応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/

今回社説比較したのは、先月末に実施された国会での尖閣沖領海侵犯中国「漁船」の体当たり攻撃・逮捕拘留・釈放事件の集中審議を受けての各紙社説。
「各紙」とは、朝日・読売・毎日・日経の4大紙に産経を加えた「レギュラーメンバー5紙」の他に、先回と同じくゲストの琉球新報と、初ゲストの東京新聞を加えた。先回はエントリーしていた「しんぶん赤旗」が脱落したのは、タイミングとテーマの揃った社説がなかったから。東京新聞が初登場したのは、産経新聞の「社説検証」が上記のレギュラー5紙+東京新聞を比較していることに、対抗した物だ。(※1)また、琉球新報については日付が一日前の社説であり、タイトルで言う「尖閣抗議決議」は石垣市をはじめとする地方議会の尖閣領有再確認を止める決議をさしており、国会での尖閣集中審議を直接受けた物ではない事も、予めお断りしなければならないだろう。
例によって社説を集めて、さていつものフォームの縦軸・評価項目に何をとろうかと読み始めて、正直、愕然とした。
朝日社説の中身の薄さに、だ。
① 尖閣事件の中国「漁船」船長釈放に、政治介入は当然あった。
② 隣国との関係を保つために、政治介入は許される。
③ 政府は政治介入の存在を認め、責任を持って正当性を訴えるべきだ。
④ 野党は外交問題で政府を追及ばかりするな。
朝日社説が言っているのは上記①~④の4項目にしか過ぎず、特に②の「外交のための政治介入の正当性」を言うために多くの行数を使っているだけ。タイトルは③の要約でしかないし、最後の④は殆どおためごかしの付け足しだ。第一、野党時代に散々政府の外交政策の足を引っ張っていた民主党が、政権与党にあるから手加減しろとは、一体どういう虫の良い論理か。否、ダブルシンクそのものか。
さらに言えば、朝日社説が今回長々と述べている上記②は、私が先行記事で那覇地検を糾弾した4つの大罪の肯定に他ならない。それこそ、「隣国との関係を保つため。」即ち「今後の日中関係を考慮して」の。
理の当然ながら、私にはこの朝日社説の主張は全く肯定できないのである。
尖閣領海侵犯中国「漁船」船長釈放に関する那覇地検への公開質問状、もとい、質問を公開する。 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/33708602.html
そうなってくると、他の評価項目は産経あたりから拾うしかない。
拾った結果が表の5項目である。例によって、朝日の主張と同趣旨の主張は赤字で、産経の主張と同趣旨の主張は青字で、産経とも朝日とも異なる特徴的な主張は黒字下線で表記している。
とは言え、先述の通り朝日の社説は上記①~④の4項目しかなので、「(言及なし)」と言う項目が多い。それを言うなら琉球新報も、各地方議会の尖閣公議議決を受けての社説でしかないから、やはり「(言及なし)」の項目が多くなってしまっている。
評価項目の1番目は、国会集中審議でも議題となった中国「漁船」船長釈放に対する政治介入の有無だ。これには日経以外の全紙が触れている。さらには産経以外の5紙が「介入はあっただろう」としている。集中審議の政府答弁が全く信用されていない形だ。産経だけは「事実関係は不透明」として介入を否定も肯定もしていない。
評価項目の2番目は、左様な政治介入の適否であるが、これは私にとって意外と言うか、心外な結果となった。この項目については、朝日、毎日、東京、産経が論じており、琉球新報と読売は「介入はあっただろう」と評価項目1番目で述べるのみで適否については論じていないのだが・・・先行記事で私が那覇地検( と、政治介入しているならば政府そのものも)を糾弾しているように司法判断への政治介入を否定しているのは産経だけなのだ。朝日も、毎日も、東京も対中関係を考慮して司法の判断に介入しろとしている。
