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(3.)「ジャーナリストの民主主義精神を疑う」のには同意する。しかしながら・・・
 
 上記、内橋克人氏の論説に対し、先ず「ジャーナリストの民主主義精神を疑う」と言う点で賛意を表そう。ジャーナリスト、マスコミの本来の機能の一つが、国民の無知蒙昧を啓き、社会の木鐸として然るべき警鐘を鳴らすことがある。容易な事ではないし、しばしば理想とは程遠いものがあるが、ジャーナリスト・マスコミに期待される機能として厳然としてある。
 厳然としてあるがやはり「理想とは程遠い」のが特に日本のジャーナリスト・マスコミであり、その点で内橋克人氏に同意する。( 章題の通りである。)
 
 以上のように総論は賛成するのであるが、個々に分析していくと賛成しかねる点が多々ある。
 例えば上記[2]で言う「政権交代当初からイデオロギーむき出しで現政権を批判していた」新聞とは恐らく産経新聞のことであろうが、当ブログもまたイデオロギーむき出しかどうかは兎も角、政権交代当初どころか先の衆院選挙以前に遡って民主党を非難し続けてきたのである。
 それを上記[3]の通り「対米追従者の陰謀」呼ばわりするのであるならば、当ブログもまたその「陰謀」の片棒を担いでいると非難されているものと見なければならない。
 つまり、当ブログの管理者たる私が「対米追従者」なる者であると自認しない限り、党ブログは、内橋克人にけんかを売られていると、考えざるを得ない。
 
「確かな野党が必要です」 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/21191827.html  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/17433995.html
「続・確かな野党が必要です」http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/24527645.html
国民よ、我を絶望させるか   http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29478927.html
失望すれども絶望せず  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29478927.html
 
 で、私自身は愛国者であると自認するし、日米安保条約を支持する者であるとも自認するが、「対米追従者」なんてレッテルは有り難くないので、このけんか、買わざるを得ない。
 
 一度は尊敬したと言ってよい経済評論家・内橋克人。相手にとって、不足は無い。
 いざ、尋常に、勝負、勝負。
 
 上記[4]~[6]で「昨今マスコミの現政権非難偏向報道」の一例として挙げられているtのは、昨年12月のCOP15直後、クリントン長官が駐米日本大使を呼び出して「鳩山首相がCOP15晩餐会にて普天間基地移設問題延期についてクリントン長官の理解を得た。」と公言したことに抗議した事件である。当ブログの普天間基地移設問題シリーズで言うと(48)~(53)にあたる部分であり、記事で言うと以下のものになる。
 
 
 確かに当時の報道が「駐米日本大使が呼びつけられた」「異例だ」と大々的に報じられている事がわかる。だがその一方で、「呼び出し報道」を否定する記事も記録されている。少なくとも「日本のマスコミは報じない」とは言いかねるようになっている。
 尤もこのあたりは、マスコミの常套手段であるアリバイ作り、「センセーショナルな記事は一面トップに大きく。お詫びや訂正や謝罪は奥の方で小さい記事で。」である可能性は否めない。
 が、「現政権に対するネガティブキャンペーンであり、偏向報道の事例だ。」とする内橋克人の主張は、一部なりとも崩れる事になる。
 
(53) 平成21/12/24(木) 米国務次官補:大使「呼び出し」報道を否定   http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20091224rky00m040003000c.html
 更に言えば、上記[6]の通り「呼び出されると自ら赴くのは大違い」として「マスコミの偏向報道」を糾弾するブログ記事も記録されている。内橋克人の同調者なり同志であるわけだが、果たしてそれは、「有意な大違い」であろうか。
 
 本質的なのは、COP15でクリントン長官と会談した鳩山首相が、得ても居ない「普天間基地移設問題延期に対する理解」を吹聴したこと( 普天間基地移設問題シリーズ(48)参照)では無いか。
 「得ても居ない」は少し言いすぎかも知れない。が、上記「普天間基地移設問題シリーズ(48)」では明らかに「普天間基地移設問題の解決延期( と言っても当時は、「H21年内決着の延期」だったのだが。もうH22年も4ヶ月過ぎようとしている。しかも、日本政府案一つ未だに無い。 )に対する米クリントン長官の理解」であったのが、上記一連の駐米日本大使―クリントン長官会談の後の報道( 普天間基地移設問題シリーズ(52)参照)では「日米同盟はお互いに大事だと言う理解」に化けてしまっている事から、少なくとも「得たと明確には言い難い理解」を吹聴した事になる。
 
