カダフィ大佐が菅直人に見えてきたのは私だけだろうか。

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 新ためて書くまでもないが、私は民主党が嫌いだ。

 「政権交代」以前の、野党時代から好かなかったし、与党となってからは嫌いっ放しと言って良い。現・民主党政権に評価できる事があるとしたら「衆愚化した民主主義に選ばれた腰抜け政権と言うものが、如何に無能で役に立たないかを実証して見せた。」のが最大であり、大分落ちて「戦没者遺骨収集に、政府としてまともに対応した事。」が次点。さらにずっと下がって、殆ど見世物だけに終っているが「事業仕分け」を実施した事があるぐらい。後は外国人参政権は法案提出されるわ、最大看板の「子供手当て」は案の定実効の少ない羊頭狗肉と化すわ、高校無償化は朝鮮学校に適用されかけるわ、赤字国債は発行しまくりだわ、中国や韓国やロシアには尻尾振る事しかできないわ、前首相は気違いだ(*1)わ、死刑はまともに執行されないわ、憲政史上最大の衆院議席数を以って国会ひとつまともに運営できていない。それでいてタイトルにした通り、菅直人の曰く「4年間を通じて評価して欲しい。」≒「未だ評価を下すには時期尚早」と来たもんだ。以前問題発言になった「仮免許内閣」を今だ実行中であるらしい。免許取ってから内閣組むのが筋だろうに。(*2)
 
 それはさておき・・・・報じられているのは所変わって中東はリビア。カダフィ大佐と言えばリビアの実権を握って久しいが、チュニジアはジャスミン革命の余波を食らって、カダフィ大佐の長期政権も「民主化の波」に洗われるようになったが、未だその強気を崩していない、と報じられている。
 
 報道によると、カダフィ大佐の発言は以下の通り。例によって、適当なところで切って番号を振った。
 

1> 「国民はわたしを愛している。国民はわたしの味方だ。
2>  彼らは死ぬ覚悟でわたしを守ろうとするだろう」
3> 「誰もわたしに反対などしていない。何に反対するというのだ?」

4> 「米国に裏切られた。米国にはモラルというものがない。
5> アルカイダ(Al-Qaeda)を相手に戦ってきたはずの米国が、
6> 現在テロリストとの戦いを強いられているわれわれを見殺しにしようとしている」 
 > カダフィ大佐はさらに、
7> 「(米国は)多分リビアを占領したいのだろう」と述べ、
8> 自分は大統領でも王でもないのだから退陣などできないと主張した。
 

 何しろ長い事リビアを牛耳っている独裁者だ。上記1>~3>には相当な自信があるのだろう。それこそ、北朝鮮を三代に渡って牛耳ろうと懸命な金王朝と良い勝負だ。だが、逆に北朝鮮の金王朝並みであるからこそ、その自信の根拠は脆弱で、脆い。
 一寸意外なようだが、独裁者と言う奴は、結構人気を気にするし、人気取りをやる。古くは古代ローマがその民主制を衆愚政治に堕したのは、有権者たる「自由なローマ市民」が「(無料の)パンと見世物」を要求し、それしか要求しなくなったためであり、無料のパンと見世物を供給した者はローマ皇帝(*3)となった。ナチスドイツは公共事業や失業対策、それに反ユダヤ主義=ユダヤ人差別を煽る事で人気を博したし、中国は反日暴動を民衆のガス抜きに使っている。独裁者が人気取りに走るのは、「大衆の支持」ぐらいしかその権力の根拠が見出せないから、だろう。
 
 であるならば、「人気をなくした独裁者」ほど哀れなものも少なかろう。帝政ならぬ共和制ローマ(*4)の「独裁官」は期間限定・緊急時限定の独裁者であったが、中国にせよ北朝鮮にせよリビアにせよ、その独裁振りは殆ど死ぬまでの終身振りであり、滅多に楽隠居できないのはそのためでもある。チャウシェスクやムッソリーニやヒトラーのような死に方は、普通はしたくないだろう。(*5)
 
