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 さて、普天間基地移設問題を国民のどれぐらいが報道を追っているかは甚だ疑問ではある。何しろ一定の関心を持っている私ですら、日本語の報道を追うのに追いつかず、メモを放置するばかりなのだから、よほどの暇人か強靭な意思か、或いは同問題を追うことを生業=飯の種にでもしていない限り、
 が、それでも一般的に同問題に対する一定の関心は出て来たようではあり、だからこそ首相自ら「マスコミが報じるから普天間基地問題は大きくなった。」と言わんばかりの発言が飛び出すのだろう。
 尤も、「関心が出て来た」と言ってもそこは戦後平和教育の霊験あらたかなる国民(※1)の事。ともすると「普天間基地の移設先は沖縄県内か県外か」とか「基地負担の軽減或いは分担」などと言う枝葉末節である瑣末な議論に走りがちではある。
 
 一方、鳩山由紀夫の発言など鳩の羽毛ほどの価値もないことはほぼ明らかになりつつあるが、そうは言っても日本の首相であり、自衛隊三軍の最高指揮官。(※2)発言は軽かろうとも一旦その発言が合意文書や決定や命令文となってしまったらそれはもう「発言が軽い」などと評するレベルではないのは明らかだ。なおかつ、日本国首相と言う立場が種々の決定・合意・条約などに対する決心・決断を必要とする事は余りにも明白だ。
 
 それでも第2回日米首脳会談の日米合意、即ち(1)普天間基地移設問題は早期に解決しよう。 (2)そのための日米作業部会を早々に立ち上よう が”Trust Me!”宣言とも共々いかなる事になっているかを考えるととてもじゃないが安心などしては居られないのだが。
 そもそも私は、鳩山由紀夫の正気からして疑っているのであり、彼が日本に対する侵略者である可能性さえ真剣に考えている。(※3) 
現民主党政権は侵略者である  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32148836.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32148843.html
 しかしながら、たとえ首相が外国から来た日本に対する侵略者でなおかつ狂人であったとしても、日本国首相として下した決断や公式な発言は少なくとも一定期間有効であるのは、唯一代限りの社民党首相・村山富市の村山談話が現在に至るまで影響している(※4)事例を想起しても明らかだろう。

<注釈>
(※1) そうでなければ、3党連立予定政権の共通公約に安全保障策が盛り込まれてすら居ないと言うのに、これを選挙で大勝させて政権与党とし、「政権交代」を実現させ、ついでに私を絶望させかけた「国民の選択」が説明できない。
 失望すれども、絶望せず1-衆院選自民惨敗民主大勝を受けて-  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29646281.html   
 
(※2) 最高指揮官。最高指揮官。最高指揮官なのである。自衛隊にだって将官は居るから、その将軍達よりも偉い、どころかその将星たちに命令しちまえる立場なのである。
 
(※3) それ故に、文民統制をチェックする何らかの対策、米憲法の革命権のようなものが必要ではないかと考え始めている。
 
(※4) 最近は、鳩山由紀夫によるダイレクトヒットダメージが大きいので、影がかすんでいる。
 
(1.)決断しない男―鳩山由紀夫
 
 その「外国より日本を侵略しに来た狂人かも知れない」鳩山(それもやっぱり)首相が求められている決心決断の一つが、普天間基地移設問題の解決であるはずだ。その解決に鳩山(しぶしぶ)首相が職を賭けるんだか賭けないんだかに関わらず、その決断は迫られる。それが日本国首相と言う職責であり、より一般的にはリーダーに求められる事だ。
 
 しかしながら今までに鳩山由紀夫が普天間基地移設問題に付いて決定してきた事といえば、年代順に以下の通りだろう。
 
 ① 普天間基地の移設先は現行日米合意=辺野古海上案以外を検討する。(昨年夏衆院選時の民主党マニュフェスト)
 ② 普天間基地の移設先は「少なくとも沖縄県外」を目指す。(マニュフェストに成文化したのは上記①だが、選挙期間から現在に至るまで、この「目指す気持ち」は、常にあることになっている。気持ちだけで、行動がないだけである。)
 ③ 第2回日米首脳会談にて、【1】普天間基地問題の早期決着【2】前記【1】のための日米作業部会を立ち上げる ことについて日米で合意した。
 ④ 上記③の日米合意の前提を、米側は「現行日米合意の履行」と考えていた筈だが、そうではなく、「現行日米合意を前提としない。」と日米首脳会談の翌日に発表する。
 ⑤ 当初考えていた、普天間基地移設問題の決着をH21年末から延期する。(※1)
 ⑥ 「3月末に政府案を決定する」としていたが、これを延期する。
 ⑦ 4月2日に政府の意思統一をした。
 ⑧ 「5月末に決着」
 
