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民主党政権で外相であった前原が、外国人献金を受けていたことが発覚して辞任した事を受けて、当ブログで社説比較している「4大紙+産経」のレギュラーメンバー5紙の内4紙の社説が3/7(月)に出揃った。出揃ったが・・・当ブログで「社説比較」シリーズを初めて依頼主張している通り、「日本の新聞社説を比較するならば、産経と朝日を比べるのが早道だ。」のセオリーにも拘らず、朝日の3/7付け社説は「中国全人代 民意ほほ笑む国造りを」と来たもんだ。
この朝日社説は朝日社説で、縦横無尽に切り刻みたくなるような社説なのであるが、産経と朝日が揃わない事には、例の表の縦軸「評価項目」さえ定め難い。
で、一日待った。
待った甲斐はあって、3/8(火)付けで朝日どころか東京、沖縄タイムスまで前原辞任で社説を出し、朝日に到っては前原辞任関連社説を二本出してきた(※1)。これはある意味、当ブログ「社説比較」シリーズに対する挑戦である。
朝日新聞ならば、相手にとって不足なしと言うものだ。
さあってっと、やるとするか。
例によって、各紙の比較項目は朝日と産経の両社説を藪睨みにして決めた。比較するのは上記の通り、4大紙+産経のレギュラーメンバー5紙に東京、沖縄タイムスを加えた。後述するが、今回の社説比較に限っては、このいつもの決め方、特に評価項目の決め方には問題があったと認めざるを得ない。
その評価項目は、いつもの通り決めて、以下の6項目とした。
(1) 前原氏の外相辞任の理由について
(2) 外国人献金に対する評価
(3) 前原辞任の菅政権への影響
(4) 菅政権への要望
(5) 野党への要望
(6) 今後の見通し
例によって表は、左側5列をレギュラーメンバー5紙が占め、その5列の最左列が朝日、最右列が産経のいつもの布陣。今回ゲストである沖縄タイムスと東京新聞は、例によって右側の2列に配した。これまた例によって朝日社説の主張は赤字。産経社説の主張は青字で記し、その他の社説が朝日や産経に類似する部分はそれぞれの色で記した。また、朝日や産経以外の各紙特徴的な主張は、黒字のままゴシック体下線で示した。
全体としてのの情勢は「赤(朝日)青(産経)混淆まだら模様」と言ったところ。産経と朝日社説に殆ど共通部分がないのは未だしも、それ以外の各紙にも共通する部分と言ったら「前原氏の外相辞任やむなし」の産経主張(青字)ぐらい後は赤字も青字も少なく、独自主張( と言うよりは、産経でも朝日でもない主張)であるゴシック体アンダーラインが目立つ。それだけ、今回の前原市街消磁人に対する異論異説が多いと言うことでもあろう。
さらに詳しく見ていくと、概ね二本の横糸、二つのキーワードが見えてくる。一つには前原氏が外相辞任する契機となった①「外国人献金」であり、もう一つはその外相辞任を初めとする②現政権の政治停滞ぶりである。後者は社説タイトルに「機能不全」(沖縄、東京)「泥沼」(朝日)「窮地」(読売)「最大の危機」(毎日)「崖っぷち」(日経)等の表現で盛り込まれている。
産経の主張は単純明快だ。単純なだけに上記①「外国人献金」に的を絞って②「現政権の停滞」には触れて居らず、為に評価項目の(5)(6)には言及がないぐらいだ。
評価項目(2)で外国人献金禁止の理由を、以下のように明確に断じている。
産1> 日本の政治が外国から影響を受けるのを防ぐためであり、
産2> 政治に携わる者がわきまえておくべきイロハだといっていい。
評価項目(3)では外相交代の外交的悪影響を認めつつ、チェック不十分であった菅直人の責任に言及し、評価項目(4)で前原に限定せず、民主党議員の外国人献金を徹底調査思慮と糾弾する。民主党の現在取っている態度とは、真っ向から対立する形だ。
日経の社説は産経と共通する部分が多い。評価項目(4)で「政治と金の問題の対策を民主党は真剣に検討しろ」も、産経と通じるところがある。
但し、そのタイトルに「崖っぷち」と菅政権の置かれた危機を明確に歌っているとおり、その打開策まで踏み込んで、以下のように菅政権に提案している。
日1> 首相は捨て身の覚悟で、マニフェスト(政権公約)を見直し、
日2> 野党との打開の糸口を探るしかない。
産経より日経の法が、もう一歩踏み込み、建設的であるとは言えよう。それだけ、菅政権・民主党政権に未だ期待も希望も持っている、と言うことだろうが。
その産経の社説と調度反対と言って良いのが、やっぱり朝日の社説だ。先ず先述の通り一に遅れの後発であるばかりか、社説を①「現政権の停滞=泥沼」を扱う社説と外国人献金を扱う社説の2本に分けている。