これは私にとって心外だ。かかる政治介入は、先行記事で述べた通り、売国の罪、三権分立を犯して民主主義を危うくする罪、法の前の平等を蹂躪する罪、中国の治外法権を認める罪の4つの大罪を犯していると私は考えている。特に2番目の民主主義を危うくする罪を、社会の木鐸足るべきマスコミが推進するとは一体何事であるか。
尤も、マスコミがマスコミたる責任と義務を果たさず、嬉々として民主主義に反する姿は、田母神空幕長更迭劇の際にも見られたから、別に珍しい物ではないが。犬が人を噛んでもニュースにはならない。
思想侵略!-田母神前空幕長国会招致に対する各社社説から- http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/folder/1147021.html
田母神前幕僚長国会招致を受けての大新聞4紙社説(1) http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/19583098.html
田母神空幕長更迭に関する11月12日大新聞4社社説に関する公開質問 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/20502719.html
評価項目の3番目は、衝突時ビデオ、もとい、当該中国「漁船」体当たり攻撃慈母ビデオ映像の取扱。実にこの点に触れたのは産経だけである。勿論産経の社説は、当該ビデオの早期公開により、外向的失態を取り戻せと主張している。当然ながら私も同意見だ。否、他の社説がこの点に全く触れないのは、評価項目2番目と同様、日本のマスコミの意識の低さを表しているように思えてならない。
評価項目の4番目は、中国共産党政権が交流し、未だ1名は交流し続けているフジタ社員の取扱。足、読売、琉球新報の3氏はこの点にも全く触れていない。元々尖閣集中審議にフォーカスしていない琉球新報は未だ理解できるが、朝日や毎日の態度は・・・・拘束されたフジタ社員など知らぬと言わないばかりだ。無論、国家の大計のためには、一人二人の民間人の拘束なぞ歯牙にもかけない非常さが必要な場面があることは確かだが、特に朝日の場合は、言い訳にスペースをとられ過ぎて、フジタ社員まで気が廻らなかったように感じるが、如何であろうか。
評価項目の5番目は、今後の対中対処方針である。この点にて浮いての朝日は先述の通り、「野党は与党を批判だけするんじゃない。」という誠に尤もらしいが、甚だ説得力に欠ける結露のをつけている。
その点では読売も朝日とほぼ同じ方針しか示していないし、兎に角日中で話しあえという点では、毎日、東京、琉球新報でも変わりはない。琉球新報に「中国は歴史的事実を国民に伝えよ。」という主張が光る程度である。尤もこの主張、1984世界を現実化させて憚らない中国共産党政権に「無い物ねだり」をしているばかりであって、とてもじゃないが実現は望めない。
今後の方針という意味では、私と多くの点で意見を同じくする産経も誉められたものとは言えない。菅首相の主権意識、危機意識の欠如を避難するばかりで、次の一手について明確化していない。
この点で出色なのは、意外なことに日経である。政府により司法判断への政治介入問題はスルーした形だが、今後の布石については、「中国依存なからの脱却」「欧米と乗れ系」などと明快だ。惜しむらくは、ASEMに出席する菅首相に対し、日本の立場強調を訴えるのはまだしも、中国の「責任大国化」を促進しろと訴えていること。中国、少なくとも現共産党政権が、「責任大国」なんてご大層なもにになるなぞ、想像することさえ難しい。そりゃ「なる。なりたい。」ぐらいのリップサービスはあるかも知れないが、現実化することはなさそうだ。
さて、以上から例によって今回比較した社説からいつもの不等式を作ろうとしたのだが・・・評価項目2番目で「中国「漁船」船長釈放の司法判断に政府が政治介入する事を肯定する」なんてのはマスコミの風上にも置けない。従って今回は朝日、毎日、東京が評価対象外となり・・・
琉球新報 ≒ 読売 ≠ 産経 ≠ 日経
と言うところではないだろうか。