 つまり日本国首相鳩山由紀夫が、米クリントン長官の「理解を得た」と言う都合の良い法螺を吹いたと言う事は、私には自明に思えてなら無いし、そんな法螺に対し米クリントン長官が怒るのは無理もないとも思う。そう思うのが「対米追従」だとは思わない。普通の常識だろう。
 その怒りを伝えるのに、駐米日本大使を呼び出したのか、自ら赴いた機会を捉えたのかは、些事である。これを「呼びつけられた」「異例だ」と報じたのはセンセーショナルが過ぎたかも知れない。
 だが、逆にたずねたいのだが、果たしてこのクリントン長官―駐日米大使会談をマスコミが淡々と小さな記事でしか報じず、「クリントン長官の怒り」なんてのも公表されなかったら、果たして鳩山首相及び現政権は「クリントン長官から得た理解」を訂正公表などしただろうか。私には甚だ疑問に思えるし、それは即ち鳩山首相と現政権が、私利私欲のためだけに法螺を吹き、法螺がばれるまではシラを斬り続けただろうと言うことだ。それは私には、現状よりも酷い状態に思えてならない。
 内橋克人の言う「対米追従で無い、現政権非難で無い、偏向で無い報道」は、その事態の悪化を招きうるのではないか。
 
 上記[7]~[8]、偏向報道のもう一例は、ワシントンポストの鳩山首相を揶揄した記事である。これは最近なので記憶に新しい。
 確かに自国の首相を悪し様に言う外国報道を右から左に流すマスコミと言うのは可也みっともないものである。また、この記事が非礼に当たるというのも同意する。
 だが、困った事にこの記事、非礼ではあるが、的を射ているのである。下記記事にもした通り、当ブログでは「4勝1敗1分」でワシントンポスト紙の勝ち越しと判定している。もとより、当ブログはマスコミではないし、私も唯のブロガーでジャーナリストではない。であるが故に「記事の横流し」の見っとも無さは、内橋克人の許容範囲であろうと推測するが、これが現政権非難の偏向報道であろうか。
 
鳩山の幸運=日本の不運―ワシントンポスト紙、鳩山首相を酷評    http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32331564.html
 
 「自ら記事を書こうとしないのは、ジャーナリストの怠慢であり自殺。」と言うのは肯定できる。
 が、「現政権に批判的な記事を横流ししているから偏向報道だ。」は首肯できない。むしろ、自ら筆を取っての現政権批判記事よりも、無責任であるだけに影響力の小さな記事になるだろう。偏向報道の目的が、偏向傾向の助長であるならば、自ら影響力を小さくする「外国記事の横流し」は「偏向報道の自殺」に他ならない。無論私としては、偏向報道にはドンドン自殺して頂きたいのだが。
 では残りの[9][10]はどうだろうか。
 
 [9]は我が敵・小沢一郎が主張するところの二大政党制と言うことであろう。そこまで言わずとも、半永久的とさえ思われた自民党政権よりも、これに交替し得るような強力な野党による「政権交代可能な政党制」であろう。これが一種の民主主義的理想状態であることは私も同意する。
 だが、昨年夏の衆院選挙結果「政権交代」が「民主主義の萌芽」であるとは全く認めない。理由は民主党が、現政権が、国家に不忠なる党の集まりであり、野党としてすら大いにその存在意義が無い党であるのに与党になって政権をとるなどとんでもない事だと、私が考えるからだ。
 今の民主党を二つに割ったら、ひょっとしたら片方はまともな「国家に忠良なる野党」になり、「政権交代可能な政党制」が可能かも知れない。
 だが、今の民主党は、国家に不忠なる与党であり、正しく民主主義の悪夢である。
 上記[10]には章題の通り、私も内橋克人に同意する。
 
 但し、内橋克人の言うこの民主主義は非常に胡散臭い。

(4.)内橋克人のダブルスタンダードを糾弾する!
 
 内橋克人の言う民主主義が何故胡散臭いかと言うと・・・・
 諸兄よ、想起されたい。先の衆院選挙以前からつい最近に至るまで、マスコミ全体が「現政権を非難する偏向報道」どころか、民主党、鳩山由紀夫、転じては現政権、鳩山首相に対しベタベタの大甘の偏向報道をガンガンに行っていた事を。
 
 前記ラジオ番組における内橋克人の[偏向報道非難=民主主義の喚起」は、上記マスコミの民主党・鳩山由紀夫・現政権擁護の偏向報道にはただの一言も触れず、「昨今の現政権非難」だけを取り上げて「民主主義の危機」などと称しているのである。
 故に内橋克人の「偏向報道非難」「民主主義の強調」はダブルスタンダード以外の何物でもないと非難する。
 
 鳩山首相級の鳥頭で無い限り、「忘れた」とは言わせない。自公政権時代、同じ「方針の転換」であっても自公政権「当時」の場合は「ブレた」「ブレた」と囃し立て、民主党の場合は「進化だ」「現実路線への転換だ」と誉めそやすダブルスタンダードを当時のマスコミは堂々と適用していた。これ即ち当時のマスコミによる偏向報道であり、左様な偏向報道は看過しながら昨今の「現政権非難」のみ偏向報道と非難するのは、今度は内橋克人のダブルスタンダードにして、自ら実践している偏向報道である。
 
ブレもしなけりゃ進化もしない。-民主党のインド洋給油法に見る安全保障感覚の致命的欠如-      http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29192710.html
 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29192719.html
 
 故に、此処に警告する。
 先述のNHK放送に見られる限り、内橋克人は、民主主義の敵である可能性が高い。
 
  Freiheit in der Hand!
  自由を、我が手に。