上記の内②「外国人献金」を扱った社説は、先行記事にした通りであるが、「焼き肉屋のおばちゃん」だの外国人参政権だの、果ては人情論までを持ち出して、外国人献金を正当化している。つまりは、現在民主党が取ろうという枝野や岡田の主張を大いに擁護している。
呆れた呆れた朝日社説 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34872256.html
それ故に、評価項目(1)からして、前原氏の外国人献金が違法であることを認めつつ、その外相辞任の要員を国会情勢に置いている。つまりは「外相辞任に至ったのは国会情勢故であって、外国人献金故ではない。」と言う、外国人献金問題の矮小化である。
上記の通りであるならば、もう一本の社説で主として扱った①「現政権の停滞=泥沼の主張も自ずと知れる。評価項目(3)で野党の対決姿勢を戒め、予算執行の遅れを懸念し、評価項目(5)に至っては、以下のように野党に注文を付ける。
朝1> 政権を追い込めば野党の勝利という発想は、自民党政権が盤石だった時代の遺物だろう。
朝2> いま野党の力は強く、政策決定に主張を反映させることも十分可能だ。
朝3> それこそが勝利だと、なぜ発想を転換できないのか。
正に民主党の主張である。朝日が民主党を支持するのは朝日の勝手だから何も文句はないが、上記朝1>~朝3>を要約すれば、「民主党の政権基盤は旧自民党政権ほど盤石ではないから追い込むな。」である。早い話が「民主党政権はみそっかす政権だから手加減しろ。」である。表現の仕方はあろうとも、他に解釈のしようがない。
憲政史上最多の議席数を衆院で占めているみそっかす政権が民主党政権だと朝日は主張しているわけだ。その民主党の野党時代の所業を全て水に流したとしても、この朝日のダブルスタンダードは、看過しがたい。
読売の社説は日経の変形と見ることが出来る。現状の危機が外交と国会ばかりではなく党内にもあることを指摘していることと、菅直人及び現政権へのアドバイスが「国民の声に耳を傾け、政治姿勢を改め、指導力を発揮しろ。」である程度が、日経との違いだ。
毎日の社説も読売に準じている。現状の危機については特に外向的危機に焦点を当て、「外相の短命交代劇が外交の信用失墜を招く重大性」「外交の起訴となる安定した政権作りの必要性」を強調し、後任外相の速やかな任命と安定した政権を要望する。
が、さすがに菅直人に「安定した政権」など望むべくもないと言うことだろう。評価項目(5)でそれが簡単でないならばと言いつつ、せめて戦略を練り直し指導力を強化しろと言う。
但し、その社説は以下の一文で締める。
毎1> 菅首相にその力が残されているだろうか。
力も時間もないように、私には確信できてしまうんだがね。
指導力を発揮した結果が、去年の船殻諸島沖中国体当たり「漁船」船長釈放だろうが
以上のようにレギュラーメンバー5紙は相応に系統的に比較できるのだが、今回ゲストに入った東京新聞と沖縄タイムスは、一寸尾アプローチが違う。
共に「機能不全」を社説タイトルに使い、現状の政治的停滞を危惧するのだが、社説としてはむしろ外国人政治献金に反を発する政治と金の問題の方に焦点を当てている。東京は評価項目(2)で外国人献金は違法とされているが外資系企業献金は条件付きで認めている現状を指摘し、かつて民主党が掲げていた「企業・団体献金の全面禁止」を訴える。一方沖縄タイムスは、政治と金の問題をさらに踏み込んで前原氏のパーティー券問題についても説明を求める。そっちの方に社説が要ってしまったために、沖縄タイムスの社説は今回作った比較表に収まりきっていない形だ。
とは言え・・・現状の「機能不全」の打開策が、前原氏の説明や企業団体献金の禁止では、些か説得力に欠けよう。「与野党共に冷静に協力しろ」では良いところタダの精神論。事態が打開されるとは思えない。
以上の社説比較を例によって数式で表現すると・・・以下のようになろうか。
朝日 ≠ 産経 ≠ 東京 ≠ 沖縄
産経+α = 日経 ≒ 毎日 ≒ 読売
社説の焦点を「外国人献金」一点に絞った産経には、少々辛辣な評価になっているが。
朝日新聞ならば、相手にとって不足なしと言うものだ。
さあってっと、やるとするか。
例によって、各紙の比較項目は朝日と産経の両社説を藪睨みにして決めた。比較するのは上記の通り、4大紙+産経のレギュラーメンバー5紙に東京、沖縄タイムスを加えた。後述するが、今回の社説比較に限っては、このいつもの決め方、特に評価項目の決め方には問題があったと認めざるを得ない。
その評価項目は、いつもの通り決めて、以下の6項目とした。
(1) 前原氏の外相辞任の理由について
(2) 外国人献金に対する評価
(3) 前原辞任の菅政権への影響
(4) 菅政権への要望
(5) 野党への要望
(6) 今後の見通し