「各紙」とは、朝日・読売・毎日・日経の4大紙に産経を加えた「レギュラーメンバー5紙」の他に、先回と同じくゲストの琉球新報と、初ゲストの東京新聞を加えた。先回はエントリーしていた「しんぶん赤旗」が脱落したのは、タイミングとテーマの揃った社説がなかったから。東京新聞が初登場したのは、産経新聞の「社説検証」が上記のレギュラー5紙+東京新聞を比較していることに、対抗した物だ。(※1)また、琉球新報については日付が一日前の社説であり、タイトルで言う「尖閣抗議決議」は石垣市をはじめとする地方議会の尖閣領有再確認を止める決議をさしており、国会での尖閣集中審議を直接受けた物ではない事も、予めお断りしなければならないだろう。
例によって社説を集めて、さていつものフォームの縦軸・評価項目に何をとろうかと読み始めて、正直、愕然とした。
朝日社説の中身の薄さに、だ。
① 尖閣事件の中国「漁船」船長釈放に、政治介入は当然あった。
② 隣国との関係を保つために、政治介入は許される。
③ 政府は政治介入の存在を認め、責任を持って正当性を訴えるべきだ。
④ 野党は外交問題で政府を追及ばかりするな。
朝日社説が言っているのは上記①~④の4項目にしか過ぎず、特に②の「外交のための政治介入の正当性」を言うために多くの行数を使っているだけ。タイトルは③の要約でしかないし、最後の④は殆どおためごかしの付け足しだ。第一、野党時代に散々政府の外交政策の足を引っ張っていた民主党が、政権与党にあるから手加減しろとは、一体どういう虫の良い論理か。否、ダブルシンクそのものか。
さらに言えば、朝日社説が今回長々と述べている上記②は、私が先行記事で那覇地検を糾弾した4つの大罪の肯定に他ならない。それこそ、「隣国との関係を保つため。」即ち「今後の日中関係を考慮して」の。
理の当然ながら、私にはこの朝日社説の主張は全く肯定できないのである。
尖閣領海侵犯中国「漁船」船長釈放に関する那覇地検への公開質問状、もとい、質問を公開する。 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/33708602.html
そうなってくると、他の評価項目は産経あたりから拾うしかない。
拾った結果が表の5項目である。例によって、朝日の主張と同趣旨の主張は赤字で、産経の主張と同趣旨の主張は青字で、産経とも朝日とも異なる特徴的な主張は黒字下線で表記している。
とは言え、先述の通り朝日の社説は上記①~④の4項目しかなので、「(言及なし)」と言う項目が多い。それを言うなら琉球新報も、各地方議会の尖閣公議議決を受けての社説でしかないから、やはり「(言及なし)」の項目が多くなってしまっている。
評価項目の1番目は、国会集中審議でも議題となった中国「漁船」船長釈放に対する政治介入の有無だ。これには日経以外の全紙が触れている。さらには産経以外の5紙が「介入はあっただろう」としている。集中審議の政府答弁が全く信用されていない形だ。産経だけは「事実関係は不透明」として介入を否定も肯定もしていない。
評価項目の2番目は、左様な政治介入の適否であるが、これは私にとって意外と言うか、心外な結果となった。この項目については、朝日、毎日、東京、産経が論じており、琉球新報と読売は「介入はあっただろう」と評価項目1番目で述べるのみで適否については論じていないのだが・・・先行記事で私が那覇地検( と、政治介入しているならば政府そのものも)を糾弾しているように司法判断への政治介入を否定しているのは産経だけなのだ。朝日も、毎日も、東京も対中関係を考慮して司法の判断に介入しろとしている。
これは私にとって心外だ。かかる政治介入は、先行記事で述べた通り、売国の罪、三権分立を犯して民主主義を危うくする罪、法の前の平等を蹂躪する罪、中国の治外法権を認める罪の4つの大罪を犯していると私は考えている。特に2番目の民主主義を危うくする罪を、社会の木鐸足るべきマスコミが推進するとは一体何事であるか。
