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 報じられているのは昨年夏の衆院選挙の結果下野させられてしまった自民党の憲法改正要点整理。
 政権与党の座に長い事あり、当初は掲げていた筈の憲法改正が遅々として進まない内に野党の地位に追いやられた自民党で在るが、そんな逆境が自民再生の機会となってくれと、民主党及び現政権に対し憤懣やるかたない私なぞは思ってしまう。
 自民再生がならなければ、利益誘導に依る我が敵・売国奴・小沢一郎の暴走に歯止めがかけられないと考えるからでもある。少なくとも、今の民主党の惨状を見る限り、鳩山首相が退陣する事はあっても、小沢一郎を追放して自浄能力を発揮するなど、想像する事さえ難しい。
 報じられる「憲法改正の論点整理」を見る限り、「民主党の支持率低下が、自民党の支持率上昇に繋がっていない」だの「政治と金の問題はじめ、民主党の敵失を有効に活かしていない。」とか言われる( 多くのマスコミが、小沢一郎に対してはある程度批判的になった今でも、民主党とその「政権交代」には未だ大甘であり、自民党にとっては「逆風」である事は斟酌する必要があるだろう。)自民党に、希望の光は見出して良いように思われる。
 
 報道と重複するが、以下にその「要点整理」を列挙しよう。論じやすいように各要点には()番号を附した。

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 第1 総論
(1) 一、憲法改正国民投票法の有権者が18歳以上になるため、少なくとも高校で憲法を学ぶ必要がある
(2) 一、「日本らしい日本の確立」のために自民党が主張する憲法改正の柱の明確化
(3) 一、憲法改正要件を規定する96条の改正から、憲法改正の行動を起こすべき
(4) 一、国旗・国歌の規定を置くべきか
 第2 各論
(5) 一、象徴天皇制を維持した上で、天皇が元首であることを明記するか
(6) 一、天皇の国事行為に「承認」の文言は不要
(7) 一、国家としての安全保障をどう表現するか。集団的自衛権と国家の同盟関係のあり方を再検討
(8) 一、民主主義国での兵役義務の意味と、軍隊と国民の関係を検討する必要があるのではないか
(9) 一、外国籍には国・地方を通じて参政権を有しないことを明記するか
(10) 一、一院制・二院制の是非を検討
(11) 一、軍事裁判所の必要性
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 先ず、「要点の整理」であるから「論点を抽出して、是非は明記していない論点」もあるのが特徴だろう。(4)は「規定を置くべきか」であるし、(5)(9)は「明記するか」になっており、憲法として成文化するか否かを含めて議論の対象としている。
 また、(6)で天皇の国事行為を取り上げているのは、先に発表された現政権の「天皇の公的行為について」の政府見解や、昨年末に「日中友好のために」強行された習ナントカに対する天皇陛下御引見に対する自民党としての反論であろう。それも「「承認」の文言は不要」とし、「内閣は、天皇の公的行為が憲法の趣旨に沿って行われるよう配慮すべき責任を負っている。」とした現政権とは一線を画していると言って良かろう。
 
 特に注目すべきなのは、日本の安全保障に関わる(7)(8)(9)それに(11)だろう。事に(9)では外国人の参政権に付いて、憲法に明記するか否かは議論の対象であるものの「国・地方を通じて参政権を有しない」と明確に断言している。
 今国会の法案成立は辛うじて回避したものの、未だ外国人に参政権を与え、我が国の主権を売却する気満々である民主党や、ポーズだけの「国際派気取り」で外国人参政権に賛成してしまうような軽重浮薄な無責任もしくは売国野郎との決別であり、「朝日新聞が調査した6割」の反発を買うことはあっても「産経webに投票した97%」の支持を得る政策である。
 自民党が保守再生の核となるためにも、「外国人に参政権はない。」と憲法に明記するまで、突き進んで欲しいものである。

 (7)は安全保障をどう憲法に盛り込むかと言う問題。突き詰めれば「憲法9条」をどう改訂するか、と言うことだろう。「憲法上あるのだけれど使えない」と言う奇妙奇天烈な政府見解になっている集団的自衛権にも踏み込んでおり、政権与党時代の自民党では端的に言って等閑に附されていた一大宿題である。
 自民党が下野した現状の方が自由な議論が出来、明快な方針を出せるならば、これぞ正しく「災い転じて福と為す」事ができる。大いに、自由に議論し、再検討される事を期待する。

 (8)は社民党あたりからはヒステリックな声が聞こえてきそうではあるが、「軍隊と国民の関係」もまた与党時代の自民党が全く着手しようとしなかったところ。先の北沢防衛相による自衛官に対する言論思想弾圧や(北沢防衛相、言論と思想の自由を抑圧 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31704221.html  )    田母神空幕長更迭劇に見る民主主義の危機( 田母神論文を巡る自衛隊に対する思想統制についてーマスコミが、民主主義の危機を引き起こそうとしている怪ー    http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/19629370.html   )を回避するためにも、大いに検討する必要があると、私は主張する。
 勿論、田母神空幕長が更迭されたのは、麻生政権(自公政権)時代であり、彼の更迭は麻生政権屈指の大失策だと私は考えているが、その失策を取り返すためにも、我が国の軍隊=自衛隊と国民の関係を、明確にすべきであろう。
 
 (11)もまた、戦後長い事放置されてきた自衛隊の臨戦態勢の問題であり、やはり能天気極まりない社民党や、多分、鳩山首相からも「反発」なり「攻撃」なりが予想されるところだが、逆にそれだけに自民党にとっては大いに争点たりうる問題。しかも(11)では「軍事裁判所の必要性」と言い切っている。
 「流石は自民党の安全保障政策。共通公約に安全保障政策が盛り込めなかった現政権とは違う。」と唸らせられる。( そんな現政権を選挙で「選び」やぁがった、「国民の愚かさ」を痛感しつつ。)
 「軍事裁判所」とは世界的には「軍法会議」と言う奴であろう。それが必要とは「軍法が必要」と言うのとほぼ同義である。世間ならぬ世界一般では軍隊と軍法≒戦時法は不可分であり、例えば敵前逃亡や敵前反抗のような、戦時戦場では絶対に許されるべきでない罪を銃殺=死刑などの厳罰で取り締まるのが軍法会議であり軍法であると言うのは「壁の東西」を問わない。
 この軍法及び軍法会議が、我が国、我らが自衛隊三軍にはない。自衛隊で敵前反抗しても敵前逃亡しても、職場放棄で罰せられはしても、精々首になるだけで、絶対に銃殺=四系にはならないのが現状だ。それでも高い士気と高い能力を保っていると言うのは特筆大書に値するし、その事で、私は大いに我が自衛隊を誇りとするものであるが、そんな特殊状況を何時までも期待するわけには行かない。
 
 全体的に言って、憲法改正は自民党が「長い事抱えてきた戦後の大宿題」と言え、今回の憲法改正論点整理は、特にその中でも致命的に重要な安全保障に関する宿題を的確にまとめていると、私は考える。
 
 これらの論点を大いに議論し、以って自民党再生の礎として頂きたい。
 
 我が国の安全と繁栄、それに我らが魂の自由のために。
 
 Freiheit in der Hand!
 自由を、我が手に!