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【中国版新幹線】 “パクリ”新幹線もう故障 電気系統故障で1時間半の立ち往生 落雷の影響か 

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北京南駅を出発し、上海虹橋駅へ向かう中国版新幹線「和諧号」の一番列車=30日午後、北京市内(共同)
 【西安=河崎真澄】中国国営新華社通信によれば、北京から上海に向かっていた高速鉄道(中国版新幹線)「京(けい)滬(こ)線」の列車「G151」が10日午後6時10分(日本時間同7時10分)ごろ、山東省内で電気系統の故障のため停車した。激しい落雷の影響によるとみられる。運転は約1時間半後に再開されたが、午後10時半ごろまで運行遅延が続き、少なくとも11本の後続列車に影響が出た。
 6月30日に開業した京滬線で、営業運転中の故障が報じられたのは初めて。京滬線については、中国鉄道省の元幹部が中国紙に対し、「安全よりも(営業速度など)『世界一』を優先させた設計だった」と暴露し、安全性を疑問視する声も出ていた。
 中国の高速鉄道をめぐっては、過去に日独などが技術供与して開発したシステムであるにもかかわらず、中国鉄道省は「すべて中国が自主研究して生み出した」と主張。中国車両メーカーが米国などでの国際特許の申請手続きを進めている。
 同省の王勇平報道官は7日、新華社の取材に、「他国の知的財産権を侵害した事実はなく、中国人は他人の所有物を自分の物だと強弁することはない。他人の指図で申請の権利を放棄することもあり得ない」などと述べている。
 その上で同報道官は、「中国の多くの技術基準は日本の新幹線をはるかに上回っている」として、日本の新幹線を支援するため「関連技術を提供したい」とまで話した。
 
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確かに中国産の部分がある

 横軸に時間経過、縦軸に故障発生件数或いは故障率を取ったグラフは、品質保証や生産管理ではおなじみのグラフだ。理想的或いは理論的にはこのグラフは「バスタブ曲線」と言われる曲線を描くとされる。

 生産・発売開始直後は「初期不良」と呼ばれる故障が頻発して高い故障率を示す。組み立てる方も使う方もまだ新製品になれていないことに起因し、或いは根本的な設計不良も比較低早い時期に判明してこの「初期不良」をなす。設計変更、組立作業者やユーザーの慣れに従ってこの初期不良は除去されるから、故障率は急速に低下し、やがて低い値で安定する。「バスタブの底」が形成される訳だ。
 やがて年数が過ぎてくると、経年劣化などで再び故障率が上がりだし、「バスタブの反対側の壁」が見えてきて、これが生産終了まで続く。

 無論「バスタブ曲線」は先述の通り理想的或いは理論的な曲線であり、実際の物はしばしばこんなカーブとならない事も良く知られている。とは言え新製品、なかんづく新技術に基づく新製品は殊更「初期不良」を起こしやすいものであり、この初期不良を如何に起こさない、減らすかが、新製品発売の一つのポイントであろう。如何に「新しい技術です」と言っても初期故障が多大な様では、新しい事がセールスポイントにならないのだから。
 
 であるならば、上掲記事に報じられるとおり、中国版新幹線・産経などではしばしば「パクリ号」と揶揄され、当ブログでもそれを踏襲しているアレが、営業運転早々に故障で停止したとて、驚くには当たらない。
 
 これに対して、東日本大震災と言う大ニュースのために影が薄いが、この春営業運転開始した九州新幹線にはそんな初期故障の「し」の字も見当たらないのも日本の新幹線が既に40年以上運行されてタダの一人も死者を出していないと言う凄まじい実績からすれば、どうと言う事もない。
 
 つまり今回報じられる中国版新幹線の故障停車は、図らずも以下の何れかである可能性を露呈した事になる。
 
 (1) 中国版新幹線は、日本の新幹線の技術を導入したが、導入若しくは模倣が完全ではない。
 (2) 中国版新幹線は、ドイツの技術を導入したが、導入若しくは元のドイツ技術が不完全であった。
 (3) 中国版新幹線の中国オリジナル部分が今回故障した。
 
 言うまでもないが上記のケースに場合分けしたのは、「日本の新幹線技術を完全に模倣したのならば、日本の新幹線同様の初期故障率となる筈だ。つまり今回のような故障は起きない」と言うのが前提である。また、問題の中国版新幹線はレンホウ式仕分け理論なぞ歯牙にもかけずに営業速度「世界一」を目指しているそうであるから、「日本の新幹線技術を完全模倣」したのではこれを達成できない可能性は大いにあり、少なくともドイツの技術か中国オリジナル技術が「混入」されていると見てよかろう。
 
