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今回まとめた社説集は、一寸前のことではあるが、あの尖閣領海侵犯した上逃走を図って我が巡視艇2隻に体当たり攻撃を仕掛け、その余りの悪質さに逮捕拘束されながら「那覇地検の政治的判断」によって釈放されてしまった件を報じた直後の各紙の社説。流石に大きなニュースになっただけあって、ほぼ各紙一斉に社説に掲げている。
「ほぼ」としたのは先回も取り上げた「4大紙+1紙」即ち、朝日、読売、毎日、日経、産経は揃ってお9月25日に社説で扱っており、今回「特別ゲスト」として追加した琉球新報も同日ながら、「スペシャルゲスト」としてご招待した「しんぶん赤旗」は同日の紙面ながら社説ではなく、9/24に早々に出した志位共産党委員長のコメントであるからだ。コメントなので社説ほど縷々語っている訳ではないが、簡潔に語っているだけ、要点は絞りやすい。その代わり、他紙の社説では言及していても、志位委員長コメントには言及のない項目が、当然ある。その意味では赤旗にとって不公平な比較になっているのは否めないが、赤旗は社説で本件を取り上げてくれないのだから仕方がない。
例によって、朝日の社説は赤字。産経の社説は青字で表し、他社の社説はそれぞれに同趣旨の部分を赤字、青字で表した。私の独断( と偏見)がは言っていることは間違いないだろうが、参考にはなるだろう。今回から新しい試みとして、朝日にも産経にも見られない特徴的な論旨があれば、黒字のまま下線を引く事で表すことにした。これまた私の独断( と偏見)の影響は否めない。
勿論かような一表にするのだから、縦軸=評価項目をどうとるかで印象からして相当変化するだろう。それだけに何を縦軸=評価項目とするかが重要なのであるが、これは朝日と産経の両社説を睨みながらエイヤっと決めたものだ。
赤旗 国民に納得いく説明を http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-09-25/2010092501_02_1.html
琉球新報 中国船長釈放 良好な関係へ双方知恵を2010年9月25日 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-167957-storytopic-11.html
朝日 中国船長釈放―甘い外交、苦い政治判断 http://www.asahi.com/paper/editorial20100925.html?ref=any#Edit1
読売 中国人船長釈放 関係修復を優先した政治決着(9月25日付・読売社説) http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100924-OYT1T01214.htm?from=any
毎日 社説:中国人船長釈放 不透明さがぬぐえない http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100925k0000m070116000c.html
日経 筋通らぬ船長釈放 早く外交を立て直せ http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E7E0E1E5E5EAE2E0E7E2EBE0E2E3E28297EAE2E2E3?n_cid=DSANY001
産経 【主張】中国人船長釈放 どこまで国を貶(おとし)めるのか http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100925/plc1009250301005-n1.htm
で、その一表で比較すると・・・
評価項目の1番目は「尖閣諸島が我が国の領土であること」を如何に表記しているか、とした。尖閣諸島が我が国領土である事は自明の事実なのであるが、今回の中国「漁船」のような悪質な領海侵犯と巡視艇に対する体当たり攻撃、さらにそれに続く中国政府の傍若無人ぶり、さらには「謝罪と賠償要求」に至るような事態では、このことは幾ら明記してもしすぎるような事はないだろう。事実、今回取り上げた総計7紙の何れでも、そう、朝日どころか赤旗の志位共産党委員長すらこの点には触れている。触れていないのは・・・毎日と、琉球新報である。
評価項目の2番目は、尖閣諸島に対する中国の「領有」主張の適否。これはいわば1番目の裏返しであり、当然「否」なのであるが、それを明記しているか否かを比較した。此処は1番目の評価項目で尖閣は日本の領土たる事を記さなかった朝日、琉球新報を含め5紙が言及しておらず、日経も間接的に言及するのみで、歴史的経緯まで遡って触れたのは産経のみである。
