応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/ 

 毎日が特集記事で報じるは、福島原発対処の初動状況。地震襲来と津波襲来、避難範囲の暫時拡大から、遂に水素爆発に到るまでをドラマ仕立てで追っている。
 その内、「菅直人の福島原発視察が、ベントの遅れにつながり、それが水素爆発に繋がったのではないか」等私が抱く疑問の核心部分は、以下のように報じられている。 
 
転載開始=======================================================
検証・大震災:初動遅れ、連鎖 情報共有、失敗(その2止)  http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110404ddm010040035000c.html
1>  ■混乱 12日未明
2> ◇「ベント」放射性物質放出へ ためらう東電
3> ◇ヘリで現地視察の首相「早くやれ」
4>  「22時50分 炉心露出」「23時50分 燃料被覆管破損」「24時50分 燃料溶融」--
5>  11日午後10時、原子力安全・保安院は、原子炉内の水位が下がった2号機で何が起こるのかを予測、官邸に報告した。
6> 12日午前3時20分には格納容器内の圧力上昇が予測されていたため、
7> 弁を操作して高温の水蒸気を外部に逃がす「ベント」作業が必要と分析した。
8> 格納容器の破損を防ぐためとはいえ、意図的に放射性物質を外界に放出する「最後の手段」とも言える荒業だ。
>      ◆
9> 事態は、冷却機能が働いていたはずの1号機でも深刻化していた。
10> 徐々に水位が下がり、燃料棒が最大90センチ露出し、原子炉格納容器の圧力が上昇。損傷の危険性が高まった。
11> 断続的に保安院で開かれた会見で
12>「この事態を想定していなかったのか」と質問が記者から相次ぐ。
13> 保安院は「あらかじめ準備されているということではない」と苦しい弁明に終始した。
14> 一方、首相官邸では11日午後11時過ぎ、
15> 地下の危機管理センターで首相や海江田万里経産相、班目(まだらめ)春樹・原子力安全委員長、原子力安全・保安院幹部を交えて対応を協議。
16> 「早くベントをやるべきだ」との意見で一致し、東電側と連絡を取った。
17> 12日午前1時半には海江田経産相を通じて東電にベントで圧力を下げるよう指示。
18> しかし、東電側からは、できるかどうか明確な返答はなく、
19> いらだつ官邸が「何なら、総理指示を出すぞ」と威圧する場面もあった。
20> それでも保安院の中村審議官は午前2時20分過ぎの会見で
21>「最終的に開ける(ベントする)と判断したわけではない。
22> 過去にベントの経験はない。一義的には事業者判断だ」と説明した。
>      ◆
23> 午前3時、東電は官邸に「2号機は冷却装置が働いている」と報告した。
24> それでも、官邸にいた班目委員長は「これからベントですね」と語った。
25> ほどなく、海江田経産相と小森明生・東電常務が会見した。
26> 海江田経産相は「ベントを開いて圧力を下げる措置を取る旨、東電から報告を受けた」と説明し、
27> すぐに小森常務にバトンを渡した。
28> これに対し、小森常務は
29> 「国、保安院の判断を仰ぎ、(ベント実施の)判断で進めるべしというような国の意見もありまして」と述べる。
30> 「東電の判断」という海江田経産相の説明と微妙な違いを見せた。
31> 方法は、水蒸気を直接大気に出す「ドライベント」ではなく、
32> いったん水にさらして放射性物質を100分の1程度に減らす「ウエットベント」だった。
33> いずれにしても前例がない。

34> 会見で、小森常務は当初、2号機でベントを実施すると表明したが、
35> 代わった東電の担当者は
36> 「今入った情報では、2号機は冷却機能が働いていると確認できた。
37> 1号機になるかもしれない」と説明した。記者を混乱させた。
38> 原発敷地内では放射線量が上昇し、
39> 保安院は午前6時、1号機の中央制御室で通常の約1000倍の放射線量が計測されたと発表した。
40> 原発正門付近でも通常の約8倍を記録した。
41> 今回の東日本大震災で初めて放射性物質の漏えいが確認された。
42> 政府は原子炉等規制法に基づき、東電にベントをするよう命令した。
43> 午前6時50分だった。
>      ◆
44> 午前6時過ぎ、首相は班目委員長らと官邸ヘリポートから陸上自衛隊の要人輸送ヘリ・スーパーピューマで福島第1原発へ飛び立った。
45> 首相は線量計を携帯していた。
46> 午前7時過ぎ、同原発に着いた首相は大地震に耐えられる免震重要棟に移った。
47> 「そんな悠長な話か。早くベントをやれ」
48> 首相の怒声が響く。未明に指示したベントはまだ実施されていなかったからだ。
49> 現場を熟知する吉田昌郎福島第1原発所長は実施を約束。
50> この後、官邸は東電本店よりも吉田所長に信頼を置くようになる。
51> ■崩壊 12日15:36
52> ◇指示から9時間、ようやく開始
53> ◇東電「ガスボンベ爆発では」 首相「東電つぶれる」
54> 官邸からの再三の要請を受けて、
55> 東電では福島第1原発で現地の作業員らが冷却機能を失った原子炉の圧力を下げるため、
56> 炉内から水蒸気を外部に出すベントの準備に取りかかっていた。
57> 当初は2号機のベントが想定されたが、
58> 途中から1号機の原子炉格納容器の圧力が上昇していることが分かり、
59> こちらを優先することになった。

60> 東電の原発事故時のマニュアルには手順も書かれているが、
61>  放射性物質を含んだ水蒸気を原発の外部に出すという初の事態に
62> 「福島の現場も東京の東電本店も緊張した」(保安院幹部)。
63> しかも、停電で原子炉から水蒸気を放出するための圧力弁は自動では作動せず、
64> 放射線量が高い格納容器周辺に作業員が行き、手で弁を開く必要があった。
65> 停電で真っ暗な中での準備作業は難航。
66> 首相の視察後もなお現場は「ベントを開始できるまで、どれだけ時間がかかるか分からない」という状況だった。
67> 1号機の格納容器内の圧力は午前4時半には、通常の2倍超の8・4気圧に達し、
68> 核燃料が溶ける「炉心溶融」がいつ起きてもおかしくなかったが、
69> ようやくベントが開始できたのは午前10時17分だった

=====================================================================転載完了

菅直人は無罪か?



 毎日の報道は、先行記事にした官房長官たる枝野の主張をほぼ裏書するものである。福島原発視察前夜のベント指示( 上記17>)、未明のベントフォロー( 上記42>~43>)に加え、菅直人自身による福島原発視察時の叱責( 上記47>)が加わり、このときに原発所長がベント実施を約束した事になっている。それでもなお停電状況下でのベント開放は難作業であり( 上記63>~66>)、ためにベントの開始は12日の午前10時過ぎだったという。この記事を見る限り、菅直人の主張「福島原発視察で初動が遅れたという事は全くない。」も裏書された形であり、初動の遅れ、ベントの遅れは、東電がベント実施に躊躇した事と、ベント作業自身が停電状況下では予想外の難作業であった事によるような記事になっている。したがって、この記事に従う限り、官房長官たる枝野の説明も正しければ、菅直人の「根拠不明の弁明 (*1) 」も正しかった事になる。
 

<注釈>

(*1) 菅直人の根拠不明な弁明 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34994215.html  参照