例によって表は、左側5列をレギュラーメンバー5紙が占め、その5列の最左列が朝日、最右列が産経のいつもの布陣。今回ゲストである沖縄タイムスと東京新聞は、例によって右側の2列に配した。これまた例によって朝日社説の主張は赤字。産経社説の主張は青字で記し、その他の社説が朝日や産経に類似する部分はそれぞれの色で記した。また、朝日や産経以外の各紙特徴的な主張は、黒字のままゴシック体下線で示した。
全体としてのの情勢は「赤(朝日)青(産経)混淆まだら模様」と言ったところ。産経と朝日社説に殆ど共通部分がないのは未だしも、それ以外の各紙にも共通する部分と言ったら「前原氏の外相辞任やむなし」の産経主張(青字)ぐらい後は赤字も青字も少なく、独自主張( と言うよりは、産経でも朝日でもない主張)であるゴシック体アンダーラインが目立つ。それだけ、今回の前原市街消磁人に対する異論異説が多いと言うことでもあろう。
さらに詳しく見ていくと、概ね二本の横糸、二つのキーワードが見えてくる。一つには前原氏が外相辞任する契機となった①「外国人献金」であり、もう一つはその外相辞任を初めとする②現政権の政治停滞ぶりである。後者は社説タイトルに「機能不全」(沖縄、東京)「泥沼」(朝日)「窮地」(読売)「最大の危機」(毎日)「崖っぷち」(日経)等の表現で盛り込まれている。
産経の主張は単純明快だ。単純なだけに上記①「外国人献金」に的を絞って②「現政権の停滞」には触れて居らず、為に評価項目の(5)(6)には言及がないぐらいだ。
評価項目(2)で外国人献金禁止の理由を、以下のように明確に断じている。
産1> 日本の政治が外国から影響を受けるのを防ぐためであり、
産2> 政治に携わる者がわきまえておくべきイロハだといっていい。
評価項目(3)では外相交代の外交的悪影響を認めつつ、チェック不十分であった菅直人の責任に言及し、評価項目(4)で前原に限定せず、民主党議員の外国人献金を徹底調査思慮と糾弾する。民主党の現在取っている態度とは、真っ向から対立する形だ。
日経の社説は産経と共通する部分が多い。評価項目(4)で「政治と金の問題の対策を民主党は真剣に検討しろ」も、産経と通じるところがある。
但し、そのタイトルに「崖っぷち」と菅政権の置かれた危機を明確に歌っているとおり、その打開策まで踏み込んで、以下のように菅政権に提案している。
日1> 首相は捨て身の覚悟で、マニフェスト(政権公約)を見直し、
日2> 野党との打開の糸口を探るしかない。
産経より日経の法が、もう一歩踏み込み、建設的であるとは言えよう。それだけ、菅政権・民主党政権に未だ期待も希望も持っている、と言うことだろうが。
その産経の社説と調度反対と言って良いのが、やっぱり朝日の社説だ。先ず先述の通り一に遅れの後発であるばかりか、社説を①「現政権の停滞=泥沼」を扱う社説と外国人献金を扱う社説の2本に分けている。
上記の内②「外国人献金」を扱った社説は、先行記事にした通りであるが、「焼き肉屋のおばちゃん」だの外国人参政権だの、果ては人情論までを持ち出して、外国人献金を正当化している。つまりは、現在民主党が取ろうという枝野や岡田の主張を大いに擁護している。
呆れた呆れた朝日社説 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34872256.html
それ故に、評価項目(1)からして、前原氏の外国人献金が違法であることを認めつつ、その外相辞任の要員を国会情勢に置いている。つまりは「外相辞任に至ったのは国会情勢故であって、外国人献金故ではない。」と言う、外国人献金問題の矮小化である。
上記の通りであるならば、もう一本の社説で主として扱った①「現政権の停滞=泥沼の主張も自ずと知れる。評価項目(3)で野党の対決姿勢を戒め、予算執行の遅れを懸念し、評価項目(5)に至っては、以下のように野党に注文を付ける。
朝1> 政権を追い込めば野党の勝利という発想は、自民党政権が盤石だった時代の遺物だろう。
朝2> いま野党の力は強く、政策決定に主張を反映させることも十分可能だ。
朝3> それこそが勝利だと、なぜ発想を転換できないのか。
正に民主党の主張である。朝日が民主党を支持するのは朝日の勝手だから何も文句はないが、上記朝1>~朝3>を要約すれば、「民主党の政権基盤は旧自民党政権ほど盤石ではないから追い込むな。」である。早い話が「民主党政権はみそっかす政権だから手加減しろ。」である。表現の仕方はあろうとも、他に解釈のしようがない。
憲政史上最多の議席数を衆院で占めているみそっかす政権が民主党政権だと朝日は主張しているわけだ。その民主党の野党時代の所業を全て水に流したとしても、この朝日のダブルスタンダードは、看過しがたい。