評価項目の3番目は、今回の中国「漁船」船長釈放に対する政府からの政治介入の有無である。御承知の通り現民主党政権はあろう事か「地検独自の判断」と言い張っているが、赤旗が言及していない他は6紙とも言及している。その内朝日、読売、産経、琉球新報の4紙が「政府による政治介入はあっただろう」と言う立場に立っている。産経と朝日の意見が一致したのだから、「衆目の一致するところ」と言ってもよさそうだ。
残る日経は「地検が政府の意向を汲んだ」即ち自主的な政治介入容認ないし政治迎合だと言う立場だが、検察にそんな権限はないと否定し、「政治介入の有無を含めた検証が必要」としている。
最後に残った毎日も、外交上の配慮と言うのは「異様だ」として疑問視し、「事実なら検察が外交に口を出す事の当否が問われる。」としている。
以上からすると、言及していない赤旗を除いて、政府の政治介入については6紙とも少なくとも疑念を抱いており、仮に政府の主張どおり「地検独自の判断」だったとしても、毎日・日経とも否定的である。
評価項目の4番目は、中国の主張・態度の適否。これに対してはやはり赤旗に言及がない以外は6紙とも触れている。とは言え、カラーは三色に分かれたようだ。
読売は「明らかに行き過ぎている。」とし、産経は「異様な対日圧力だ。」とし、この2紙は中国の主張・態度に対し否定的だ。
毎日は「中国の外交攻勢」と表現し、日系は「圧力と受け止められる措置」と表現し、何れも否定的なニュアンスを持ちつつも、明快さが足らない。この2紙がいわば中立派だろう。
朝日は「中国の余りにあからさまな圧力」としているから、表記の上では読売・産経と同じ中国否定派のように見えるが、その後段で中国「漁船」船長を起訴・公判に持ち込んだ場合「両国間の緊張は制御不能なレベルにまで高まったに違いない。」と恐怖して見せ、中国の主張を批判するよりも、中国「漁船」船長釈放の正当化に力点を置いているから、せいぜい毎日・日経・と同じ中立派。見ようによっては後述の琉球新報と同じ親中派、否、媚中派であろう。
最後の琉球新報は、「中国側の抗議や圧力は激しい物があった。」として例をいくつも挙げながら、その評価は「民主主義のコストの無い国の、官民上げての対応の早さ」である。確かに中国は共産党一党独裁の支配する非民主主義国であり、独裁国家であるが、その「官民挙げての対応の早さ」に感心するようでは、媚中派と断ぜざるを得まい。到底自由主義諸国の言論の自由を標榜するジャーナリストとは思えないほどだ。尤も、「手の込んだ皮肉」と考えられない事も無いが。
琉球新報 中国船長釈放 良好な関係へ双方知恵を2010年9月25日 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-167957-storytopic-11.html
朝日 中国船長釈放―甘い外交、苦い政治判断 http://www.asahi.com/paper/editorial20100925.html?ref=any#Edit1
読売 中国人船長釈放 関係修復を優先した政治決着(9月25日付・読売社説) http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100924-OYT1T01214.htm?from=any
毎日 社説:中国人船長釈放 不透明さがぬぐえない http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100925k0000m070116000c.html
日経 筋通らぬ船長釈放 早く外交を立て直せ http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E7E0E1E5E5EAE2E0E7E2EBE0E2E3E28297EAE2E2E3?n_cid=DSANY001
産経 【主張】中国人船長釈放 どこまで国を貶(おとし)めるのか http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100925/plc1009250301005-n1.htm
で、その一表で比較すると・・・
評価項目の1番目は「尖閣諸島が我が国の領土であること」を如何に表記しているか、とした。尖閣諸島が我が国領土である事は自明の事実なのであるが、今回の中国「漁船」のような悪質な領海侵犯と巡視艇に対する体当たり攻撃、さらにそれに続く中国政府の傍若無人ぶり、さらには「謝罪と賠償要求」に至るような事態では、このことは幾ら明記してもしすぎるような事はないだろう。事実、今回取り上げた総計7紙の何れでも、そう、朝日どころか赤旗の志位共産党委員長すらこの点には触れている。触れていないのは・・・毎日と、琉球新報である。
