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知っている人は知っているだろうが、自衛隊は今、その創設以来最大の作戦を展開中である。即ち、東日本大震災救援活動に於いて。
なんしろまずその動員規模が並大抵ではない。震災直後に政府がブチ上げた「10万人体制」と言うのは、自衛隊の規模から言ったら殆ど非常識とも言えるような総動員態勢だ。先行記事にもしたとおり、例えば陸上自衛隊の防衛大綱による枠は14.8万人。実員は14万人で、そのうち7万人を東日本大震災に動員しようと言うのが「自衛隊10万人体制」だ。この結果、東日本以外の陸自部隊は、通常ならば「全滅」と判定されるほどの人員しか残されないことも、先行記事に述べた通りだ。
しかも、5万人体制から10万人体制への拡充を、当初は「一両日中」などと言うスウエーデンに勝負かけられそうな空想的短期間を政府から( 例によってナンの目算も目処もなく)発表されたのだから、自衛隊の胸中や、察するにあまりある。
菅直人の目に涙―被災地に自衛隊10万(陸自7万)投入を決定 陸自定員常備自衛官は現大綱で14.8万だぞ。 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34908894.html
その後「一両日中」は「1週間を目処に」とトーンダウンしたが、10万人体制は変わらず、続報によると10.7万人が動員され、自衛隊史上初の予備自衛官も動員され、東日本大震災の救援・復旧に従事している。救援・復旧だから、自衛隊の装備はある程度軽減できるだろうが( 銃火器や武器は要らないからな)、この短期間の集中動員は、自衛隊史上最大の機動演習でもある筈だ。
更に言えば、その、自衛隊史上最大の機動演習は成功裏に終わっている。10,7万人体制を敷けてしまったのがその証左だ。
が、困難なのはこれからだ。
自衛隊員を10.7万人急速に集めるのも確かに難事だが、それ以上の難事は、その10.7万人に継続的に補給補充を行う兵站だ。今回は災害救援・復旧であるから、戦闘による人員損耗はないし、弾薬の補給も不要ではあろうが、食料燃料は当然必要だし、自衛隊員10.7万人の必要量だけ満たしていたのでは救援にならない。救援物資の輸送も加わるのだから、これは大事だ。
幸いな点があるとしたならば、国内も本州であるから鉄道道路のインフラが整備されていて比較的近距離であること、民間輸送体制の活用が期待できること。それでも基本的に外戦を経験していない自衛隊の補給組織に取って、今回の震災救援復旧作業は、自衛隊史上最大の補給戦でもある。
だが、我らが自衛隊三軍は、この自衛隊史上最大の作戦を、着実に遂行しつつある。
黙々と。淡々と。
その一端をかいま見せてくれるのが、引用した報道記事。例によっ殆どのマスコミどもが取り上げない、我らが自衛隊の縁の下の力持ちぶりである。
尤も、幾ら縁の下に居ようとも、その力持ちぶりを見ている者はあるようだ。報じられている記事では米軍がそのようで、自衛隊の本気度を確かめてから救援の手をさしのべていると言う。
ま、当たり前と言えば当たり前の話だ。東日本大震災だって、福島原発事故だって、自分の国を自分で守ろうとしないような奴に、外国軍隊が手をかしたって上手く行くわけがない。下手すると恨みを買うだけなのだから、米軍が自衛隊の「本気度」を図るのは当然だろう。
我らが自衛隊は、確かに本気を見せた。
それは勿論、米軍の援助を引き出すためではなく、自衛隊が我が国の、国軍であるから、だ。
自衛隊さんよ、有り難う。
あなた方は、日本の誇りです。