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報じられているのは、火星探査を模擬した一種の人体実験。火星探査には結構な時間がかかり、この間宇宙船から外へは、船外活動以外は出ようがない。地球とのコミ乳ケーションも、距離による伝達時間の前には滞りがちなそんな閉鎖空間で、一体何事が起こるのかを確認する実験。
こいつはラットやチンパンジーでは、一寸代替出来そうにない実験だから、勢い人体実験となり、報じられるとおり6人の男が520日間、窓一つない閉鎖空間で生活するという。想像するだに過酷な実験となりそうだ。
こいつはラットやチンパンジーでは、一寸代替出来そうにない実験だから、勢い人体実験となり、報じられるとおり6人の男が520日間、窓一つない閉鎖空間で生活するという。想像するだに過酷な実験となりそうだ。
この実験の報道で思い出したSF小説がある。Eric Frank Russell の短編SF”A Little Oil”である。読んだのは随分前の話だし、手元に本も(文庫だった思う。早川SF文庫・・・だったかなぁ)ないので、またぞろ記憶を頼りに書くしかない。誤記誤解誤認識等あれば、ご指摘頂ければ幸甚だ。印象的な話なんで、大筋を外す事はないだろう(多分)。
時は未来、所は宇宙(*1)。長距離探査宇宙船の中。恒星間航行で長期間閉鎖空間に閉じ込められる長距離探査は、乗員にとって過酷な任務だった。この宇宙船は(確か)4人の乗員が居れば動かせるのだが、発狂やら自殺やらで、今残っているまともな乗員は5人。そのうちの一人、「天文学者」はどうも学者らしからぬし、専門知識もないんで余り乗員としては役に立たない。従って宇宙船の運用としては危機的状況なのだが、件の「天文学者」はそんな事は気に病む様子もない。やたらに冗談や人を笑わせる事が好きで、またそれらが得意な、変わった奴だ。
ナントカカンとかこの乗員で、故郷の星( 地球だったか、一寸自信がない。)に辿り着き、報告した主人公が知った、「天文学者」の驚愕の正体とは!・・・てな話。
ネタバラシになっては、Russel氏に申し訳ないので、その正体は明かせないが、言いたい事はその表題に隠されている。
この長距離探査は過酷な任務で失敗続き。報告した主人公は、「お前が思っている以上に良くやったのだ。」と上司に誉められる。それでも「あの奇妙な天文学者」が引っかかる主人公に、上司は一枚の写真を見せる。機械式時計の内部の写真で、「何が見える?」と上司は問う。
主人公が「ゼンマイと歯車の組合せ」と答えると、上司は、「それは間違っている。我々も間違っていた。それが長距離探査宇宙船失敗の原因だ。」と言う。
で、タイトルに繋がる。"A Little Oil"。意訳すれば「油一滴」或いは「オイルを一指し」と言うところか
先述の写真に写っているのは「ゼンマイと歯車の組合せ」ばかりではない。そのゼンマイと歯車をスムーズに動かし続けるのには、「ちょっびりの機械油」が必要だ。
長距離探査宇宙船を動かすのにも、やはり「ちょっびりの機械油」が不可欠であり、件の「天文学者」こそがその「機械油」の任を追っていたのだ。而してその正体は!!!・・・
時は未来、所は宇宙(*1)。長距離探査宇宙船の中。恒星間航行で長期間閉鎖空間に閉じ込められる長距離探査は、乗員にとって過酷な任務だった。この宇宙船は(確か)4人の乗員が居れば動かせるのだが、発狂やら自殺やらで、今残っているまともな乗員は5人。そのうちの一人、「天文学者」はどうも学者らしからぬし、専門知識もないんで余り乗員としては役に立たない。従って宇宙船の運用としては危機的状況なのだが、件の「天文学者」はそんな事は気に病む様子もない。やたらに冗談や人を笑わせる事が好きで、またそれらが得意な、変わった奴だ。
ナントカカンとかこの乗員で、故郷の星( 地球だったか、一寸自信がない。)に辿り着き、報告した主人公が知った、「天文学者」の驚愕の正体とは!・・・てな話。
ネタバラシになっては、Russel氏に申し訳ないので、その正体は明かせないが、言いたい事はその表題に隠されている。
この長距離探査は過酷な任務で失敗続き。報告した主人公は、「お前が思っている以上に良くやったのだ。」と上司に誉められる。それでも「あの奇妙な天文学者」が引っかかる主人公に、上司は一枚の写真を見せる。機械式時計の内部の写真で、「何が見える?」と上司は問う。
主人公が「ゼンマイと歯車の組合せ」と答えると、上司は、「それは間違っている。我々も間違っていた。それが長距離探査宇宙船失敗の原因だ。」と言う。
で、タイトルに繋がる。"A Little Oil"。意訳すれば「油一滴」或いは「オイルを一指し」と言うところか
先述の写真に写っているのは「ゼンマイと歯車の組合せ」ばかりではない。そのゼンマイと歯車をスムーズに動かし続けるのには、「ちょっびりの機械油」が必要だ。
長距離探査宇宙船を動かすのにも、やはり「ちょっびりの機械油」が不可欠であり、件の「天文学者」こそがその「機械油」の任を追っていたのだ。而してその正体は!!!・・・
上記の報道によれば、今回の実験に参加している男性6名はボランティアであり、「ロシア人3人、イタリア人、フランス人、中国人各1人」の構成だと言う。
まだ最初の人体実験であるし、今回の実験で"A Little Oil"任務に当たる「天文学者」が乗り込んでいるという公算は、極めて低そうではあるが、実際の火星探査には、"A Little Oil"が必要なのではないかと、私には思われる。
我が国では「無用の用」とも表現する。
まだ最初の人体実験であるし、今回の実験で"A Little Oil"任務に当たる「天文学者」が乗り込んでいるという公算は、極めて低そうではあるが、実際の火星探査には、"A Little Oil"が必要なのではないかと、私には思われる。
我が国では「無用の用」とも表現する。
<注釈>
(*1) ってぇのは、NHKアニメ「キャプテン・フユーチャー」のオープニングだな。