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 官房長官とは、気楽な、稼業と、来たモンだ!
 
 冒頭からしていきなりパクリで失礼する。パクッたのは植木等主演の映画「無責任」シリーズに登場する決め台詞。元の台詞は、「サラリーマンとは、気楽な、稼業と、来たモンだ!」であり、この決め台詞が象徴するように「無責任で気楽なサラリーマン」である植木等があれよあれよと成功してしまうコメディ映画・・・らしい。
  伝聞で申し訳ないが、私はこのシリーズを1本もまともに見ておらず、断片的に紹介されるこの決め台詞シーンしか知らないのであるから、「らしい」としか言いようがない。したがって、如何に植木等演じる「無責任男」が無責任であるかは、知らない。
 
 だが、無責任男の見本ならば、何も植木等の映画を見なくても現実に幾らでもいるようだ。そう、特に、現・民主党政権には。分けても責任重大である筈の現職閣僚に於いて
 
 無論キケロが「君主は何をやっても悪く言われる。」と喝破したとおり、為政者と言うものは何をどう決断したところで恨みを買わないと言うことは先ずありえない。それは、子供手当てを初めとするばら撒き大好きの民主党の決断であってなんら変わるところがない。であるならば、現職閣僚がその決断を悪く言われるのは必然とも言える。が・・・為政者に決断することが求められるのもまた万古不易であり、キケロが「何をやっても悪く言われる」と言うのはその為政者の決断ゆえだ。それでもその決断が、最大多数の最大幸福なり、最小不幸なり、あるいは誰か特定の利益集団に利する決断である限りは、その決断を多とする者もあろう。
 
 が、為政者が決断しながら、その決断に責任を持たなかったら?
 そう、為政者が植木等演じるような無責任男であったならば?
 その決断で何らかの不利をこうむる者、何の利益もこうむらない者は勿論、その決断で利益を得る者でさえ、その決断を多とするのは難しかろう。何しろ今回はその決断のおかげで利益を受けたとしても、次の決断はどうなるか判ったものじゃないのだから。
 
 東日本大震災とそれに伴う津波の被害。それによる福島原発トラブルと、それらによる供給電力不足などの二次的被害。これらの未曾有の事態に対して日本国を代表し、その救命・復旧・支援の最前線に立って指揮するべきは、日本の最高の為政者である首相である( 筈の)菅直人と、その率いる現・民主党政府である。なればこそ、計画停電と言う東京電力始まって依頼の非常手段を東電は提案し、政府は「これを諒とする」ことでその計画停電を決断したのだろう。決断の意識がなかったとは言わせない。何しろ菅直人自らの「国民へのメッセージ」で目に涙を浮かべてまで「苦渋の決断」を演出ないし演技して見せたのだから。
 
ふらつく政府の情報開示 涙ぐむ菅首相、質疑は応じず  http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110313/plc11031323370035-n1.htm
 
 繰り返すが、東京電力には計画停電を決定する権限はない。それを決断したのは「ただ東電の提案を諒としただけ」であっても政府であり、菅直人だ。
 
 その計画停電が、予想以上の混乱を招いた。予想ほどに電力需要が逼迫せず、計画していた停電は一部に止まったのも混乱の要因ではあろうが、その予想外の混乱も含めて、その責は計画停電を決定した政府が第一義的には負うべきであろう。
 
 であると言うのに、官房長官たる枝野と来た日には・・・・
1> 「結果的に今のような状況になったのは残念で遺憾だ」
 
2> 「いよいよ実際に電力供給をストップせざるを得ない状況だと報告を受けている。
3> 予測されない停電を防ぐためにもやむを得ない措置なので冷静に対応してほしい」
 
4> 「関係機関の情報提供の中には、必ずしも適切でない部分が見受けられる。
5> そのために必要以上の不安を国民に与えているのではないかと危惧している。
6> 政府の立場から適切にこうした点は注意すべきであると考えておりまして、
7> こうした状況を皆さんにお詫び申し上げる」
> と述べ、東電などへの指導不足に限って陳謝していた。
 上記1>がまず肝だろう。何しろ現状を残念がり、遺憾に思うばかりで、何も反省もしなければ謝罪もしない。と言う事は、この民主党政権や菅直人は、下からの提案を了承はするが全く責任は取らないと公言していることになる。決断はするが、決断の結果については「残念」「遺憾」だけでは、他に解釈のしようがない。
 
 上記2>~3>は弁明か言い訳か論理のすり替えだ。「今日の所はこの程度で済んだが、明日はわからないぞ。」と言っている。その言は正しいが、今日の混乱を招いた原因の一つ、恐らくは最大の原因が「計画停電決断が前日の夜と遅かった事。」を全く無視している。評論家や第三者がこのように評するのは良かろうが、計画停電を決断した政府の言い草ではない。
 
 上記4>~7>は漸くの「謝罪」である。が、報道にもある通り、「東電などへの指導不足」に限った謝罪であり、早い話が「東電が悪い」と言っている。
 
 繰り返すが、政府は為政者だ。為政者の仕事の一つは政治的判断を下す事であり、今回のような非常事態にはそれは致命的なほどに重大でありうる。その判断に対して無責任などと言う事は、許されない。
 さらには・・・最高指揮官であり最高責任者ある( 筈の)菅直人に到っては、東日本大震災発生以降、何度か「国民へのメッセージ」を一方的に発信するばかりで記者会見にすら応じていないと言う。
 
 首相と官房長官の役割が逆ではないか。
 
 如何に、菅直人。
 如何に枝野。