「菅直人政権短命の理由」に見る民主党の病根


応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
 さらに、後者の記事に曰く、菅直人政権が短期政権に終ろうとしているその理由について、件の小冊子が言う事には、以下の3項目なのだそうだ。
 
 [1] 衆参両院の「ねじれ」
 [2] 民主党内の結束の乱れ
 [3] 内閣支持率の低さ
 
 尤もな理由だと思う人。貴方の目は節穴だ。
 
 先ず上記[2]「民主党内の結束の乱れ」は民主党の「お家の事情」であり、民主党自身の問題。情状酌量の余地はない。
 良く知られている通り、民主党と言う政党は綱領すらない。党首を決めたり除名処分にしたりの手続きを定めた規約はあっても綱領はないのだから、集団ではあっても政治団体として骨なしの軟体動物になるのは当たり前で[結束の乱れ]はないほうが不思議だ。結束の芯となるべき綱領がないのだから。
 綱領に最も近いのは選挙の際に掲げ大いに喧伝した「マニュフェスト」であろうが、その実行が財政的裏づけ皆無のために壊滅的状態である事や、それでも「マニュフェスト墨守」派と「マニュフェスト柔軟実施=実質破棄」派が対立しているぐらいだから、「民主党内の結束」なんざ無くて当然。それは先代党首のルーピー鳩山の頃でも、ポスト菅の時期「首相」でも変わるところはない。
 であるならば、上記[2]「民主党内の結束の乱れ」を[菅直人政権が短期に終った理由]として認めるならば、それは先代の「鳩山政権もまた短期であった」理由の一端を示しているのは良いが、「ポスト菅政権もまた短命に終るだろう」と言う予言に他ならない。ま、私はそもそも民主党が政権与党の座に居る事が間違いだと思っているから、それはそれで結構な事ではあるが。
 
 上記[1]「衆参両院の「ねじれ」」は菅直人政権の途中、先の参院選挙で民主党が大敗した事で発生した「ねじれ」だ。それ以前は一昨年夏の忌まわしき「政権交代」以降衆参両院とも民主党が牛耳っていた。
 であるならば、先の参院選で民主党が大敗して衆参両院が「ねじれ」たのは参院選挙結果であり、「国民の選択」の結果だ。しかも現首相である管直人の下でその参院選挙を戦っているのだから(*1)、その参院選結果である「ねじれ」によって政権が短命に終ったのだとしたら、自業自得であろう。
 
 上記[3]に至っては・・・何をかいわんや。
 「内閣支持率」と尤もらしい字面だが、平たく言えば「人気」であろう。その人気は首相の風貌やカリスマ性、或いはパフォーマンスなんかでも上がるのかも知れないが、長い目或いは期待されるところは国民が政府政権政策に対して下す、選挙以外の評価結果であろう。それは政府政権政策の結果であって、原因ではなかろう。
 言い換えれば、「内閣支持率が低いから政権が短命に終った」と言うのは尤もらしいが、嘘だ。
 「短命に終るような政策しか実施できない、或いは政策を実施しないような内閣であるから、内閣支持率が低い」のだろう。であるならば、上記[3]「内閣支持率の低さ」を「菅直人内閣短命の理由」に挙げるのは、良く言って問題のすり替え。早い話が尤もらしい嘘だ。
 
 さらに言うならば、件の小冊子が菅直人政権端名の理由としてあげた上記[1]~[3]のうち、[1]と[2]は民主党自身の自業自得であり、[1]と[3]は「国民が支持してくれないぃぃぃぃ!」と言う愚痴である。それも、一昨年夏の衆院選挙結果として憲政史上最多の衆院議席数を占めるにいたり、そのままの衆院勢力を保っている、本来ならば押しも押されもしない筈の政権与党の愚痴である。
 
 ガキか、手前ぇら。
 

<注釈>

(*1) さらに言うならば、その参院選挙で「力強い支持を頂くために」地方交付金を積みましたと、民主党自身が公言していたのだから。