尤も、マスコミがマスコミたる責任と義務を果たさず、嬉々として民主主義に反する姿は、田母神空幕長更迭劇の際にも見られたから、別に珍しい物ではないが。犬が人を噛んでもニュースにはならない。
思想侵略!-田母神前空幕長国会招致に対する各社社説から- http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/folder/1147021.html
田母神前幕僚長国会招致を受けての大新聞4紙社説(1) http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/19583098.html
田母神空幕長更迭に関する11月12日大新聞4社社説に関する公開質問 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/20502719.html
評価項目の3番目は、衝突時ビデオ、もとい、当該中国「漁船」体当たり攻撃慈母ビデオ映像の取扱。実にこの点に触れたのは産経だけである。勿論産経の社説は、当該ビデオの早期公開により、外向的失態を取り戻せと主張している。当然ながら私も同意見だ。否、他の社説がこの点に全く触れないのは、評価項目2番目と同様、日本のマスコミの意識の低さを表しているように思えてならない。
評価項目の4番目は、中国共産党政権が交流し、未だ1名は交流し続けているフジタ社員の取扱。足、読売、琉球新報の3氏はこの点にも全く触れていない。元々尖閣集中審議にフォーカスしていない琉球新報は未だ理解できるが、朝日や毎日の態度は・・・・拘束されたフジタ社員など知らぬと言わないばかりだ。無論、国家の大計のためには、一人二人の民間人の拘束なぞ歯牙にもかけない非常さが必要な場面があることは確かだが、特に朝日の場合は、言い訳にスペースをとられ過ぎて、フジタ社員まで気が廻らなかったように感じるが、如何であろうか。
評価項目の5番目は、今後の対中対処方針である。この点にて浮いての朝日は先述の通り、「野党は与党を批判だけするんじゃない。」という誠に尤もらしいが、甚だ説得力に欠ける結露のをつけている。
その点では読売も朝日とほぼ同じ方針しか示していないし、兎に角日中で話しあえという点では、毎日、東京、琉球新報でも変わりはない。琉球新報に「中国は歴史的事実を国民に伝えよ。」という主張が光る程度である。尤もこの主張、1984世界を現実化させて憚らない中国共産党政権に「無い物ねだり」をしているばかりであって、とてもじゃないが実現は望めない。
今後の方針という意味では、私と多くの点で意見を同じくする産経も誉められたものとは言えない。菅首相の主権意識、危機意識の欠如を避難するばかりで、次の一手について明確化していない。
この点で出色なのは、意外なことに日経である。政府により司法判断への政治介入問題はスルーした形だが、今後の布石については、「中国依存なからの脱却」「欧米と乗れ系」などと明快だ。惜しむらくは、ASEMに出席する菅首相に対し、日本の立場強調を訴えるのはまだしも、中国の「責任大国化」を促進しろと訴えていること。中国、少なくとも現共産党政権が、「責任大国」なんてご大層なもにになるなぞ、想像することさえ難しい。そりゃ「なる。なりたい。」ぐらいのリップサービスはあるかも知れないが、現実化することはなさそうだ。
さて、以上から例によって今回比較した社説からいつもの不等式を作ろうとしたのだが・・・評価項目2番目で「中国「漁船」船長釈放の司法判断に政府が政治介入する事を肯定する」なんてのはマスコミの風上にも置けない。従って今回は朝日、毎日、東京が評価対象外となり・・・
琉球新報 ≒ 読売 ≠ 産経 ≠ 日経
と言うところではないだろうか。
やっぱり産経はひと味違うぜ。かな。
<注釈>
(※1) 別にライバル意識持たなくても良いんだが・・・4大紙には入らずとも、産経とて全国区の大手新聞社。こっちはアクセス数せいぜい日に3桁の弱小ブログだ。1桁って事は、流石に最近ないが。