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先回の「福島原発海水注水中断疑惑」を受けての社説比較は、レギュラーメンバー5紙(朝日・毎日・読売・日経の四大紙+産経)に東京新聞の追加社説を加えての社説比較。やれ嬉しや、これでレギュラーメンバー揃い踏み、かと思いきや・・・・この一日の間に福島原発事故に関する第三者機関たる「事故調査・検証委員会」が発足し、今日追加となった社説はそれを受けての社説。ために、「福島原発海水注入中断の追及」という色彩は薄くなってしまい、社説比較としては、少々焦点がぼけてしまう事は否めないが・・・
(4-2)紙+2紙社説比較-福島原発海水注水中断 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35327763.html
エーイ、構う物か。所詮は個人ブログの個人的記事。マスコミ各紙が偶に実施する社説比較ほどの厳密さは不要であろう。・・・・と開き直って始めるは、「四大紙+2紙社説比較-福島原発注水中断/事故調査検証委員会発足」。比較表のほうは、例によって朝日の方の主張を赤字で、産経の方の主張を青字で、両紙にはない主張で他紙独自の物は太字下線で示した。朝日も産経も一日早い24日日付の社説であるから、勢い事故調査・検証委員会関係の情報は、朝日でも産経でもない黒太字下線文字となっている。表自体は先行記事の表を加筆修正した物で、比較項目も元のままだ。

先ずは報じられるような第三者機関である事故調査・検証委員会発足が決定されたと言う事は、先行記事にした産経社説の主張する「国政調査権による福島原発事故経緯・原因調査究明」と言う主張はとりあえず敗れた形だ。まあ、保身と延命にだけは長けている菅直人及び現・民主党政権の考えそうな事だろう。先般の社説比較において比較項目を、5「早期に取るべき行動」と6「長期に取るべき行動」に分けた効果が如実に現れている。産経の青字が5「早期に取るべき行動」として「国政調査権による調査=国会の場での追求」を挙げているのに対し、産経以外は「言及なし」が並び、辛うじて朝日と読売のみが「証拠、証言の保全」を挙げているだけ。逆に6「長期に取るべき行動」には第三者期間による調査がずらりと並ぶ。政府の公式発表で鳴り物入りで第三者機関が喧伝されては、こうなるのも道理ではあろうし、「福島原発事故」と言えば、いまや悪魔か魔女の如く思われている/思わせている存在。これに「敢然とたち向かう正義の味方・調査検証委員会」を非難するのは営業判断としては拙かろうが、揃いも揃って政府の提灯持ってどうするのかね。
それも、菅直人の、民主党政権の提灯だ。
まあ、一昨年夏の衆院選挙で、自民党憎し・民主党礼賛で「政権交代」の風を負荷したマスコミであれば、所詮は民主党と同じ穴の狢であるから、こんな提灯社説も珍しくもないのであるが。
今回追加なった3紙社説の内、最も甚だしい提灯持ちは、一寸意外だが日経である。日経の社説に曰く。
日1> 政府の対応の検証は大事だが、
日2> 海水注入の中断をめぐる野党の追及と政府側の説明の迷走は、政局の思惑がらみの動きに見える。
日3> 重要なのは、事故の包括的な検証を進め、早く全体像を世界に示すことだ。
となっており、政府の責任追及よりも検証だという。24日毎日社説「海水注入問題 原発に政局持ち込むな」にもあい通じる、原発事故調査と国会の分離論であり、産経の逆と言ってもよいぐらいだ。それを言うなら先述の通り25日追加の3社説はいずれも「第三者機関・事故調査検証委員会」を絶賛しているから、皆「産経の逆」なのであるが。
尤も、昨日の今日で発足した新たなナントカ委員会の調査よりも、国会による追及のほうが、当座の「早く全体像を世界に示す」上では有効と、普通は考える所だろう。何やら有名らしい新たな委員会の委員長様に、ごまかされている公算大だ。
読売社説は、福島原発事故の経緯を、
読1> 直接の原因は、津波による冷却機能喪失だろうが、
読2> 炉心溶融の連鎖を阻止できなかった点まで「天災」のせいにはできまい。
尤も、昨日の今日で発足した新たなナントカ委員会の調査よりも、国会による追及のほうが、当座の「早く全体像を世界に示す」上では有効と、普通は考える所だろう。何やら有名らしい新たな委員会の委員長様に、ごまかされている公算大だ。
読売社説は、福島原発事故の経緯を、
読1> 直接の原因は、津波による冷却機能喪失だろうが、
読2> 炉心溶融の連鎖を阻止できなかった点まで「天災」のせいにはできまい。
と総括し、人災であった可能性、人災であると疑われる部分を列挙する。仲々厳しい事故分析ではあり、「海水注水中断」についても
読3> 例えば、1号機では、原子炉を冷却する海水注入が中断し、事態悪化につながった、
読4> とも指摘されている。
読4> とも指摘されている。
と、触れることを忘れない。
だが、その結論部分は、調査検証委員会への絶大な期待と、「政府の記録不備への懸念」にしか過ぎない。「記録不備」への懸念であって「不都合な真実の隠蔽」ではないところに、民主党に対する追及の甘さを見るべきだろう。
24日に引き続いて社説で福島原発事故に触れる東京は、それだけに25日に追加した社説は調査検証委員会に集中した形だ。
東1> 第三者機関の検証委にとって、国民の前に事実を掘り下げる努力が第一だ。
だが、その結論部分は、調査検証委員会への絶大な期待と、「政府の記録不備への懸念」にしか過ぎない。「記録不備」への懸念であって「不都合な真実の隠蔽」ではないところに、民主党に対する追及の甘さを見るべきだろう。
24日に引き続いて社説で福島原発事故に触れる東京は、それだけに25日に追加した社説は調査検証委員会に集中した形だ。
東1> 第三者機関の検証委にとって、国民の前に事実を掘り下げる努力が第一だ。
と特筆大書して、委員会の中立性を保つための方策を述べ、その提言に大いに期待する。その締めくくりは次の一文である。
東2> 検証委が提言する政策は、世界の不安を払拭(ふっしょく)し、
東3> 原発の安全性向上や事故防止につながるレベルでなければならない。
東3> 原発の安全性向上や事故防止につながるレベルでなければならない。
総じて言うならば、発表された事故原因調査検証委員会報道を受けた25日各紙の社説は、同委員会への期待と希望で満ち満ちている。
が、その華々しい委員会デビューのために、海水注水中断のために国会で火が点いた政府責任追及の手がゆるむことは敢えて無視ないし推奨した社説ばかりである。その意味で、提灯記事ならぬ、提灯社説が揃ったと、言うべきだろう。
社説一覧
産経 海水注入中断 首相の行動徹底検証せよ http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110524/plc11052403390004-n1.htm読売【参考】 放射能汚染 綿密な健康調査で不安を拭え http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110523-OYT1T01304.htm?from=any毎日 海水注入問題 原発に政局持ち込むな http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110524k0000m070153000c.html朝日 原発事故調査―第三者機関で解明を http://www.asahi.com/paper/editorial20110524.html?ref=any東京 菅内閣要職発言 「言ってない」に辟易だ http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011052402000055.html
<追加>
日経 原発事故の早急な解明は世界への責務 http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0EBE3E5E4EAE5E2E0E7E2E7E0E2E3E38297EAE2E2E3?n_cid=DSANY001読売 原発事故調査委 「大失敗」の原因を究明せよ(5月25日付・読売社説) http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110524-OYT1T01265.htm?from=any東京 原発事故調査 世界に事実を知らせよ http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011052502000084.html