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やっぱり最初に断っておくべきだろう。私は民主党が嫌いだ。それ以上に、民主党の掲げる政策に、尽くと言って良いほど反対だ。それは、民主党が野党であった頃から変わらないし、ために、一昨年夏の衆院選でその民主党が圧勝し、憲政史上最大の議席数を獲得し・・・当面その議席数を確保し続ける事態に「国民の審判」でなったときには、我が国に於ける民主制度そのものに絶望しかけたほどだ。
であるならば、かつて長期安定政権を誇った自民党と民主党の提携、いわゆる「大連立」なんてのは、自民党にとっての自殺としか思えないし、それ以上に、日本の国益を損することと保身以外殆ど何もやろうとしない民主党を政権の座により長く居座らせることになるから、絶対に反対だ。何しろ私は当ブログで、民主党を民主主義に対する敵と断定し、宣戦布告さえだしている。ついでに言えばこの宣戦布告全文は、民主党HPにも送りつけたが、未だにナンの反応もない。
普通に考えればまあ、当然だな。かつて連立政権を組んでいた社民党に阿って、「武器輸出三原則の緩和」を破棄しても色好い返事をもらえなかった菅直人及び現民主党政権が、あの頃より下がった支持率の元、社民党より遙かに有力な野党である自民党を抱き込める訳がない。
そこを東日本大震災という未曾有の大災害を被災した非常事態と「副総理兼震災復興担当相」と言う地位で吊ろうとしたのだろうが、見え透いている。第一、「震災復興担当相」なんてのは臨時職だろう。副総理ってのも鳩山政権時代の菅直人の役職。「次の総理になれるかも知れない」のではあろうが、鳩山政権時代の菅直人が、何か業績を上げたろうか。まあ、それを言うならば、民主党政権発足以来の業績ったら、指折り数える程度なのだが。
だが、菅直人は谷垣総裁に示したこの条件に、絶対の自信を持っていたらしい。報じられる記事によると、震災2日後の13日に谷垣総裁と会談した際には大連立の話は出さず、せっぱ詰まって19日に電話会談で切り出した、となっている。俄には信じがたいぐらいの話だ。
私が俄に信じがたいのは、第1に「東日本大震災からの復興には自民党の協力、それも大連立による協力が不可欠だ」と考えるならば、震災直後に大連立を、それも公的に打診するはずと思われるからだ。震災2日後にコソコソと( ではないかも知れないが)会ったが大連立の話はせず、震災から1週間以上たった19日に電話で持ち出すのは、奇妙だ。
第二に、この大連立構想は,「反自民」と言うよりは「自民党ではない」を最大の売り物にして一昨年夏の衆院選を大勝した民主党にとって、その根幹に関わる大問題だ。確か、小沢一郎が目論んだこともあったから、「大連立=小沢派完全離反」とはならないかも知れない、少なくともそう( 甘い)期待が出来るのだろうが、民主党内がもめないはずがない。そこを「菅直人の指導力」で乗り切ると言う菅直人の自信。こいつが俄には信じがたい。但し、菅直人にせよ、鳩山由起夫にせよ、民主党の奴バラに「根拠は全くないが強烈な自信」の例は枚挙に暇がないのであるが。
第三に、これだけの重大事を、東日本大震災対応という非常事態下とは言え、電話会談で切り出すというのが奇怪だ。その前の13日に直接会っているのならばなおさらだ。
以上に上げた菅直人の大連立打診失敗における奇妙な点を、全て説明する一つの解釈がある。
即ち、菅直人は、己の総理大臣という地位を守るためだけに自民党との大連立を模索した、と言う解釈。
これならば、震災被災直後に打診する必要はない。13日の直接会談でも特段慌てる必要もない。震災復興はあくまでも名目に過ぎないのだから、直接ではなく電話による会談でも、切り出すのは構わない。党首同士のトップ密約から初めて良いのも、また同様だ。
これならば、無理して民主党内をとりまとめる必要はない。反小沢派だけとりまとめた民主党と自民党が組めば、政権は取れよう。その分割された民主党議員が自民党議員より少ないと少々厄介だが、社民党党首村山が首相になった例もある。
無論、推測に基づく仮説に過ぎない。
が、どうも尤もらしい仮説に思えるのだが。
如何に、菅直人。