「この怪物は、酸素が無ければ生きていられないのだ。」 ―ジャンシ「最期の国境線」より―

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 如何であろうか。
 
 後者の記事はまあ、「予想通り」であり、想定の範囲を超えない。辞任をほのめかして不信任案可決を回避するなどと言う裏技を使った時点で、菅直人はゾンビ首相たることが決まったのであり、そのゾンビ首相の影響が、菅直人やら東日本大震災やら福島原発事故やら「一定の目処」やらと言う特殊事情の最も効き難い外交面、なかんづく首脳外交面に現れた、と言うだけの話である。後者引用記事は、このまま菅直人が「首相続投」を続けて、9月以降の外交日程にしゃしゃり出る事態になったとしたら、管直人のスーパーゾンビ首相としての延命効果はあるかも知れないが、それは日本の外交としては文字通りの脳死状態が続くと言う事を意味すると報じている(*1)。が、脳死状態の首脳外交と言う事は、今度菅直人が「Trust Me!」と言ったところで誰も信じないと言う事であり、「脳死状態のほうが下手に首脳外交されるよりも損害が極限できるのではないか。」と思えてしまうから、首脳外交が停止していること事態は、悪い面ばかりではない。
 
 問題はむしろ、前者の引用記事だ。
 
 菅直人を擁護して止まない週刊朝日のインタビューと言うだけで、私なんざ警戒警報発令してしまうのだが、その中で(*2)最も引っかかったのは次の一節である。
 
> 将来のエネルギー政策のあり方については
菅1>「極端に言えば、電力供給を現状の半分にしても国は成り立つようにしていかなければならない」
>と強調した。
 
 これは一体何を意味するのか?
 
 何しろ「極端に言えば」の前置きはあるものの、「電力供給を現状の半分にしても国は成り立つように」であるそれも、「していかなければならない」と主体的にゾンビだろうがスーパーゾンビだろうが首相が発言しているのだから、「国の施策として実施すべき」と、菅直人は考えていると思わねばなるまい。

 さらに言えば、そのスーパーゾンビ(*3)が福島原発事故以来の混乱による原発停止と電力不足に対して「電力の安定供給対策」として「節電と自家発電」を挙げ、それしか挙げていないと言う恐るべき事実も想起すると、この上記菅1>発言は恐るべき意味を持ってくる。
 
菅直人 発掘指示の 自家発電 余力少なく 所詮言うだけ -Zero http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35653901.html
ゾンビ首相の遠吠え「埋蔵電力示せ」 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35692718.html
 
 即ち、「電力需要半減」。
 それも、国の施策としての「電力需要半減」。それは、上記の「電力の安定供給対策」として「節電と自家発電」に通底するものがある
 
 これが電力会社にとっての悪夢である事は私も認める。それは電力会社にとって市場が半分になることを意味する。それは同時に、菅直人が「脱原発」と称し「推進」する「自然エネルギー発電」にとっても市場縮小の筈であると同時に、原発ばかりでなく、火力発電所の停止ないし破棄をも意味するが、それだけならば私もかくも心配したりはしない。
 
 私が危惧するのは、管直人の狙いが「所得倍増」ならぬ「所得半減」、と言って悪ければ「国民総生産半減」なのではなかろうか、と言う事である。「くたばれGDP!」の掛け声ではなく、実践編である。
 
 無論、節電によるエネルギーの効率的消費と言うのはあるし、技術革新による省エネルギー効果も決して小さいものではない。だから、「電力需要が半減しても経済レベルは現状維持ないし向上できる」可能性は、ないとは言わない。
 
 だが菅直人が、ゾンビ首相転じてスーパーゾンビ首相と化そうとしている菅直人が、福島第1原発を震災翌日に直接視察したがベント作業を遅らせては居ないと主張する菅直人が、浜岡原発を「要請」で停止させた挙句「ストレステスト」を言い出しさらに「脱原発」を表明して「個人的見解」と言い、そう言いつつ本質的には無縁である筈の8.6広島でも「脱原発」を宣言する菅直人が、「政府施策としての電力需要半減」を言い出した今、彼奴の念頭に「経済レベルの現状維持ないし向上」などと言う、それこそ「一定の目処」ないし少なくとも「願い・想い」なるものが、あるかと考えると・・・・
 
 絶対にない、と断言してしまう。
 
 「一定の目処」の方は常識や論理で「ない」と喝破できる。
 
 より問題なのは、「願い・想い」としてすらない事であるが、こちらの方は半ば菅、もとい、勘であり、いわば私の感情であり、ひょっとすると偏見かも知れない。
 
 だが、確信できてしまう。
 
 菅直人は、自らの首相としての地位の延命は大いに考えているだろう。が、日本の将来や、日本人の未来について、己が地位の延命に役立つだろうこと以外は、欠片も考えているとは思われない
 
 脱原発どころか電力需要の半減を、経済への悪影響を無視して公言できる日本国首相。
 
 亡国の権力亡者以外の評価は、私には出来かねる。
 
 菅、斬る可し。

 菅即斬!
 

<注釈>

(*1) 「休眠状態」とか、表現は異なるが、意味は同じだろう。
 
(*2) と言っても、週刊朝日の原典当たったわけではなく( 正直、余り「当たろう」と言う気にならない。朝日だろう、菅直人だろう、それだけで士気喪失してしまいそうだ。)、引用した産経の極短い記事の中で、と言う制限がつく。産経が意図的に朝日インタビュー記事をフィルタリングしている可能性は否定し難い。まあ、週刊朝日のフィルターと何れが強烈かと言う疑義は成り立つが、管直人の発言だ。朝日からすりゃ一心同体と言うものだろう。
 
(*3) 最早、「首相」と言う肩書きさえつける気が失せる。