評価項目の2番目は、尖閣諸島に対する中国の「領有」主張の適否。これはいわば1番目の裏返しであり、当然「否」なのであるが、それを明記しているか否かを比較した。此処は1番目の評価項目で尖閣は日本の領土たる事を記さなかった朝日、琉球新報を含め5紙が言及しておらず、日経も間接的に言及するのみで、歴史的経緯まで遡って触れたのは産経のみである。
評価項目の3番目は、今回の中国「漁船」船長釈放に対する政府からの政治介入の有無である。御承知の通り現民主党政権はあろう事か「地検独自の判断」と言い張っているが、赤旗が言及していない他は6紙とも言及している。その内朝日、読売、産経、琉球新報の4紙が「政府による政治介入はあっただろう」と言う立場に立っている。産経と朝日の意見が一致したのだから、「衆目の一致するところ」と言ってもよさそうだ。
残る日経は「地検が政府の意向を汲んだ」即ち自主的な政治介入容認ないし政治迎合だと言う立場だが、検察にそんな権限はないと否定し、「政治介入の有無を含めた検証が必要」としている。
最後に残った毎日も、外交上の配慮と言うのは「異様だ」として疑問視し、「事実なら検察が外交に口を出す事の当否が問われる。」としている。
以上からすると、言及していない赤旗を除いて、政府の政治介入については6紙とも少なくとも疑念を抱いており、仮に政府の主張どおり「地検独自の判断」だったとしても、毎日・日経とも否定的である。
評価項目の4番目は、中国の主張・態度の適否。これに対してはやはり赤旗に言及がない以外は6紙とも触れている。とは言え、カラーは三色に分かれたようだ。
読売は「明らかに行き過ぎている。」とし、産経は「異様な対日圧力だ。」とし、この2紙は中国の主張・態度に対し否定的だ。
毎日は「中国の外交攻勢」と表現し、日系は「圧力と受け止められる措置」と表現し、何れも否定的なニュアンスを持ちつつも、明快さが足らない。この2紙がいわば中立派だろう。
朝日は「中国の余りにあからさまな圧力」としているから、表記の上では読売・産経と同じ中国否定派のように見えるが、その後段で中国「漁船」船長を起訴・公判に持ち込んだ場合「両国間の緊張は制御不能なレベルにまで高まったに違いない。」と恐怖して見せ、中国の主張を批判するよりも、中国「漁船」船長釈放の正当化に力点を置いているから、せいぜい毎日・日経・と同じ中立派。見ようによっては後述の琉球新報と同じ親中派、否、媚中派であろう。
最後の琉球新報は、「中国側の抗議や圧力は激しい物があった。」として例をいくつも挙げながら、その評価は「民主主義のコストの無い国の、官民上げての対応の早さ」である。確かに中国は共産党一党独裁の支配する非民主主義国であり、独裁国家であるが、その「官民挙げての対応の早さ」に感心するようでは、媚中派と断ぜざるを得まい。到底自由主義諸国の言論の自由を標榜するジャーナリストとは思えないほどだ。尤も、「手の込んだ皮肉」と考えられない事も無いが。
評価項目の5番目は、「船長釈放の適否」は全紙が触れている。この内産経と日経の2紙は釈放に対して批判的であり、読売、毎日、琉球新報から赤旗までの4紙が釈放に至った理由や経緯の説明を求めているから、やはり批判的だ。
独り、朝日のみが「船長の拘留を延長した判断を含め・・・苦い教訓として猛省すべきだ。」と、中国「漁船」船長釈放よりも、拘留延長の方を非難している。評価項目4番目と整合する主張ではあるが、「流石は朝日」と言うか、私なんぞには、到底理解も納得も出来ない主張だ。
評価項目の6番目「今後の日中関係見通し」と7番目「対中対処方針」は、一括して評価すべきだろう。
朝日と毎日はほぼ同工異曲だ。「日中関係は今後も大事だから、仲良くしよう。」と那覇地検や民主党政権が聞いたら大喜びしそうな主張であり、恐らくは中国も大笑いだろう。だが、そのための対中対処方針が、朝日で「政治家同士のパイプ」毎日で「冷静な対話の環境づくり」では、何も言っていないのと変わらない。第一「パイプ」と言うならば、昨年我が敵・小沢一郎が引き連れて訪中した大議員団は、一体なんだったのだ。パイプの「パ」の字にすらならなかったではないか。であるならば、一体今後どんな「パイプ」を作れと言うのだ。
琉球新報も理解し難い。「両国政が知恵を出し合えば「善」なる解決策は見つかるはずだ。」などと言う主張は、尖閣諸島領有権を巡る歴史即ち中国が領有を言い出したのは海底資源の発見後である事や、中国側が「今の世代は知恵がないから次の世代に任せよう。」などと言っておきながら、今、我が物顔で、領有権を主張しつつ、我が領海内で違法漁業操業を敢行し、我が海上保安庁巡視艇に体当たり攻撃をかけてきたという、歴史的事実を忘却し、現実から目を背けているとしか思われない。であるからして同紙の主張する今後の方針「日本独自の外交姿勢」と言うのも、「米国頼みの外交は通用しない。」と言う主張をある程度理解する物の、「反米姿勢」としか読めないのである。
