応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/ ;
私に「冷たい怒り」などと言う久々の感情を抱かせるのは、狂犬シーシェパードだけではなさそうだ。
報じられているのはNYタイムスの記事。米国では押しも押されもせぬ大手新聞だろう。東日本大震災により被害を受けた日本有数の捕鯨の地・鮎川浜の状況をリポートするその記事に曰く。
> 「津波は、日本の捕鯨産業の支柱を倒すことによって、
> 欧米の環境保護団体の抗議や妨害が失敗してきたことを成し遂げたようだ」
さらに報道は、「捕鯨のない鮎川浜はありえない」という船員の声を紹介をしつつ調査捕鯨続行に鮎川浜住民も異を唱え始めたと報じる。
記者は東京支局長、マーティン・ファクラー氏と言う。
マーティン・ファクラーは米国人であろうから、日本人のような骨がらみの言霊思想は持ち合わせていないだろう。伝統捕鯨の地・鮎川浜が、東日本大震災で大被害を被ったのも事実だろう。日本は自由の国であるから、住民の中には調査捕鯨続行に反対する者だって居るだろう。従って、マーティン・ファクラーの記事には( 多分)嘘・捏造はないし、此はアメリカにも相当数居る狂信的熱狂的反捕鯨主義者には受ける記事に仕上がっているから、NYタイムス市の売り上げにも貢献するだろう。商売的・資本主義的には、誠に「正しい」記事である。
だが、此処は日本だ。
日本では家業というものを大事にする。親が捕鯨船乗りならば、子も捕鯨船乗りになることが、ある程度期待される。子が受け継ぐことが無くとも、何とか家業は存続しようと模索する。「商売にならないから即転職」とはならない。時に家業は、血脈と同義語である。
日本人には無意識的なほどの言霊思想がある。理系である私は言霊思想の弊害も承知しているが、それでもこのマーティン・ファクラーの記事に「冷たい怒り」まで覚えてしまうのもその証左だ。「鮎川浜の捕鯨業は大損害を受け、調査捕鯨も中止されそうだ。」という悲観的報道に、「鮎川浜は今回の東日本大震災による損害から復興するな。」と言うニュアンスを感じたが故の怒りであり、そのニュアンスを感じさせるのが言霊思想だ。
マーティン・ファクラーがNYタイムスの東京支局長でありながら、日本人の感情( 言霊思想も、感情を支配する一要因だ)に配慮せず、米国での売り上げに配慮した記事を書こうが、それで米国の反捕鯨主義者共が喜ぼうが、構うものか。
捕鯨が、反捕鯨に敗れるのは、狂信と熱狂に対する知性と理性の敗北であることには変わりがない。
伝統的捕鯨の地である鮎川浜が復旧復興することにも、何の影響も与えない。
我ら、捕鯨と共に復興せん。