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脳細胞を増殖? 北朝鮮で「スーパードリンク」開発と報道  http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100607/kor1006070700000-n1.htm
2010.6.7 06:59
 
このニュースのトピックス:世界仰天ニュース
 北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)は、脳細胞が増殖するという「スーパードリンク」の開発成功を宣伝している。30種以上の植物から抽出した60種類の「微量元素」を含み、抗酸化効果があるという。
 KCNAは、この飲み物が「予防と治療の両面から働きかけ、脳細胞を増殖させることで知力や記憶力の改善を助ける」としている。また、肌をしわや染みから守って美しくするほか、心筋梗塞や脳梗塞などの予防にも役立つ上、副作用もないという。
 製造したモランボン炭酸果汁合弁会社のマネジャーは、火力発電所や精錬所、医療機関で働く人に特に「有効」と話している。(ロイター)
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法螺も此処こまで徹底すると、むしろ清々しいね。
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 報じられているのは、北朝鮮が開発したと言うスーパードリンク。
 なにしろ、
 
1> 「予防と治療の両面から働きかけ、
2> 脳細胞を増殖させることで知力や記憶力の改善を助ける」
3> 肌をしわや染みから守って美しくするほか、
4> 心筋梗塞や脳梗塞などの予防にも役立つ上、
5> 副作用もないという。
 
と言うのだから凄まじい。
 これだけの事を、
 
6> 30種以上の植物から抽出した
7> 60種類の「微量元素」を含み、
8> 抗酸化効果があるという。
 
スーパードリンクで実現すると言うのだ。ドリンクと言うのだから、飲み薬なんだろう。
 当たり前ながら、私はそんな「北朝鮮開発のスーパードリンク」なんぞ、鳩山前首相のTrust Meか星占いほどにも信じない。ナチスドイツの宣伝大臣ゲッペルスの言葉「どうせ吐くなら、大きな嘘を吐け。国民は自分でも小さな嘘は吐くから、小さな嘘はばれる。が、大きな嘘は吐けないから、大きな嘘の方がバレナイ。」が想起され、それにしたって大きくついた嘘と言うより法螺に、寧ろ清々しさを覚えてしまうほどだ。
 
 上記報道を順に見て行こう。先ず1>でこのスーパードリンクは、予防にも治療にも効くと高らかに謳っている。なおかつ「どんな病気に効くか」を全く特定・限定していない。
 「ありとあらゆる病気の予防にも治療にも有効な万能薬」なんてものは、先ずありえない。少なくともそう主張する薬なり治療法なりには、大いに警戒すべきである。何らかの霊感商法なり詐欺である公算大であり、それが北朝鮮の親方赤旗ならばなおさらだ。
 
 2>も凄まじい。私の拙い医学知識では、脳細胞と言う奴は普通、増えない。それが増えると言うのは異常事態であり、脳細胞が癌細胞化した場合ぐらいしかありそうにない。無論、脳が癌に冒されたら、知力向上どころか生命が危ういはずだ。
 それをこのスーパードリンクが上記7>「60種類の微量元素」で実現していると言うのならば、その60種類の中には放射性元素が含まれていると考えるべきだろう。
 
 3>のしわや沁みに有効と言うのも良く判らない。いわゆる美白効果でもあるのか、新陳代謝を良くする事で表皮の更新を即すと言う意味か。
 4>ではどうやら循環器系に有効と言いたいらしく、脳梗塞心筋梗塞にも効くと言う。
 
 で、一番凄いのが5>、「副作用がない」と断言している。
 
 凡そ、薬と言うものは人体にとって異物であり、いかな良薬であろうとも、量を誤れば毒となりうるものである。それはいくらこのスーパードリンクが上記6>の通り植物起源であろうとも変わりはしない。
 「酪酸はオーガニック=生体起源だから人体に無害だ。」と言う主張は、Ady Gill号元船長( にして、そのAdy Gill号を放棄した男)シーシェパードのベスーンも為していた所であるが、それが真実ならば、毒蛇に咬まれて死ぬ奴なんて居ない筈だ。言うまでもなかろうが蛇毒は生体起源=オーガニックである。
 
 従って「副作用がない」と言う断言は、先ず確実に嘘である。
 
 なお、報道の最後の一節、
 
9> 製造したモランボン炭酸果汁合弁会社のマネジャーは、
10> 火力発電所や精錬所、医療機関で働く人に特に「有効」と話している。
 
と言うのは、他の報道では「火力発電所や精錬所、医療機関で働く人に試して効果があった。」となっている。
 こちらの報道ならば、まだ理解は出来る。人体実験のサンプルとなったのが「火力発電所や精錬所、医療機関で働く人」だったと言う事だから。「火力発電所や精錬所、医療機関で働く人」が特殊な人間集団であったり、特殊な労働環境にあるというのは一寸考え難く、( そりゃ、まあ、北朝鮮の火力発電所、精錬所、医療機関じゃ判ったもんじゃないが。)「特に有効」な理由が見当たらないからである。
 「医療機関で働く人」は兎も角、何だって「火力発電所や精錬所で働く人」が被験体になったのかは不明だが、北朝鮮では火力発電所や精錬所で働く人たちは特にお肌の美しさを気にするのだろう。( 言うまでもなかろうが、皮肉だ。)
 こんな荒唐無稽な「北朝鮮のスーパードリンク開発成功」を真に受けて、「偉大なる首領様・金主席万歳!」などと言ってしまえる輩が、朝鮮半島は勿論我が国内にも居るのかと思うと、「1984」に於ける真理省のキャッチコピー「無知は力である」を想起せざるを得ない。
 
 而して、自由に裏打ちされた知性こそが、その「無知の力」を打破し、蒙を啓くと言うことも。
 
 Freiheit in der Hand!
 自由を、我が手に。