 並べ立てるだけで、力が抜けていくようなリストであるが・・・
 先ず⑧は現状である。現状でも、「3月末に政府案」が「法律に決まったわけではなく」「数日ずれても大した問題ではない」と称されつつ既に4月も終わろうというのに政府案が未だ無い。否、民主党案さえろくに見えないという状況下でもこの「鳩山由紀夫の決断⑧」は未だ有効と主張されている。何度も繰り返されているが、普天間基地移設先の地元も、沖縄も、米側も納得する決着と言う事になっている。鳩山由紀夫の賛成するような移設案だから、日本の安全保障なんて評価項目が入っているなんて全く信じられないが、そこは米側が歯止めになってくれると期待するほか無いようだ。
 尤も。「5月」の方は兎も角、「決着」の方は甚だ怪しい。と言うよりも私は先ず絶望的だと見ているし、そう見るのが常識的な見方であろう。3月末までに政府与党3党間の調整だけやれば兎に角出せるはずの政府案すらまとめられなかった現政権が、その上に沖縄とアメリカとの交渉と合意さえ必要になる決着を、今後1ヶ月でやれよう筈が無い。
 それを見込んでか( いや、きっと見込んだに違いない。)平野官房長官からは「5月末までに政府案ができればよい」などと言う腑抜けた( 但し、極めて現実的な)発言が飛び出し、鳩山由紀夫自身がその事を貴社に指摘されても否定はしないと言う一幕もあり、鳩山由紀夫が職を賭けたりかけなかったり、命がけとどう言う訳か(※2)評されたりする「5月末決着」も例によって例の如くふにゃふにゃのあやふやだ。
 
【鳩山ぶら下がり】普天間「混乱しているよう報道され…」(15日夕)  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100415/plc1004152117012-n1.htm
 
 即ち、上記⑧は「鳩山由紀の決断リスト」に入れはしたが、実質何も決断していない・
 
 それにつけてもわからないのは上記⑦である。以前にも記事にしたのだが、一体このとき何を同統一したのか、未だにサッパリわからない。
 「沖縄県民の思いが大事」とかナントカ、抽象的お題目が「決まった」のだろうか。だとしたら、そんな抽象的な御題は「5月末決着」には全く何の役にも立たないという事が何故わからないのだろうか。
 何れにせよ上記⑦もまた「鳩山由紀の決断リスト」に入れはしたが、中身は全然わからない。
 
何を統一した「政府意思統一」?-普天間基地移設政府案崩れる(或いは最初からなし)   http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32271744.html
 
 上記⑥と⑤は確かに決断である。但し「延期する」と言う決断であって、この決断によって問題解決には唯の半歩も近づきはしない。
 
 上記④もまた決断ではある。が、上記③を反古にする決断であり、③と④の感覚が殆ど内と言う事は、第2回日米首脳会談当初から上記④を決しておいて、上記③徒言う日米合意を出したという事を強く示唆している。つまり、私が「鳩山由紀夫はTrust Meと言ってオバマ大統領をペテンにかけた。」と評する所以である。
 即ち、上記③と言う決断は、虚偽虚構であった公算大である。
 
 上記②は上記①の成文化されたマニュフェストを強化発展させた決断であり、上記③で米側が前提としていたと鳩山由紀夫自身認識していた「現行日米合意=辺野古海上案}と明らかに反する。言い換えれば、上記③の日米合意は民主党マニュフェスト②違反する公約違反であり、鳩山由紀夫はそれを承知で上記③日米合意に同意しつつ、翌日に上記④の通りひっくり返して「公約を守った」のである。
 
 以上からすると、鳩山由紀夫が先の衆院選挙以来普天間基地移設問題に対して決断・決定したのは実質①と②のみ。なかんずく本質は②であろう。
 
 であるならば、鳩山由紀夫が普天間基地移設問題に対して決断・決心したのは先の衆院選挙以前の選挙期間中が実質最後であり、以降に日本国首相に就任しようとも、実質全く決断・決心・決定していないのである。
 

<注釈>
(※1) 上記③の日米首脳会談時にはいつと考えていたのかは非常に重大な問題だが。Trust Meを翌日にひっくり返してしまった事の陰に隠れてしまって追求されない。
 
(※2) 「職は賭さないが命は賭ける」? 辞職はしないが職にとどまったまま自殺自決はするという事か? トテモ信ジラレナイ。