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 御記憶の方も多かろうと仄かに期待(*1)するのだが、鳩山前首相は、先の衆院選挙前の党首討論で「税制改革は今後40年もかかる大計画だから、それを半分の20年でやるとしても、今後4年間くらい消費税を上げないのなんて朝飯前だ。」と抜かした。無論、「事業仕分けで子供手当ての財源なんて屁の河童」と抜かしたのと同じ口だから、判ったもんじゃないが。
 
 今度首相に就任した菅直人は、消費税値上げについて「超党派で議論したい (*2)」と言い、「自民党の掲げる10%と言う税率は一つの参考」等と言い、財源を真剣に考えているのだとアピールしているが、消費税上げ容認論が支持率に影響を及ぼす見るや、「実施は早くて2,3年後」と言い、鳩山前首相の言った「今後4年間消費税率は上げない」とは矛盾しないまたは齟齬が小さいとしている。
 或いはもっと率直に、「消費税を値上げするのは私じゃない(次、或いはそれ以降の首相である)。」と言っている。
 
 で、今回の記事で報じられているのは、菅首相ならぬ野田財務相の駐日米大使への説明。首相ではないが財務省の説明だから、消費税論議もより「現場に近い」とは言えるだろう。
> 参院選の争点となっている消費税率引き上げについて、
1> 「国民もだんだん理解し始めている」と述べ、
2> 今後も引き上げの必要性を訴えていく考えを示した。
 菅首相の方がその後支持率のかげりを受けて、消費税論議を封印しようと言う動きも報じられているから、この野田財務相の発言も訂正なり修正なり、或いは数多ある鳩山前首相の発言のように何の注釈も弁明も無くひっくり返される可能性が出て来た様にも思うが、私が問題視したいのは、日本の財務相が駐日米大使にこの時期に消費税値上げ論を「国民も理解し始めている」と「説明」してしまえる神経だ。
 
 民主党のセンセイ方は当の昔に鳩山前首相宜しく忘却し果てているようであるが、民主党は先の衆院選挙で「今後四年間消費税は上げない」事を掲げていたのである。それは「普天間基地の移設先は少なくとも(沖縄)県外」とは違って「鳩山民主党党首の個人的約束」ではすまなかったはずだ。麻生首相(当時)との党首討論でも明白に断言している。
 
党首討論に寄せて1: http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29370876.html
党首討論に寄せて2 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29370883.html
  http://www.nicovideo.jp/watch/sm7922591
  
 民主党の先の衆院選マニュフェストひっくり返しは、ガソリン税から消費税まで数多あるし、マニュフェスト以外の「約束」となれば遂に鳩山前首相を退陣に至らしめた普天間基地の移設先から、上記党首討論にもある対北朝鮮の船舶臨検法まで、それこそ無数にある。
 普天間基地のように端からするべきでない「約束」やできっこない「マニュフェスト」を勇を振るって反古にするのというのは、責任ある与党としてのなすべき事ではあろう。
 が、それを実施するには、先に掲げていたマニュフェストや約束を反古にする説明責任があろう。その説明責任さえ果たせないのならば、衆院を解散して総選挙し、国民にその前言撤回の信を問うのが筋と言うものだろう。
 
 私の知る限り、民主党は消費税値上げ論についての国民への説明責任を、全く果たしていない。「超党派で議論をはじめ」ようが、「今すぐ消費税を上げるわけではない」だろうが、「今後4年間くらい消費税を上げないのなんて朝飯前だ。」ではなくなり、「事業仕分けで子供手当ての財源なんて屁の河童」でもなくなったのだから、相応の責任があり、その責任は鳩山前民主党党首一人に帰せる筈も無かろう。
 
 国民に対する説明責任は果たさないまま、駐日米大使には、つまり対外的には、「国民も理解し始めている」と公言して仕舞えると言うのは、一体どういう神経か。
 
 首相交代で「V字回復」した支持率(*3)の上に、どっかりと胡坐を書いているように思うのは、私だけだろうか。
 
 無論、そんな事で支持率を「V字回復」させてしまう、国民の責任も、あるんだがね。
 
 如何に、国民。
 

<注釈>
(*1) 
あるいはひょっとすると、多くの国民は既に忘れちまったか、もっと酷い事に、鳩山前首相の統治下ですっかりDouble Thinkを身に着けて=洗脳されてしまったのではないかと危惧
 
(*2) 逆に言えば党としての案を出す前に野党と議論を始めると言う事。普天間基地移設案みたいに、いつまでたっても党としての案が出せない、と言う意味だだろうか。
 
(*3) これはこれで、アホかと思うがねぇ。国民よ。