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3. 「福島が安全だとか言う奴は、原発産業から金をもらってるんだ。」と言う説

http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/35244775.html より続く
 
 パスビー「教授」の動画後段は、自分の説が、大げさに聞こえるかも知れないが安全側である事」と、自分の説が東電など原子力産業には歓迎されない事、さらには自分を非難するような者は原子力産業か巨額の金が渡っているかのごとくと言う、自己弁護と、批判者批判に終始している。確かに是だけ「大げさに聞こえる」言辞に対しては、批判が集まっても当然であるし、前述の通り、本記事でも相当に非難している。何しろ「曲学阿世の徒」と、学者に対しては「最大限に近い罵倒」を浴びせているのだから。
 
 ならば、私のところに東電なり、他の電力会社なり、そのほか原子力産業からなり、聊かでも金が来ているかと言うと、今以て「原発推進論者」をもって任ずる私のところでも、そんな金はびた一文、来はしない。私も金が欲しくて「原発推進論者」を名乗っている訳ではない。
 
 ま、そうは言っても信じない向きは信じないだろうな、と言う事でつけたのが、本章のタイトルだ。同様の疑いないし非難は、比較的原発を未だ容認している産経新聞に対しても向けられているらしい。
 
 原子力産業から産経新聞に金が渡っているかどうか、私は知らない。私が原子力産業関係者で、どこか新聞社に金を渡して都合の良い記事なり論説を書かそうとしたら、産経新聞よりももっと大手で金に転びそうなところ狙うだろう、と思うばかりだ。
 
 それに金で言論を買うと言うのならば、職業的反原発団体なり、自称環境保護団体(*1)なり、日本の原発が縮小される事で利益をこうむる集団なりが、パスビー「教授」なり、Russia Todayなりを「買う」事だって充分ありうる話だ。同様に、嵩にかかってここぞとばかり「脱原発」を合唱する、大手マスコミどもが「買われる」事もありえよう。
 
 「日本の原発が縮小される事で利益をこうむる集団」とはどこかと問われれば、福島原発事故に続く菅直人「浜岡原発停止」パフォーマンス要請でますます電力供給量が逼迫して急ぎ休止していた火力発電所を運転開始したり、比較的短期間に比較的大出力での発電を期待出来るガスタービン発電を導入したりして、予定以上の化石燃料を輸入しなければならない(*2)我が国に、その化石燃料を輸出する事で利益を上げる団体などが挙げられよう。石油メジャーや、化石燃料を握る国々。ロシア政府だって、そんな団体の一つだ。
 
 だが、問題は、「誰の言論が買われているか」ではなく(*3、「福島にせよ浜岡にせよ、我が国の原発をどうするか」であり、さらにその上位の「我が国の、特にこの夏電力不足に陥りかねない電力需給をどうするか。」である。その判断思考の過程で「買われた、恣意的な、意図的な言論に気をつけろ」と言う事だ。何しろ我が国は、福島原発事故に加え、菅直人の政治パフォーマンス「浜岡原発停止要請」実施に伴って、中電から東電への電力融通と言う東電電力不足対策の一選択肢さえ封じられてしまったのだから、特にこの夏の電力需給と予想されるどころか必然とさえいえる電力不足は、大問題だ。 
 
中部電・水野社長会見(1)「安全最優先の原発事業を貫くべきと判断した」  http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110509/biz11050918230033-n1.htm
 

<注釈>

(*1) そう、「地球温暖化防止のための二酸化炭素排出量削減」とやらは都合の悪いときにはサッパリ忘れて。
 
(*2) 急いで付け加えるならば、地熱や水力発電は規定の計画があっても建設、完成、運転まで相当な期間がかかるし、太陽光や風力は、何かの足しにはなってもとても主電源にはならない。今日、原子力を代替しうるのは、特にこの夏までに間に合うのは、火力発電だけだ。
 
(*3) 一部は兎も角、「全ての買われている言論」が判明する事は、一寸期待できない。金ではなく、共通の利益によって「買われて」いれば、なおさらだ。
 

4.電力不足を起こすぐらいならば、浜岡原発を運転すべし。

 東日本大震災とそれに伴う津波の被害を受けた東北電力も、その津波に伴う福島原発事故による福島第一原発および第二原発の停止を喰らった東京電力も、共にこの夏は電力不足が予想されている。今も呼びかけられている節電や省エネ、先月まで計画されて一部は実施された計画停電などによって、ある程度はしのげるではあろう。
 今後はさらに、菅直人の「要請」を受託して停止してしまった浜岡原発が加わる。先月までの計画停電が、大部分計画のみに終ったのは、浜岡原発の一部が運転された状態で、電力供給に余裕のあった中部電力の寄与するところもあるのだから、中部電力が浜岡原発停止を余儀なくされ、東電への電力供給を中止せざるを得ない意味は重大だ。
 
