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 いやまあ、予想された事ではあるのだが、福島原発事故における「レベル7」パニックもまた、酷いものである。
 
 報じられているのは、案の条の自称「環境保護団体」実質反日テロ組織グリーンピース(以下略称GP)の福島原発事故対処批判。報道に曰く。
 
1> 「グリーンピースは3週間前からレベル7に引き上げるべきだと主張してきた。
2> だが、原発周辺の避難区域の設定にみられるように、
3>  日本政府は(グリーンピースの呼び掛けに対して)一貫して全く反応していない」と批判した。
 
 先ず事実の確認から行こう。福島原発事故に対する深刻度判定を日本政府が「国際評価尺度(INES)」のレベル7即ち最高レベルに引き上げたのは紛れもない事実だ。その判断基準は放出された放射性物質の総量に従っており、この総量が最近漸く推定されて、「レベル7」と判定するに足る総量となったが為、と別途報じられている。
 
 レベル7は国際評価尺度の最高レベルであり、かつてのチェルノブイリ事故もまたレベル7と判定されている。
 「故に福島原発事故は、チェルノブイリ並みの大事故になった。」と言うのは一面は正しかろうが、大いに誤解を招きうる詭弁だ。確かに今回の福島原発事故も、チェルノブイリ事故も、国際評価尺度で「レベル7」と判定されたのであるが、それは判定基準の問題。「最悪のレベル7」を低い基準に定義しておけば、滑って転んでも「最悪の原発事故」でありえよう。
 
 別の報道によると、30京ベクレルだか60京ベクレルだかの放射性物質が放出されたから、福島原発事故も「レベル7」に判定されたそうである。「京ベクレル」は確かに大きな数字であるが、それは放出された放射性物質の総量を現すに過ぎない。誰か哀れなる犠牲者のところに、この京ベクレル単位の放射性物質が襲って来る訳ではない。人体への影響は、空気や水や食物に含まれる放射性物質を通じてどれぐらい被爆するかによるのであり、空気や水や食物に含まれる放射性物質の量は既に既報の通り。この既報の水や空気や食物に含まれる放射性物質の量の「何とかシーベルト」が人体に影響するのであって、放出された放射性物質の総量が何京ベクレルだろうが何該ベクレルだろうが、その数字自体はそれこそ「直接には影響がない」のである。
 
 表題にもした通り、今回政府は福島原発事故の深刻度を「レベル7」に修正はした。判断は変えたが、別に物理現象が変わったわけではない。つまり、人体への影響がより大きくなった訳ではないし、大きいと判明した訳でもない。「レベル7になったからチェルノブイリ級だ」と言う報道やら煽動やらを、私が「レベル7パニック」と呼ぶ所以である。
 
 さらには、その「レベル7」と判定された放射性物質の放出は、今回事故も初期段階の水素爆発の際にその大半が放出されていると言う。それはそうだろう。その後も冷却水の漏れなどを通じて染み出してくる放射性物質はあるが、水素爆発による拡散よりは対処しやすい形態であるし、第一、放出される量が格段に少ない。
 
 言うもサラナリなんだが、チェルノブイリ事故は、先ず原子炉が暴走して、再臨界どころか臨海が止まらず爆発し、炉心そのものが火災と共に拡散した。お陰で「放射性物質が拡散した期間」こそ短かったし、周辺住民の強制退去も今回福島事故よりも早かったろうが、それだけ激烈な事故だったからだ。言いかえれば、国政評価尺度の「レベル7」は確かに最高レベルなのではあるが、同じ「レベル7」の中でも強烈な事故から穏やかな事故まであり、何とか京ベクレルの放射性物質を放出しながらも、福島原発事故はいまだに「穏やかな方のレベル7事故」に押さえ込まれているのである。
 
IAEA、福島とチェルノブイリ「完全に別物」と強調  http://sankei.jp.msn.com/world/news/110413/erp11041301390002-n1.htm
 
 であるならば、報じられているように「日本政府が住民保護対策や国際評価尺度でのレベル引き上げについて、GPの諫言に耳を貸さない。」とて、別に異とするには足らない。大体、反捕鯨を旗印に不法家宅侵入と窃盗と言う犯罪を犯し、その犯罪を正当化して見せるような集団確信犯GPの言う事に、日本政府が耳を傾けたらそれこそ不思議、否、問題だろう。GPは自らの所業の数々を、胸に手を当てて想起するが宜しかろう。
 
 それにしても相変わらず分からないのはGPの主張であり、報道の最後のパラグラフである。
 
4> ブリュアー氏は、現状は「最悪のシナリオではない」と述べ、
5> 「原発業界は事故の起きた原発を管理できる状態に置こうと苦闘している。
6> 今後さらに多くの放射性物質が放出される危険性がある」と警告した。

 はて、GPはこの最後のパラグラフで一体何を言いたいのか?
 
 上記6>は、今だ冷却のために苦闘している現状では一面の真実だろう。閉鎖系冷却サイクルが回復すれば、大分良いが。それでも「危険性がある」と言うのは嘘とはいえない。
 上記4>は私も同意するところだ。「最悪のシナリオ」とはそれこそチェルノブイリ級に原子炉が暴走するなり、再臨界を起こして止められないなり状態なのだから、現状はそうではない。
 上記5>も同意できる。「原発業界」東電及び関係各社は、福島原発事故を収束させるべく、確かに苦闘している。無論、消防官、自衛官たちと協力しながら、だ。
 
 問題は、上記5>~6>が一つながりのセンテンスである事。
 まるで「原発業界が原発を管理できる状態に置こうと苦闘している」から「さらに多くの放射性物質が放出される危険がある。」と言わんばかりだ。GPは福島第1原発を「放棄して何もするな。」と主張しているのか?
 
 GPが反日テロ組織である事からすると、それもありそうな主張だ。
 だが、福島原発を現状のまま放棄すると言うのは、賭けても良いが、「管理できる状態に置こうと苦闘する」よりも、遥かに環境に悪いぞ。
 
 まあ、GPの看板「環境保護団体」は所詮自称にしか過ぎないから、日本の環境が如何に悪化しようとも、GPは気にしないのだろうが。