読売の社説は日経の変形と見ることが出来る。現状の危機が外交と国会ばかりではなく党内にもあることを指摘していることと、菅直人及び現政権へのアドバイスが「国民の声に耳を傾け、政治姿勢を改め、指導力を発揮しろ。」である程度が、日経との違いだ。
毎日の社説も読売に準じている。現状の危機については特に外向的危機に焦点を当て、「外相の短命交代劇が外交の信用失墜を招く重大性」「外交の起訴となる安定した政権作りの必要性」を強調し、後任外相の速やかな任命と安定した政権を要望する。
が、さすがに菅直人に「安定した政権」など望むべくもないと言うことだろう。評価項目(5)でそれが簡単でないならばと言いつつ、せめて戦略を練り直し指導力を強化しろと言う。
但し、その社説は以下の一文で締める。
毎1> 菅首相にその力が残されているだろうか。
力も時間もないように、私には確信できてしまうんだがね。
指導力を発揮した結果が、去年の船殻諸島沖中国体当たり「漁船」船長釈放だろうが
以上のようにレギュラーメンバー5紙は相応に系統的に比較できるのだが、今回ゲストに入った東京新聞と沖縄タイムスは、一寸尾アプローチが違う。
共に「機能不全」を社説タイトルに使い、現状の政治的停滞を危惧するのだが、社説としてはむしろ外国人政治献金に反を発する政治と金の問題の方に焦点を当てている。東京は評価項目(2)で外国人献金は違法とされているが外資系企業献金は条件付きで認めている現状を指摘し、かつて民主党が掲げていた「企業・団体献金の全面禁止」を訴える。一方沖縄タイムスは、政治と金の問題をさらに踏み込んで前原氏のパーティー券問題についても説明を求める。そっちの方に社説が要ってしまったために、沖縄タイムスの社説は今回作った比較表に収まりきっていない形だ。
とは言え・・・現状の「機能不全」の打開策が、前原氏の説明や企業団体献金の禁止では、些か説得力に欠けよう。「与野党共に冷静に協力しろ」では良いところタダの精神論。事態が打開されるとは思えない。
以上の社説比較を例によって数式で表現すると・・・以下のようになろうか。
朝日 ≠ 産経 ≠ 東京 ≠ 沖縄
産経+α = 日経 ≒ 毎日 ≒ 読売
社説の焦点を「外国人献金」一点に絞った産経には、少々辛辣な評価になっているが。
<注釈>
(※1) そのうちの片方は、既に「呆れた呆れた朝日社説―外国人と政治献金」として記事にした。 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/34872256.html
関連社説
朝日1 前原外相辞任―いつまで続く泥沼か http://www.asahi.com/paper/editorial20110308.html?ref=any朝日2 前原外相辞任―外国人と政治献金 http://www.asahi.com/paper/editorial20110308.html?ref=any#Edit2読売 前原外相辞任 窮地に追い込まれた菅首相 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110306-OYT1T00688.htm?from=any毎日1 前原外相辞任 菅政権最大の危機だ http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110307k0000m070101000c.html毎日2 短命「半年」外相 損なわれた外交の信用 http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110308k0000m070112000c.html日経 外相辞任で崖っぷちに立たされた菅政権 http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E6E7E4E4E3E6E2E2E5E2E1E0E2E3E38297EAE2E2E3?n_cid=DSANY001産経 前原外相辞任 外国人献金の徹底調査を http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110307/plc11030702270003-n1.htm東京 前原外相辞任 政治の機能不全 脱せよ http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011030802000056.html沖縄タイムス [前原外相辞任]深刻な政治の機能不全 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-08_15156/