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エジプトの次は中国、にはならない理由   http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110202-00000302-newsweek-int
ニューズウィーク日本版 2月2日(水)13時23分配信
 チュニジア、エジプトと中東諸国では反政府デモと騒乱の嵐が吹き荒れているが、同じような事態が中国に飛び火する可能性はあるか? 端的に言って、可能性はほとんどなさそうだ。理由は2つある。
 1つ目は、中国は一党独裁体制ではあるが、国民1人当たりの所得や商品・サービスの購買力、教育の機会など、暮らしの豊かさを示すデータは総じてよくなっている。腐敗した役人やばかげた法律、不公平な政策に対する皮肉や(個人的な)不満を口にしつつも、中国の人々は前進しようと必死だ。そして実際に多くの人が成果を上げている。
 先行きが不透明な不動産市場や欠陥だらけの医療システムに対するストレスはあるが、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席を非難したりはしない(むしろ怒りは地方政府に向けられる)。
 年配の中国人はたいてい、政変と暴力の繰り返しだった昔と比べれば今の方がはるかに暮らしやすいと言う。向上心の高い若い世代も、体制をひっくり返したいとは考えていない。
 昨年に中国の新興富裕層を取材するため重慶へ行った時も、その点が印象的だった。取材したある女性起業家は、共産党幹部との戦略的な友好関係のおかげで富を築けたことを知っていて、体制を揺るがすようなことは決して望んでいなかった。生活が向上している限り、ほとんどの人は国の指導者に絡んだ問題に目をつむる(忘れられがちだが、89年の天安門事件は1年近く続いた高いインフレが引き金になった)。
■情報統制に長けた中国政府
 2つ目の理由は、中国政府が情報と民衆を統制し、反政府勢力を抑え込むことに長けているから。近年ではチベットや新疆ウイグル自治区で暴動が発生したが、中国政府が言うところの「社会秩序」を乱す間もなく即座に鎮圧された。
 さらにもう1つ考慮すべき点がある。国家主席の胡は確かに裕福だが、一般的に言う「豪華絢爛」な暮らしはしていない。2012年には退陣する見通しで、民主的に選ばれたリーダーではないが習近平(シー・チンピン)国家副主席にトップの座を引き継ぐと目されている。
 独裁的な指導者が次世代に権力の座を継承するのは、欧米社会から見ればとんでもないことだが、戦略的なメリットが1つある。チュニジアのベンアリ前大統領やエジプトのムバラク大統領のように、民衆の怒りを一身に受ける羽目にはなりにくい。
 近年注目を集めた中国の市民運動といえば、部族間の対立や土地の所有権、環境破壊をめぐる衝突など、具体的な問題が原因となっている。しかしその矛先が中国政府に向かったり、体制崩壊を狙う動きにつながることはない。さしあたって胡は、中国の人々から愛されていなければ憎まれてもいない。
――クリスティーナ・ラーソン
[米国東部時間2011年1月31日(月)11時15分更新]
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極東にジャスミンが咲かない理由―News Week誌、中国とエジプトの相違を指摘

 報じられているのは、先頃長期政権が倒れて「ジャスミン革命」と呼ばれたチュニジアの影響を受けて、現在大規模デモなどで騒然としているエジプトと、中国の相違点。その相違点故に、中国では「ジャスミン革命の影響によるデモ等の騒乱」は起きないだろうという、中国共産党一党独裁政権が読んだら大喜びしそうな記事。記事を掲載しているのはNews Week誌であるから、この報道は「党の口舌=宣伝機関によるもの」では( 一応)ない。
 
 News week誌はその理由として3点挙げて居り、主な理由は前二者だという。
 
(1) 中国は経済的に成功しており、生活も向上している。
(2) 中国政府が情報と民衆を統制し、反政府勢力を抑え込むことに長けている
(3) 中国は共産党支配は変わらぬままながら、権力者が交代している。
 
 一応もっともらしい理由であり、一定の説得力がある。私が中国人ならば、上記(2)なんてのはとんでもない話であるが、私は日本人なので、中国人が政府の情報統制・民衆当世に唯々諾々と従うのならばそれは中国人の勝手だと、突き放してしまう。
 
