とても手の出ない「酸っぱい葡萄」なのだが・・・
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夢のある話である。良い話である。であればこそ、「悪いニュース/記事」ばかりとなっている当ブログで取り上げたのであるが。
先ず、斯様な野心的な「宇宙旅行」が国家の威信をかけた挙国一致体制ではなく、民間商業ベース、早い話が「商売になる」「商業的に成り立つ=一定の利益が見込める」で実施できてしまう状況を慶賀したい。国威発揚を担った宇宙開発から、実利を伴う宇宙開発へと移行する時代の流れを象徴しており、「衛星軌道上で飯を炊く」時代が近づいていることを示している。言い換えれば宇宙旅行の普及であり、宇宙及び宇宙技術の普遍化だ。
無論タイトルにもした「お一人様20万ドル=約1600万円」と言う費用を以って「宇宙旅行の普及」と言うのは違和感を感じるむきもあろう。が、選びに選び抜かれたエリートだけが大気圏外へ飛び出せた「ライトスタッフ=正しい資質」の時代から、大概の人間は金を払えば短期間の訓練で「宇宙旅行」出来るようになるのだから、これはやはり「普及」と言うべきだろう。資本主義の勝利万歳!
但し、夢のある話に水を差すようではあるが、報じられるとおりこの「宇宙旅行」は限定的な範囲での「宇宙」であることは明記されるべきだろう。
先ず、斯様な野心的な「宇宙旅行」が国家の威信をかけた挙国一致体制ではなく、民間商業ベース、早い話が「商売になる」「商業的に成り立つ=一定の利益が見込める」で実施できてしまう状況を慶賀したい。国威発揚を担った宇宙開発から、実利を伴う宇宙開発へと移行する時代の流れを象徴しており、「衛星軌道上で飯を炊く」時代が近づいていることを示している。言い換えれば宇宙旅行の普及であり、宇宙及び宇宙技術の普遍化だ。
無論タイトルにもした「お一人様20万ドル=約1600万円」と言う費用を以って「宇宙旅行の普及」と言うのは違和感を感じるむきもあろう。が、選びに選び抜かれたエリートだけが大気圏外へ飛び出せた「ライトスタッフ=正しい資質」の時代から、大概の人間は金を払えば短期間の訓練で「宇宙旅行」出来るようになるのだから、これはやはり「普及」と言うべきだろう。資本主義の勝利万歳!
但し、夢のある話に水を差すようではあるが、報じられるとおりこの「宇宙旅行」は限定的な範囲での「宇宙」であることは明記されるべきだろう。
私が考えるに、この「宇宙旅行」のポイントは二点ある。
(1) 青い地球を見下ろすことが出来る
(2) 無重力状態の体験
上記2点の内、前者は「高度」の問題。地上を歩いていれば、富士山の山頂でも高度3000m程度。旅客機の巡航高度は10000m程だが、これでは全く不足なために今回「宇宙旅行」で上記(1)の「青い地球を見下ろす」得難い体験を得られる。何しろ、高度110kmだそうだから、これを凌駕する体験は、国際宇宙ステーションかスペースシャトルに乗らない限り得られそうに無く、いずれにせよ「宇宙旅行」となる。
上記(2)「無重力体験」の方は、案外簡単に体験出来る。要は落ちれば良い。但し、ビルの屋上から飛び降りても、周囲の空気は一緒に「落ちて」くれないから、気流となって身体に当たり、余り「無重力体験」らしく感じられないだろう。エレベータのケーブルが切れると、エレベーター内の空気や周囲の人や物が「一緒に落ちて」くれるので、「無重力体験」らしくなる。
言い換えれば「無重力体験」をするのに宇宙旅行は必ずしも必須ではない。タダ、「宇宙旅行」が当然ながら高い高度に駆け上がるので、「無重力体験」の時間を長く取れるというだけ。普通の飛行機でも弾道飛行すれば、機内は「無重力空間」になることは、宇宙飛行士の訓練として名高いところだ。報じれるところでは、2012年にスタートとされるヴァージンギャラくティカ社の「宇宙旅行」で約4分間の無重力体験を出来るそうだ。流石は高度110kmである。
私が先に「限定的な範囲での宇宙旅行」と述べたのは、一つには上記の通り、「無重力状態」は「宇宙旅行」の付属物ではあっても決して専売特許ではないこと。もう一つには、今回喧伝される「宇宙旅行」の最大のポイントが「地球を見下ろす」事にある点だ。それすなわち、今回めでたく発売される「宇宙旅行」が「未だ地球の見える範囲」であること。それどころか、高度110kmは「地上高疎110km」であるから、直径で6000km、半径で3000kmある地球からすれば、「皮一枚」とは言わないまでも、まだホンの表面から浮かんだというだけだ。
勿論、昨年我らが小惑星探査機「はやぶさ」がサンプルを持ち帰った小惑星イトカワが「人類史上逝きて還りし最長距離」なのであるから、有人機どころか無人機でさえ「地球の見えない所」までも進出していないのが、人類の現状なのではあるが・・・・
「ならば、行って我らの正当な遺産を要求しようではないか。
我々の伝統に、敗北の概念はない。
我らを止める力など、この宇宙には存在しないのだ。」 ―クリス・ダンチェッカー博士 J.Pホーガン作「星を継ぐ者」より―