 上記4>~7>はアメリカに対する恨み節だが・・・・なんともはや。カダフィ大佐の異名が「リビアの狂犬」であるのは、正しくその「テロリストの親玉」として指弾され、米軍の爆撃までも喰らっているからではないか。その後、親米・親西欧に転じたとは言え、少なくとも「かつての敵」に幾ら「今は友」とは言え、何を甘えているんだか。大体上記5>~6>「対テロ戦争でリビアを見殺しにしている」と上記7>「リビアを占領しようとしている」は、論理的に結びつきにくい。ありうる解釈は、「アメリカは、リビアを一度テロリストに占領させてから、自ら占領に乗り出そうとしている。」であるが、そのためには、① 反カダフィ派はアルカイダのようなテロリストである。 ② アメリカは、カダフィ大佐を支援するよりも反カダフィ派が占領するリビアを占領する方がメリットがあると考えている と言うのが前提になる。どちらも相当無理やりでないと理解できない理屈であろう。
 
 その上記1>~3>で見せる脆弱な自信の裏返しが、上記報道にある
 

> 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、
> デモ隊への弾圧で少なくとも1000人が死亡したとしている。

 
 と言う、自ら天安門事件になぞらえるデモ隊虐殺であり、別報道にある外国人雇兵による武力及び権力維持である。
 
あがくカダフィ大佐 頼みは外国人傭兵、崩れる権力基盤  http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20110223110.html

 まあ、「雇兵に頼る国は必ず負ける。」とはマキャベリが喝破している所であるし、金の切れ目が縁の切れ目である雇兵を頼みとしている時点で、カダフィ大佐の命運もカウントダウンに入った、とも言えそうだが。
 
 挙句の果てが上記8>「自分は大統領でも王でもないのだから退陣などできない」と来たものだ。そりゃ立派に将軍がいる軍隊もある国を「大佐」の肩書きで牛耳ってきたのだから、いわば黒幕であって「退陣が効かない」と言うのはある部分事実だろうが・・・とりあえず「大佐」の肩書きを外す事はできるはずだ。
 
 無論、党員資格停止処分を受けながら「一兵卒」と称する一議員の立場で政権与党を黒幕支配する事例もあるわけだから、カダフィ大佐としては天安門事件の中国と同様「心の戦友」と言うところだろう
 
 以上からすると、章題とは異なり、私にはカダフィ大佐が「我が敵」小沢一郎に見えてきて然るべきなのである。無論、風貌はあい通じるものがあるのだが、私にはどうもカダフィ大佐が菅直人に見えて仕方がない。
 
 さすがに菅直人は、上記1>~3>の様に断言する事はない。が、「『支持率1%でも辞めないで。』と友人に言われた。」と自慢するようでは、五十歩百歩と言うべきであるし、外国人雇兵を頼みにしてまで権力を維持しようと言うカダフィ大佐と、ともすれば外国人参政権を導入しようと画策する民主党は、同じ穴の狢と言えよう。
 
 カダフィ大佐と菅直人の最大の違いは、政権在任期間の長さであろうが・・・どうだろう。
 
 少なくとも私には、「カダフィ大佐のリビア統治40年間」と「民主党政権による日本統治4年間」は後者の方が長いし被害甚大であろうと思われてならないのである。 

 如何に、国民。


<注釈>

(*1) 現首相だってわかったものじゃない。

(*2) 無論、そんな仮免野郎の民主党に、「一度政権を託してみた。」のはほかならぬ、正真正銘掛け値なしの「国民の選択」である事は、忘れてはいけないな。
 マスコミの煽動なぞ、あって当たり前。それで判断を誤ったとしても、それは他でもない、主権者であり投票者である、国民の責任だ。
 選挙管理に不法でもない限り、その責任は免れ得ない。

(*3) 極々単純化すれば、だが。実際には共和制ローマから帝政ローマへは、何段階もステップがあった。が、大筋はこう言い切ってしまってよかろう。
 師よ、どう思われます?

(*4) つまりは、未だ民主主義が機能していた頃のローマ。

(*5) 死後、偶像として保管され続ける、毛沢東やスターリンてのも、どうかと思うがね。古代エジプトの様に、「遺体がキチンと保存されていれば、時が到ったときにこの世に蘇る事ができる。」とでの信じているのだろうか。二人とも、共産主義者の筈だが。