横槍が通って八重山地区の教科書選定が覆り、育鵬社から東京書籍に変更されると後者社説の通り「大人の決意」と大絶賛だ。
上記(2)で一度は「八重山地区の育鵬社選択」を追認した石垣市・与那国町両教育委員会を含む石垣、竹富、与那国3市町の教育委員が上記(4)では「東京書籍版を多数決で採択した。」と言うのもかなり笑える話ではある。竹垣教育委員会と言うのが石垣市及び与那国町の教育委員会よりも余程大きいか( トテモシンジラレナイ)上記(2)で追認しながら上記(4)で育鵬社教科書反対に廻った教育委員が数多かったと言うことだろう。「これぞ記名投票の成果!」なのかも知れない。が、だとしたら正しく、秘密投票の反対である。
上記(2)で一度は「八重山地区の育鵬社選択」を追認した石垣市・与那国町両教育委員会を含む石垣、竹富、与那国3市町の教育委員が上記(4)では「東京書籍版を多数決で採択した。」と言うのもかなり笑える話ではある。竹垣教育委員会と言うのが石垣市及び与那国町の教育委員会よりも余程大きいか( トテモシンジラレナイ)上記(2)で追認しながら上記(4)で育鵬社教科書反対に廻った教育委員が数多かったと言うことだろう。「これぞ記名投票の成果!」なのかも知れない。が、だとしたら正しく、秘密投票の反対である。
3> 県民全体で教科書選びの民主化へ向け、不断の努力を続けたい。
と高らかに宣言して、後者の琉球新報社説は結んでいる。全く、ご立派なことだ。
ではここで簡単な思考実験をしようか。
「八重山地区が東京書籍教科書を選定したことが問題視され、世論調査結果もこれに反対したことを受け、石垣、竹富、与那国3市町教育委員会の決議で育鵬社教科書に変更された」としたら、つまり今回とは逆の教科書が選択されたとしたら、それを琉球新報社説はどう取り扱ったろうか。
今回のように「大人の決意」と絶賛し賞賛しただろうか。上記3>の様に「教科書選びの民主化」が目的であるならば、世論調査結果の後押しを受けたこの仮想ケースもまた「民主主義の勝利」の筈だ。
と高らかに宣言して、後者の琉球新報社説は結んでいる。全く、ご立派なことだ。
ではここで簡単な思考実験をしようか。
「八重山地区が東京書籍教科書を選定したことが問題視され、世論調査結果もこれに反対したことを受け、石垣、竹富、与那国3市町教育委員会の決議で育鵬社教科書に変更された」としたら、つまり今回とは逆の教科書が選択されたとしたら、それを琉球新報社説はどう取り扱ったろうか。
今回のように「大人の決意」と絶賛し賞賛しただろうか。上記3>の様に「教科書選びの民主化」が目的であるならば、世論調査結果の後押しを受けたこの仮想ケースもまた「民主主義の勝利」の筈だ。
「沖縄県民は平和を愛するから、そんな世論にはならない。」と主張するのは意味がない。これは思考実験であるし、そうでなくても世論なんてものは移り気だ。私が問うて居るのはその移り気な民意を絶対視するならば、上記仮想ケースでも琉球新報社説氏はその仮想ケース上の民意を絶賛するのか、だ。
「そんな世論調査結果は、琉球新報は報じない。」と言う選択ならば琉球新報には可能だろう。お得意の情報操作だ。が、世論調査結果は報じられなくても、世論と言う物はあるのだから、やはり上記仮想ケースは有効である。それとも、琉球新報が不都合な世論調査結果を握りつぶしさえすれば、教育委員会は仮想ケースのような決定は行なわない、と言う自信があるのだろうか。それはそれで、大したものだが、到底、民主的とは言い得ないな。
自衛隊の与那国配備を扱った社説では、民意を騙って見せた琉球新報社説である。上記仮想ケースの答えが「Yes」な訳がない。上述の通り世論調査結果を捻じ曲げるか隠蔽してでも、上記仮想ケースのような事態は防ごうとするだろう。
自衛隊与那国配備の沖縄二紙社説を斬る!―民意を騙る琉球新報と現実無視の沖縄タイムス http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35844103.html
であるならば、琉球新報社説が上記3>に高らかに「民主化」を謳うのは、世論調査結果と今回の八重山地区教科書選定変更が、琉球新報にとって都合が良いから、でしかない。
都合の良い方向だけ、一方的な、民主化要求なのであるから、これは民主化とは言い難い。むしろその逆、独裁化・独善化に他ならない。
都合の良い方向だけ、一方的な、民主化要求なのであるから、これは民主化とは言い難い。むしろその逆、独裁化・独善化に他ならない。
<注釈>
(*1) 越権行為であるならば、琉球新報の騒ぎ方はこんな物では済まない。世論調査の結果だの、他の地区の選択結果だの、全国平均だの引き合いに出さずとも、大っぴらに非難したはずだ。逆に言えば、世論調査の結果だの、他地区の選択結果だの、全国へ行きだのを根拠に八重山地区の育鵬社教科書選択を非難する前者社説が、如何に説得力に欠けるかと言う事だ。