 無論、中部電力も、中部以西の電力会社も、特にこの夏は節電省エネを呼びかけ、電力供給の綱渡りやらされるだろうし、節電省エネと先述の休止火力発電所運転再開やタービン発電急遽増強である程度はしのげるだろう。或いは今度は中部電力管内で、計画停電が必要となる可能性も高いと言わざるを得ない。中部電力管内にある工場やプラントにとっては、その計画停電の計画と実施は大問題だ。
 
 だが、それでも真夏の電力消費ピーク時に電力供給が足らなくなったら、計画停電以外の不時の停電を、果たして甘受すべきであろうか。中部電力に電力供給余有があれば、東電への電力供給もある範囲で可能と言うのに。
 
 私は、甘受すべきとは思わない。先月までの計画停電の一部実施ですら、「無計画停電」と非難されるような混乱を招いたのだ。電力と言うものが現代的な経済活動や生活に、如何に重大であるかを新ためて浮き彫りにしたと言って良い。不時の停電ともなれば、その影響は想像するだに恐ろしいほどだ。
 
 浜岡原発を運転すれば、そんなこの夏に起こる公算大の不時の停電を大半回避できる。
 
 無論、私とて運転中の浜岡原発を予告されて久しい東海大地震が襲い、此処に第二の福島原発事故を発生する事など望みはしない。そうしないようにする方策は、何も原発停止ばかりではないだろう。今後2年間かけ建造する防潮堤もその方策であるし、其処まで期間が必要な恒久対策でなくとも、津波から安全な高台に、一朝事あったときに浜岡原発に駆けつける、充分な数の電源車を用意するだけでも、今回福島原発を襲ったような事態は回避出来る、応急策となるのではないか?さらに安全のためには、ヘリによるその電源車空輸の体制も敷いておくのが宜しかろう。
 その上で、「運転続行」とまでは言わない。消費電力ピークが予想される夏の一ヶ月間だけ浜岡原発を運転するのは、確実に起こるであろうと思われる不時停電を惹起するよりは、遥かに安全で、安心ではないか。
 
 「今後30年以内に87%の確率で東海大地震が起こると予想されるから」と、菅直人は浜岡原発停止「要請」を出すに当たって述べた。87%と言うとほぼ9割だから、「確実に起こる」と言いえるが、それは「今後30年」と言う長いスパンを取っての話だ。仮に確率の分布が一様だと仮定すると「今後30年以内に87%の確率」は「ある1年間には87%÷30年=2.9%の確率」でしかなく、「ある一ヶ月間には0.24%の確率」にしか過ぎない
 粗い議論である事は承知の上だ。暴論と考える人もあるかも知れない。だが、いつ襲ってくるかも分からない東海大地震を警戒して、確実に起こりそうな不時停電を惹起すると言うのは、「羹に懲りて膾を吹く」愚行であると考えるのが、それほど暴論だろうか。
 
 無論、私がここまで一定の自信を以って「消費電力ピークの1ヶ月だけでも、相応の対策を打った上で、浜岡原発を運転すべし。」と主張するのは、今正に起きている福島原発事故対処が、不意や不測の事態事情はあるものの、相応に東電の制御下にあると認識しているからであり、先述のパスビー「教授」の認識に全く同意できないから、である。(*1)
 
 また、恐るべき事に未だ日本国首相の座にある「歩く政治空白」菅直人の「停止要請」を受けて浜岡原発が停止してしまった以上、私の主張する「電力消費ピークの一ヶ月だけ浜岡原発運転再開」と言うのは、最早中部電力独自には決断できず、それこそ、政治主導が必要だろう。と言う事は、「歩く政治空白」菅直人が、その首相と言う地位にある限りは、否、民主党政権が続行する限りは、先ず望むべくもない。
 
 新ためて痛感する。
 
 菅直人と民主党政権こそは、東日本大震災、それに伴う津波、福島原発事故と並ぶ、否、少なくとも福島原発事故の上を行く、災厄であると。
 
 厄落としが必要だな。
 菅、斬るべし!

 

<注釈>

(*1) それはまた同時に、当ブログ創設以来の長いお付き合いのある、IBさんの認識とも、異なるところであるが