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「教育に新聞を」はなぜ大切か    http://allatanys.jp/B001/UGC020006620100819COK00618.html
 
 上記URLは、勝方 信一氏なるジャーナリスト、元読売新聞編集委員殿の一文。詳細は上記URLで御覧頂くとして、私流に勝手に要約すると、以下のようになる。
 
(1) 新聞を教育に活用しようと言う種々の試みがある。
(2) 思考力、判断力、表現力を培う教育には、新聞の活用が有効である。
(3) 何故ならば、新聞を読み比べる事で、一つの出来事にも様々な見方があることを知り、その相違を議論する事が、思考力、判断力、表現力を養う上で大いに役立つからである。

 
  中々「立派な」考えだ。特に上記(3)の後半、「一つの出来事にも様々な見方があることを知り・・・」には私も大いに賛同するし、その賛意は当ブログの以下の幾つかの記事にも現れている・・・・、否、この言い方は正しくないな。上記(3)後半の考え方に私は賛同するし、同様の意見を幾つか当ブログで記事にもしている。
  
 「一書に曰く」-日本書紀に見る、異説を排さぬ知恵-   http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/21306445.html
 真の民主主義国家は最強である http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/23943306.html
 科学と民主主義   http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/27314702.html
 
 何れも異論・異説に対する寛容が民主主義の強みであり、根源でさえあるる事を記事にしている。異論・異説に対する寛容の目的が「思考力、判断力、表現力を培う教育に役立つ」とは書いていないが、それこそが「正しい判断に結びつく(と期待される)」事は明記しているから、「同様の趣旨」とは言っても良かろう。
 だがしかし、勝方氏の主張の上記(2)及び(3)前半「新聞を読み比べる事で」異論・移設に触れられるという主張には、残念ながら異を唱えざるを得ない。
 
 例えば、近いところでは、菅首相が自衛隊4幕僚長と初の対談を実施した際の各紙( この場合、朝日、毎日、読売、産経)報道を、以下の記事では比較しているのだが、チョイと毛色が違って一番マイナーな産経を除く三大紙の報道は、殆ど差異がないのである。
 
果たして、それは冗談か?―菅首相、4幕僚長と初の対談    http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/33426356.html
 
 これでは、少なくとも三大紙即ち朝日、毎日、読売(順不同)を読んだところで異論・異説に触れられる可能性は低く、勝方氏の主張上記(2)や(3)には大いに疑義を呈さざるを得ない。
 
 一寸前の話になるが、田母神前空幕長が「政府見解と異なる歴史認識を公表した」として更迭された際の各紙社説を比較したのは以下の記事である。このときは上記三大紙即ち朝日、毎日、読売と日経の社説を「比較」している。
 「比較」しているが・・・こちらの方は上記菅首相の4幕僚対談以上に差異が小さく、大新聞4社の論調が恐ろしいまでに揃っている事を示してる。 
  
田母神前幕僚長国会招致を受けての大新聞4紙社説(1) http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/19583098.html
田母神前幕僚長国会招致を受けての大新聞4紙社説(2)  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/19583114.html
 その、恐ろしいまでに揃った大手新聞4社の論調が、当時「一世を風靡」下論調が、いかに恐ろしい物であり、民主主義に反する物であるかを論じたのが以下の記事である。
思想侵略!-田母神前空幕長国会招致に対する各社社説から-  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/19583178.html
田母神論文を巡る自衛隊に対する思想統制についてーマスコミが、民主主義の危機を引き起こそうとしている怪ー  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/19629370.html
  
 さらに、上記の糾弾を直接新聞社に問おうとしたのが以下の公開質問である。各新聞社に送付したが、一紙として回答をよこさないまま、現在に至っている。
田母神空幕長更迭に関する11月12日大新聞4社社説に関する公開質問   http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/20502719.html
 もとより、民主主義を愛し、支持するのは私の意見でしかない。大手新聞4社の社説が私の意見と異なるとて、異とするには足らない。
 
 問題は、大手新聞4社を読み比べたところで、異論・異説には殆ど触れられず、思考力、判断力、表現力を養う教育にも、民主主義にも、役に立たない事だ。
 
 勝方氏に忠告する。思考力、判断力、表現力を養う教育に新聞を活用するのならば、大手新聞4社即ち朝日、毎日、読売、日経以外から一紙を選ぶべきである。
 
 産経新聞あたりが妥当であろう。
 逆方向にと、赤旗って手もありそう思うが、田母神空幕長更迭劇の際の報道は大手新聞4社と大差なかったから、余り期待できないぞ。