応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
転載開始==========================================
【放射能漏れ】
放射性物質、核実験の3倍の降下量 専門家「早く沈静化を」 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110325/dst11032519400078-n1.htm
2011.3.25 19:38クリックして拡大する東日本大震災の40分後、福島第1原子力発電所を襲った津波のビデオ映像=25日(ロイター)
福島第1原発事故で東京に降り注いだ放射性物質のセシウム137は、最大となった降雨の21~22日に、かつて行われた大気圏内核実験で1年間に降った量の3倍近くに達したことが分かった。放射線医学総合研究所の市川龍資元副所長(環境放射能)の資料と、文部科学省の発表データを比較。市川さんは「早く原子炉を冷却し、沈静化させてほしい」と話している。市川さんによると、昭和38年に東京で確認された放射性降下物のセシウム137は年間1平方キロメートル当たり52ミリキュリー。換算すると1平方キロメートル当たり1924メガベクレル。文科省によると、今月18日以降、東京で降下物として検出したセシウム137は、24時間ごとの値で最大だった21日午前9時~22日午前9時は5300メガベクレルで、38年の1年間の約2・8倍になった。翌日以降は400メガベクレル以下に減少した。
=========================================転載完了
見出しが不適切
産経新聞は、大手新聞社の中では相当にまともな方だと、私は思っている。
一昨年夏の衆院選挙、忌まわしき「政権交代」の際にも特段大喜びしては居なかったし、むしろ反民主的主張ではマスコミ切手の急先鋒と言え、それ故に、私と同意権であることが珍しく無いと言うことが珍しいマスコミ大手新聞社だ。
だが、今回引用した報道「【放射能漏れ】放射性物質、核実験の3倍の降下量 専門家「早く沈静化を」」は頂けない。
先ず「核実験の3倍の降下量」ってだけで、ドキッと来るだろう。キャッチ-な見出しで、見出しとしては成功だろう。が、私ぐらい核兵器や原子力の知識を持っていれば「そんな馬鹿な。俄かには信じ難い!」と疑って本文を読み始めるから良いが、世の大半は新聞は見出ししか見ないような読者。その読者は「すわ、今回の福島原発事故は、核実験3回分の大事か!」と勘違いしてしまう。
本文をよく読めば、大気圏内核実験が実施されていた年(*1)の東京に1年間に降った放射性降下物の3倍、と言うことがわかる。これが1日で降ったのだから、確かにそれ相応のことではあるが、日本に近い大気圏内核実験場といえば中国内陸部のロプノール砂漠と、太平洋のビキニ環礁、それにオーストラリアのウーメラ砂漠ぐらい。一番近いのは中国だろうが、それでも相当の距離がある。爆心地に近ければ、第5福竜丸みたいな目に会うわけだが、東京への影響は当然ながら限定的だ。
さらには、「1平方キロメートル当たり52ミリキュリー。」と言う放射性降下物の量を「1平方キロメートル当たり1924メガベクレル。」と換算して見せるのは良いが、ならばこいつがどれぐらい人体に影響するかと言うと、結局のところ連日報じられている大気中の放射能と、水や農作物から検出される放射能の影響の強さ、すっかりおなじみなった「シーベルト」で計測されるのであり、既に発表されている各地で計測される放射能「量」ナントカ・シーベルトの中に既に織り込み済みなのである。
言い換えれば、見出しにある「核実験の3倍の降下量」にも拘らず、空気も、水も、農作物も、牛乳も、さしたる影響を受けていないと言う事であり、況や健康に影響を及ぼすのには程遠い。
その事が、この記事では判らないし、それ以上に見出しからは判らない。故に「ミスリード」なのである。
別に専門家でなくても「早く沈静化を」求めているのは判っているのだから、この見出しの後半は「健康に直接影響なし」ぐらいの一言を入れるべきだろう。