 とは言え、引用記事が報じるとおり、
 
1> 中国鉄道省は「すべて中国が自主研究して生み出した」と主張。
 
であるから、この主張が正しいのならば上記(1)~(3)の場合分けは、(3)が真実であって他には故障原因がないと強硬に中国鉄道省は主張していることになる。
 
 となればその主張は一応の筋の通った主張のようにも思えるが・・・上掲記事配下のようにも伝えているので、とてもじゃないが上記1>なんて信用できない。
 
2> 同省(中国鉄道省)の王勇平報道官は7日、新華社の取材に、
3>「他国の知的財産権を侵害した事実はなく、
4> 中国人は他人の所有物を自分の物だと強弁することはない。
5> 他人の指図で申請の権利を放棄することもあり得ない」
 
 噴飯モノとは正にこのことだな。流石は中国の役人と言うべきか。ナチスの宣伝相ゲッペルス(*1)はその宣伝の極意として「大きな嘘を吐け。その方がバレない。」と教えたそうだが、中国共産党はその教えを忠実に守っているものと見える。
 
 上記3>からしていきなりズッコケル。中国が黄色いガンダムから贋物ディズニーランド、ニセブランド品から海賊版CD/DVDまで知的所有権侵害しまくりなのは余りにもあからさまな事実だ。それを「侵害した事実はない」と公言できてしまうのだから、流石は「毒入り餃子の毒は中国国内で入れられたものではない」と断言出来てしまう(*2)国のお役人だ。だが、その嘘は余りにも大きすぎてバレバレだぞ。
 
 上記4>も凄いねぇ。最近の尖閣諸島や南シナ海に於いて特に顕著だが、中国に国境を接していて中国が「自分のものだと強弁」しない部分のほうが少ないぐらいだ。中ソ国境だってダマンスキー島/珍宝島をめぐって対立し、強弁どころか砲撃戦までやっているではないか。どこをどう解釈すると「強弁する事はない」なんて言えるのだ。「戦争は強弁ではない。」と言う理屈ならば、強弁の見本と言うべきだろう。
 
 上記5>、これだけは私も同意しうる。「申請の権利放棄」は中国の主体的行動であるから、中国が放棄しないと決めれば、放棄しないと言う事はできるだろう。つまりは中国には知的所有権と言うものをめぐって交渉したり教育したりするのは全く無駄であり、強制措置と制裁あるのみだ、と言う事だ。
 
 それはさて置き・・・
 
 今回の中国版新幹線故障の原因が上記(1)~(3)の何れであるか、断定できる材料は私にはない。先述の通り「日本の新幹線技術の性であるとは思えない」ばかりだ。
 だが、上記1>及び3>~5>の通り、中国がこの中国版新幹線を中国の技術と言い張り続ける限り、上記(3)が原因ならばまだしも、上記(1)または(2)が原因であるならば、今回発生した「初期不良」の撲滅は難しかろう。故障原因探求とその対策には、単なる模倣以上の技術力が必要であるが故に。
 
 つまり・・・今回のような故障が頻発するようならば、原因は上記(1)または(2)に起因するものであり、当たり前の事だがこの中国版新幹線が中国オリジナル技術などではない、新幹線パクリ号である事が、露呈する事になる。
 
Achtung! China!!  中国に警戒せよ。
 

<注釈>

(*1) 宣伝を担当して大臣になってしまった人。そのうち民主党政権も宣伝相を設けるんじゃないかと、私は危惧している。その次はきっと、真理相だぞ。
 
(*2) ついでに言うとその後その毒を入れた犯人が当然ながら中国で逮捕されても、このときの断言については釈明も弁明も説明も一切ない。鳩山&仙谷級の健忘症ぶりだ。

当ブログの新幹線関連記事(一部)

(1) 偉大なる先駆者-高速大量輸送鉄道 新幹線-   URL: http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/24150218.html
 
(2) 勝てる勝負には、勝っておけ-ベトナム高速鉄道は新幹線方式に閣議決定-  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32338250.html
 
(3) 前途多難?シュワちゃんの新幹線-米カリフォルニア州の高速鉄道計画  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/24112682.html
 
(4) 新幹線、線路上にいた女性と接触。女性は手首切断 -それでも死者が出ないのは・・・薄気味悪いほどの僥倖だな   http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32748743.html
 
(5) 中国産の部分を確認―中国新幹線パクリ号早くも故障停車  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35614384.html
 「私は鉄道マニア=いわゆる「テッチャン」ではない」と繰り返しつつ、こと新幹線に関する限りは結構記事を書いているな。まあ、記事の総数が1000本を越えているからな。