 だが一方で、その中国が、昨年末の尖閣沖中国「漁船」体当たり攻撃とその後の「船長逮捕」に対する強硬措置及び反日デモでも明確になったように、我が領土と主権に対する明白な野心をあからさまにしている以上は、ナントカしてその弱化、衰退、封じ込めを図るべきだと考える。何度も書いているが、中国は、少なくとも今の中国共産党政権は、日本の敵だ。
 
 であるならば、News Week誌の指摘どおり「エジプトの次は中国にはならない」としても、次の次ぐらいを中国にするためには、何をするべきだろうか。
 
 News week誌が挙げた「中国がチェニジアの次にならない理由」上記3点の内、(1)は実は相当脆い。中国自身が「保八」と称して「成長率8%の確保」を至上命題としているのが何よりの証拠だ。そりゃ成長率の鈍化ないしマイナス成長と言うのはどの国にとっても嬉しい事態ではなかろうが、日本やアメリカ、西欧諸国がマイナス成長になったぐらいで、社会不安には至るまい。
 逆に言えば、中国の成長率を8%以下に押さえ込むだけで、上記(1)の利点は大いに減殺される。単純な話、対中ODAの全面停止だって、そのために貢献できるに違いないのだ。
 つまり、「成長率著しい中国市場への輸出で日本の景気回復」なんて幻想をスッパリ諦めるだけで上記(1)の利点は減じられる。それは日本にとって経済的不利益であり、日本の商売敵にとっては漁夫の利ではあろうが、安全保障上の利益は経済的利益に優先されるべきだろう。
 「日中友好」だの「戦略的互恵関係」だのの全く実質がなく実利も薄いおためごかしは、いい加減止めるべきだ。
 
 上記(2)の利点は確かに中国共産党政権にはあろうが・・・穴もある。その穴の一つが、先頃の尖閣沖中国「漁船」体当たり攻撃の際も激化した「反日暴動」であろう。
 確かに「反日暴動」で中国政府がその民衆の「ガス抜き」を図る面もあるだろうし、先の尖閣の際にはそれに成功したと言って良かろう。だがそれは、日本の現・民主党政権がその腰抜け振りを大いに発揮したからだ。確固たる日本政府であるならば、反日暴動をさらに激化させ、「第二の天安門事件」を生起させる可能性は充分にある。とりあえずは尖閣「衝突ビデオ」の全面完全公開と、全閣僚による靖国神社公式参拝でも、相応な効果が期待できる。要は政府の腰の据わり方一つ(*1)だ
 
 「水は船を浮かべうるが、また、覆しうるのだ。」-西太后@映画「北京の55日」-
 
 上記(3)の利点は、我が国としては余り打つ手がない。とは言え、News Week誌も認めるとおりこれは副次的な利点だから、上記(1)(2)の利点を粉砕できれば、さしたる利点にはなるまい。
 
 あれこれ考えると、「現民主党政権を一刻も早く退陣させる」のが、やっぱり我が国の利益=中国の不利益であり、逆に「現民主党政権を維持する事」が我が国の損失=中国の利益 と言うことのようだ。中国としては次の政権を支配できる目処がない限り、現・民主党政権を支援し、「日中友好」を吹聴することだろう。
 
 さらに付け加えるならば、(1)国民の全財産を実に30ドルに強制的に制限し、恒常的に食糧危機下にあり、(3)親子二代にわたって絶対権力を世襲して死ぬまでその権力の座にあり続け、これから3代目に引き継ごうと言う、北朝鮮は、News Week誌が「チュニジアと中国の違い」としてあげた上記3点の内二点は全く備えていない。
 残る上記(2)「情報と民衆の統制」だけで「ジャスミン革命の波及」を避けえるものか、北朝鮮首脳部としては戦々恐々と言うところだろう。
 
 無論、民主主義の質は、その担い手たる( 筈の)国民/人民次第なのであるが。
 
 如何に、朝鮮民主主義人民共和国。
 
 
如何に、我が国民。

 

<注釈>

(*1) そいつが一番、問題なのだがね。