中国製ギョーザ中毒:中国人逮捕 中国会見要旨  http://mainichi.jp/select/world/news/20100329ddm007040042000c.html
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 報じられているのは、中国製毒餃子事件の「犯人」特定及び拘束を受けて、中国政府の公式見解。「中国公安省の杜航偉・刑事偵察局長が28日、一部日本メディアとの会見で発言した要旨」だそうであっる。「刑事偵察局長」と言うから、それ相応の地位の人なのだろう。( それにしても、「刑事」は兎も角、「偵察局」ねぇ。中国らしいと言えば、中国らしいが。)
 
 会見に臨んだ「一部日本メディア」が「日中友好に積極的な( つまり新華社通信に準じるような中国追随の)一部(*1)」であろう事は想像に難くないが、ひとまずそれは置こう。
 
 本報道及び以下の記事にもある通り、今回の犯人特定は、自宅で本事件の報道を見ていた容疑者が、妻に対して犯行の「自白」をしたことが発端であり、その後の調べで犯人は犯行を自供し、自供どおりに凶器である注射器も出てきたとされる事から、この「容疑者が犯人」で確定と、一応なっている。
【毒ギョーザ逮捕】「おれがやった」で特定 自宅で妻にうっかり漏らす  http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100328/crm1003281911010-n1.htm
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 中国政府の公式見解は、以下のように報じられている。
 
1> 製品に注射器でメタミドホスを混入させた。
2> 一定の時間がたっても工場内で混入が発覚しなかったため、10月下旬と12月下旬にも同様の方法で犯罪行為を重ねた。 
 
 動機については以下の通り、会社=天養食品に対する恨みであると報じられている。
 
3> 正規従業員との給与格差が非常に大きいため、正規従業員になりたいと希望した。
4> だが、それがかなわず、会社に不満を抱いた。
5> 容疑を認めている。共犯はいない。

として、他に共犯はいない単独犯であり、この呂容疑者特定・拘束したことで事件は終結するかのように見える。
 
6> 呂容疑者は現在、非常に後悔している。
7> 彼は工場に対する報復のための行為が日本や中国の消費者の中毒を引き起こすとは思っていなかった。
 
 さて、お気づきだろうが、あれこれ奥歯に物が挟まったような言い方(書き方?)をしているのは、私が中国政府の公式発表なんてものを、眉に唾つけないで聞くことができないからである。
 都合の悪いことは黙っているし、都合の良いことしか言わないのはまだしも、しばしばいかに不合理不条理破天荒荒唐無稽であろうとも、平気で嘘をつけるのが中国人であり、なかんずく中国政府だ。
 
 上記の報道で言うならば、まず2>と7>の矛盾を挙げるべきだろう。
 この容疑者が会社に恨みを抱き、その製品である餃子に毒=メタミドホスを注入した(と言う)。この時点ではまだ容疑者の望みは、毒が注入されたことが餃子の検査段階で発覚し、会社が打撃を受けること、だったかも知れない。つまり毒を注入したとしても、殺人未遂で終わることを、この時点では期待していたかもしれない。
 だが、上記2>の通り、毒の注入は発覚しなかった。「そこで容疑者は再度犯行に及んだ」と淡々と上記2>は述べている。
 
 一寸待て。
 
 毒を注入され、発覚しなかった餃子は一体どうなったと思っているのだ。
 無害な食品として出荷され、市場に出回った、この場合は日本へ向けて輸出されたに決まっているではないか。即ち、殺人は執行されてしまうのだ
 であると言うのに上記7>では「日本や中国の消費者の中毒を引き起こすとは思っていなかった。」とぬけぬけと抜かしている。
 
 「中国の消費者」はそうかも知れない。元々この餃子は日本向けの輸出品だし、それが今回たまたま中国の消費者のに被害を及ぼしたのは、安全のため天養食品が回収した製品を、横流しした者がいたからだ。従って、そんな「危険な証拠物件を横流しする天洋食品関係者」を犯行当時に想定できなかったと言うのは、妥当な推定だろう。
 だが、日本向けの餃子に毒を混入して、発覚しなかったのだ。この容疑者が鳩山首相級の鳥頭でない限り、「日本人に被害がでる」と言うのは当然想像できた事象だ。
 従って、上記7>は極めて疑わしいまたはでっち上げである。
 となると、上記6>だって、公式発表がそうなっているだけと考えるべきだろう。
 
 更には、メーカーである天洋食品が下記報道のように証拠隠滅を図っている公算大であるのに、単独犯と言うのは全く理解できない。共犯ではないかも知れないが、事後に隠蔽を図った可能性がそうとうにある。
 それとも工場に依る証拠隠滅のほうは、罪にならないのか、中国では。

中国毒ギョーザ:発覚直後に在庫を投棄 天洋が証拠隠滅か  http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/03/28/20100328k0000m040098000c.html
 
 いいや、それどころではないだろうな。
 
 中国では、この毒餃子事件を工場ぐるみではなく、政府ぐるみで証拠隠滅・隠蔽を図っている。そうでなけらば、「メタミドホスは包装のビニールを透過する」と抜かし、「中国国内でメタミドホスが入れられた可能性はない」などと豪語する理由がない。百歩譲って前者に明確な科学的根拠があっても、それは後者の十分条件でないというの言うのに、かような強弁=嘘を厚顔無恥にも( そもそも、中国人には「恥」の概念がない、または酷く薄いのだから、厚顔無恥なのは当たり前だが。)行う筈がない。
 
 それが叶わなくなったのは、その毒入り餃子の内中国内で回収した商品が、再び中国市場に出まわって、もとい、回収した商品を横流して売る奴がいた「おかげ」で、中国国内にも毒餃子の被害者が出、なおかつこの件を報道管制・情報統制できなかったからだ。
 
天網恢恢疎にして漏らさず   http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/14359504.html
 
 大間抜けなことにと言うか、案の定と言うか、鳩山首相は今回の毒餃子事件犯人特定・拘束に対し、「中国の努力を評価」して見せている。
 
【毒ギョーザ逮捕】鳩山首相「中国の努力評価」 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100327/plc1003271033004-n1.htm
 
 この容疑者逮捕で、中国当局は本毒餃子事件の幕引きを図るだろうし、間抜けな鳩山首相と人民解放軍野戦司令官殿率いる民主党は、嬉々としてこの幕引きを受け入れるだろう。
 
 だが、ありもしない「科学的データ」を取り上げてまで、企業ぐるみ、政府ぐるみ、毒餃子事件を隠蔽しようとした、中国政府、中国メーカー、中国人の行動を、傾向を、我々は、忘れるべきではないだろう。
 
Remember Them!
 
 「回収した、毒が入っているかも知れない餃子」を横流しして儲けた中国人(殆ど確実)については、どう評価すべきか迷うね。
 
 この(多分)中国人のおかげで、毒入り餃子事件は、「迷宮入り」を免れたんだから。ある種、「日本の恩人」である。
 こっちの方こそ企業ぐるみかもしれないな。
 

<注釈>
(*1) そりゃ「大部分」か。