赤旗の主張は、中国に冷静な対処を求め、日本政府に尖閣領有の根拠説明を積極的に行え、と言う・・・こう言っては何だが、意外なぐらいにまともな主張だ。朝日や琉球新報より、よほど理解できる。
中国への見方が厳しい残り3紙・読売・日経・産経の対中対処方針は、さらに私の意に適う事は、まあ書く前から明らかだろう。読売が海保体制強化及び開示との連携と冷静勝つ現実的な国益追求の対中外交と言い、日経が日米及び東南アジア諸国との連携で外交の建て直しを求め、産経はさらに踏み込んで尖閣領有の意志明示のため、ヘリポート建設・自衛隊配備の検討を急げと言う。何れも一理も二理もある主張だと、私には思われる。
以上から総合評価すると、以下のような不等式となろうか。
琉球新報 < 朝日 ≒ 毎日 ≠ 産経 ≒ 読売 + 日経
独り、朝日のみが「船長の拘留を延長した判断を含め・・・苦い教訓として猛省すべきだ。」と、中国「漁船」船長釈放よりも、拘留延長の方を非難している。評価項目4番目と整合する主張ではあるが、「流石は朝日」と言うか、私なんぞには、到底理解も納得も出来ない主張だ。
評価項目の6番目「今後の日中関係見通し」と7番目「対中対処方針」は、一括して評価すべきだろう。
朝日と毎日はほぼ同工異曲だ。「日中関係は今後も大事だから、仲良くしよう。」と那覇地検や民主党政権が聞いたら大喜びしそうな主張であり、恐らくは中国も大笑いだろう。だが、そのための対中対処方針が、朝日で「政治家同士のパイプ」毎日で「冷静な対話の環境づくり」では、何も言っていないのと変わらない。第一「パイプ」と言うならば、昨年我が敵・小沢一郎が引き連れて訪中した大議員団は、一体なんだったのだ。パイプの「パ」の字にすらならなかったではないか。であるならば、一体今後どんな「パイプ」を作れと言うのだ。
琉球新報も理解し難い。「両国政が知恵を出し合えば「善」なる解決策は見つかるはずだ。」などと言う主張は、尖閣諸島領有権を巡る歴史即ち中国が領有を言い出したのは海底資源の発見後である事や、中国側が「今の世代は知恵がないから次の世代に任せよう。」などと言っておきながら、今、我が物顔で、領有権を主張しつつ、我が領海内で違法漁業操業を敢行し、我が海上保安庁巡視艇に体当たり攻撃をかけてきたという、歴史的事実を忘却し、現実から目を背けているとしか思われない。であるからして同紙の主張する今後の方針「日本独自の外交姿勢」と言うのも、「米国頼みの外交は通用しない。」と言う主張をある程度理解する物の、「反米姿勢」としか読めないのである。
赤旗の主張は、中国に冷静な対処を求め、日本政府に尖閣領有の根拠説明を積極的に行え、と言う・・・こう言っては何だが、意外なぐらいにまともな主張だ。朝日や琉球新報より、よほど理解できる。
中国への見方が厳しい残り3紙・読売・日経・産経の対中対処方針は、さらに私の意に適う事は、まあ書く前から明らかだろう。読売が海保体制強化及び開示との連携と冷静勝つ現実的な国益追求の対中外交と言い、日経が日米及び東南アジア諸国との連携で外交の建て直しを求め、産経はさらに踏み込んで尖閣領有の意志明示のため、ヘリポート建設・自衛隊配備の検討を急げと言う。何れも一理も二理もある主張だと、私には思われる。
以上から総合評価すると、以下のような不等式となろうか。
琉球新報 < 朝日 ≒ 毎日 ≠ 産経 ≒ 読売 + 日経
赤旗
以前からの私の主張、「異論異説を新聞で読みたいならば、産経と朝日を読み比べるのが手っ取り早い。」はここでも証明された形だが、「朝日の代わりに赤旗でも良いかも知れない。」と言うのは、そうでもない。「朝日の代わりに琉球新報でも良さそうだ。」と言うことが今回の社説比較から言えそうだ。
以前からの私の主張、「異論異説を新聞で読みたいならば、産経と朝日を読み比べるのが手っ取り早い。」はここでも証明された形だが、「朝日の代わりに赤旗でも良いかも知れない。」と言うのは、そうでもない。「朝日の代わりに琉球新報でも良さそうだ。」と言うことが今回の社説比較から言えそうだ。
尖閣領海侵犯の中国船長逮捕に対する4+1紙社説比較 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/33589460.html
好対照な社説-東支邦海・南支邦海を巡る米中対立を受けて 朝日と産経 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/33465480.html
新聞は教材たり得るか? http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/33457469.html