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 この世の中にはいろんな人が居り、人類の種としての多様性は誠驚くべきばかりのものがある。「新型インフルエンザは日本にキリスト教徒が少ない事に対して下された仏罰だ。」と主張してしまう人もあれば、「ダライ・ラマも米国大統領も中国主席もトカゲ型異星人が化けているのだ。」と主張する人も居る。「憲法9条が最大の抑止力だ。」と公言できてしまう人さえ(*1)居るのだから、「丸腰の者は撃たれない」と主張する人なんざ可愛いもんだ。
 尤も、「死後に永遠に生きよう」などと考えるようでは「可愛い」なんて言ってられないが、「毎朝太陽を手で千切って食べる」人共々、人類の多様性の証左であるとは言えよう。
 
 かくも多様多彩なる人類ではあるが、「増税が好き。」なかんずく自分自身や自分の商売に対する「増税が好き。」と言う人は滅多にあるものじゃない。「戦争が好き」と言う人より少ないかも知れない。(*2)
 であればこそ、増税論と言うのは不人気政策の代表であり、わが国に於いても過去幾つかの政権が増税を掲げて選挙に大敗し、退陣に追い込まれている。

<注釈>
(*1)
 それも日本の国会議員意に。
(*2) 数は少なかろうが、「戦争が好き」と言う人間は確実に居る。中には無論「人殺しが好き」と言う人だってあるだろうが、それは少数だろう。「戦争が好き」な人の相当部分は、戦争と言う極限状態やその緊張感緊迫感が好きなのだろう。
 「御前はどうなんだ。」と質されたならば、「戦争の歴史や理論=戦略・戦術、それに戦争に使われる道具=兵器は可也好きだね。」と堂々と答えよう。
 一方で、私自身や我が国が戦争になってしまうような事は極力避ける。
 但し、避け得ない戦争ならば、堂々、受けて立つべきだと思うし、その覚悟は常にあって然るべきとも考える。

1.自民党、マニュフェストに「消費税率10%」を掲げる。菅首相、「その勇気を讃える。」
 
 とは言え、我が国の財政事情が容易ならぬものであることは、衆目の一致するところ。それは先の衆院選でばら撒きバラ色マニュフェストを掲げて大勝して「政権交代」を果たし、衆院選挙前の党首討論では「仕分けさえすりゃ財源なんてお茶の子さいさい」と豪語していた現・民主党政権であってもある程度そうであるらしい。
 
 況や先の衆院選挙で遂に政権与党の座を失いながらも、長いこと与党の座にあり、今後再び与党になろうと日夜考えている( に違いない)自由民主党にしてみれば、此処は長い与党経験の活かしどころであり、且つ民主党に対する絶好の攻撃発起点である。況や経済の回復状況思わしくない昨今においてなおさらだ。従って自民党がマニュフェストに消費税率10%への値上げを明記する事は、不人気政策の代表たる増税を明言する事ではあるが、「其れだけ日本の財政状況を憂えている」とも言えるし、火中の栗を敢えて拾うのも、時には責任ある政党の為すべきことではあろう。
 
 言い換えれば、自由民主党はマニュフェストに消費税率10%を明記する事で、責任ある政党であることを実証したとも言える。
 
 故に、先に報じられた菅首相の自民党に対する「勇気をたたえたい」と言う評価には、私も同意するものである。不人気な増税策をマニュフェストに盛り込むなぞ、民主党には逆立ちしたって出来そうにないから、なおさらだ。
菅首相が自民マニフェスト評価 消費税率10%「勇気はたたえたい」  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100630/plc1006301302007-n1.htm
 
 「徹底的に無駄をなくしてから、増税すべきだ。」「景気が着回復してから増税すべきだ。」等など、増税に反対する理屈はいくらもつくし、その理屈はもっともらしくもあれば、正論でもあれば、人気取りにもなるのだから言う方は気楽なものであるが、現民主党政権が鳴り物入りで実施し、今後もレンホウ議員のネームバリューと共に大いにその宣伝力・訴求力に期待している(らしい)「事業仕分け」の効果・実績が、実際のところ衆院選挙前に鳩山党首が党首討論で豪語していたような(*1)効果は全く期待できな以上、「公務員(もしくは公務員給与)2割カット」何ぞ案の定(*2)手もつけかねており、先の予算は国債大発行でナントカ凌いだ現・民主党政権にとっても増税論は、少なくとも増税の議論は、避けて通れぬものだ。
 
 それぐらいの理屈は、鳩山前首相ならいざ知らず「現実主義者(相当眉唾)」な菅首相ならわかるものらしいのは、菅首相自ら「消費税増税論」を打ち出したことで知れる。但し、上記の通り「マニュフェストには全く書いていない」消費税増税論ではあるが。
 
 それを言うなら、外国人参政権も、夫婦別姓も、先の衆院選マニュフェストにさえかかれて居なかったが、前者は先の国会に法案提出されて危うく成立しそうになったし、後者は千葉法相自ら「マニュフェストに無くてもやる」と公言しているところである。
マニフェスト不記載でも実現目指す 夫婦別姓と人権救済機関で法相  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100629/plc1006291100009-n1.htm
 
 
<注釈>
(*1) 
そりゃこの頃の鳩山氏は、「米海兵隊が日本の抑止力になる。」と言うことさえ知らなかったのであるが。
(*2) 先の衆院選挙前党首討論で麻生首相(当時)が指摘した通り。