だが、今回引用した報道「【放射能漏れ】放射性物質、核実験の3倍の降下量 専門家「早く沈静化を」」は頂けない。
先ず「核実験の3倍の降下量」ってだけで、ドキッと来るだろう。キャッチ-な見出しで、見出しとしては成功だろう。が、私ぐらい核兵器や原子力の知識を持っていれば「そんな馬鹿な。俄かには信じ難い!」と疑って本文を読み始めるから良いが、世の大半は新聞は見出ししか見ないような読者。その読者は「すわ、今回の福島原発事故は、核実験3回分の大事か!」と勘違いしてしまう。
本文をよく読めば、大気圏内核実験が実施されていた年(*1)の東京に1年間に降った放射性降下物の3倍、と言うことがわかる。これが1日で降ったのだから、確かにそれ相応のことではあるが、日本に近い大気圏内核実験場といえば中国内陸部のロプノール砂漠と、太平洋のビキニ環礁、それにオーストラリアのウーメラ砂漠ぐらい。一番近いのは中国だろうが、それでも相当の距離がある。爆心地に近ければ、第5福竜丸みたいな目に会うわけだが、東京への影響は当然ながら限定的だ。
さらには、「1平方キロメートル当たり52ミリキュリー。」と言う放射性降下物の量を「1平方キロメートル当たり1924メガベクレル。」と換算して見せるのは良いが、ならばこいつがどれぐらい人体に影響するかと言うと、結局のところ連日報じられている大気中の放射能と、水や農作物から検出される放射能の影響の強さ、すっかりおなじみなった「シーベルト」で計測されるのであり、既に発表されている各地で計測される放射能「量」ナントカ・シーベルトの中に既に織り込み済みなのである。
言い換えれば、見出しにある「核実験の3倍の降下量」にも拘らず、空気も、水も、農作物も、牛乳も、さしたる影響を受けていないと言う事であり、況や健康に影響を及ぼすのには程遠い。
その事が、この記事では判らないし、それ以上に見出しからは判らない。故に「ミスリード」なのである。
別に専門家でなくても「早く沈静化を」求めているのは判っているのだから、この見出しの後半は「健康に直接影響なし」ぐらいの一言を入れるべきだろう。
<注釈>
(*1) 今は大気圏内での核実験は禁止されている。だから核実験と言えば軒並み地下核実験だ。まあ、条約で禁止されているだけだから、いつ破られるか判ったものではないが。
追記・定量的検討
人の床面積0.5m×0.2m=0.1m^2 とする。( ま、こんなモンだろう。)
此処に降った放射線降下物の総量は
5300メガベクレル/km^2×0.1m^2 = 530ベクレル
降雨の中に24時間立っていて、この間雨水に含まれた全ての放射性物質を集めたとしてこの量。
問題になっているセシウム137でシーベルトに換算すると( 換算式や係数は http://testpage.jp/m/tool/bq_sv.php?guid=ON 参照 )
530ベクレル× ( 1.3×10^-8 )= 6.89 ×10^-6 シーベルト=約7マイクロシーベルト=約0.007 ミリシーベルト
雨で濡れ鼠になっても服を着替えてシャワーでも浴びれば放射性物質は流されてしまう。人が1年間に自然界から1ミリシーベルトの放射線を受けていて、航空機で長距離移動しても数ミリシーベルトの放射線を喰うのだから、上記降雨による体外被曝は全くのゴミ。それも「24時間雨の中に立って、全ての放射性セシウムを吸着したとして」だ。
人の上に降ってきた雨水全て呑んだとすると、上記の量が今度は体内被曝になる。だから、基準が厳しくなる。
健康上問題となる飲料水の中の放射性物質は、ヨウ素で1kgあたり300ベクレル。これをシーベルトに換算すると、
300ベクレル/ kg × ( 2.2×10^-8 )= 6.6 ×10^-6 シーベルト/kg
つまり、引用に常用すると影響がでるかも知れない水1kgに入っている放射性物質に依る影響と、上記降雨を集めてまとめて呑んだ影響が同等と言うこと。逆に言えば、上記の雨水を呑んでも一回ぐらいなら何と言うことはない。
結論: やはり、3/21-22にかけて東京に降った雨で全身濡れ鼠になった上、その雨水を呑んだ処で、ナンの問題もない。
せいぜい、溜め置いた雨水を飲料水に常用するのだけは、やめて置いた方が無難、程度だ。