名護市長選の投票が先の日曜日に実施され、その結果名護市辺野古「キャンプシュワブ」への普天間基地移設に反対する稲峰氏が当選したそうである。
 同氏は選挙に勝利しての第一声でも「基地を作らせないことを公約して来た。」と言い、基地移設反対を高だかと掲げている。選挙結果事態は現職にして基地移設容認派の島袋市長との差が僅差ではあるが、たとえ一票差でも勝利は勝利。今後、稲峰氏が急病なり急死なりに陥り、職務に適せない状況にならない限り、同氏が新たな名護市長に就任し、「公約」通り「基地移設反対」を実行する事だろう。各マスコミの報道が、「これで普天間基地移設問題の現行日米合意に沿った解決は難しくなった。」とするのも、故無しとはしない。
 

1.名護市長選結果―予想される今後―

 私が当ブログで普天間基地移設問題を本格的に取り上げてから、以下の記事にその経緯やらコメントやらをまとめてきた。
 
鳩山首相の精神状態を疑う http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30632844.html
愚中の愚 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30819382.html
(1) 泰山鳴動鼠一匹 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30831957.html#30851028
(2) 変身、変心、また変針。http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30857751.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30857751.html
(3) The Untrustworthy Man-信じられぬ男- http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30869437.html
(4) さらに偏芯?http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30906546.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30906568.html
(5) I am watching the PROBLEM http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30918793.html
(6) 先憂後楽の対極 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30942878.html
(7) 協議は踊る http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31003530.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31003544.html
(8) 「話せば判る」は話による http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31082722.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31082760.html
鳩山首相の虚しい嘘http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31094016.html
(9) 普天間基地移設問題2009最終便(多分)http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091230/plc0912302209019-n1.htm
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31170215.html
(10) 普天間基地移設問題2009今度こその最終便 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31195036.html
(11) 普天間基地移設問題2010第一弾 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31277015.html
(12) 都合の良い「選択的忘却」http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31373714.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31373717.html
(13) 変心せずとも分裂す http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31463973.html

 さてこの経緯を改めて振り返り、今回の名護市長として基地建設反対派の稲峰氏が当選した選挙結果を受けて今後の沖縄を占うとすると、どうなるだろうか。
 
 私の結論は一言で済む。
 
 即ち、普天間基地は動かない。タイトルにもした通りである。
 
 米国政府の立場に立って考えてみれば、殆ど自明の事の様に私には思われる。元々アメリカにしてみれば、普天間基地を移設する必要性に乏しい事を想起すべきであろう。米軍の大改革のためにグアム基地へ機能を集中し、その一環として普天間基地の一部機能もグアムに移転する計画であったのは事実だが、その全てを移設出来ないからこその「普天間基地(の一部)の辺野古移転」と言う現行日米合意であったはずであり、辺野古以外に代替移設地を求めるにしても、海兵隊の軍事的要望は「「地上部隊とヘリの飛行時間で20分以内の近接距離に配置する必要がある」であるから、国外移設は愚か県外移設でさえ問題外だ。
 
 「沖縄の米海兵隊が抑止力として役に立つか否か議論の必要がある」などと言う間抜けな議論が、共産党は愚か一部マスコミにさえ散見されるが、少なくとも米海兵隊、米軍、さらには米政府の立場からすれば「沖縄の米海兵隊」は「抑止力として必須」であることは先ず間違いようが無いし、私自身もこの意見に賛同する。
 もしも沖縄から米海兵隊が出て行くならば、日本は沖縄に現状の米海兵隊以上の大兵力を配置する必要があるし、それは自衛隊の大幅拡張と防衛費の大幅増額を必須とする。それでもなお、バックに直接核兵器がない分、「沖縄に配置された米海兵隊」よりは抑止力で劣るのである。
 
 私がどう思おうが、沖縄県民や名護市民がどう思おうが、はたまた鳩山首相やその閣僚共が何を思おうが、「沖縄の米海兵隊は抑止力であり必須」とアメリカ政府が考える以上、アメリカとしては此処に海兵隊の駐留を継続しようとするのが当たり前である。
 普天間基地を日本に返還し、辺野古に移転すると言う現行日米合意は既にあるが、その前提である辺野古への移転が今回名護市長選挙の結果「困難」になったのは日本側の勝手な都合。辺野古への移転が困難ならば、米海兵隊としては普天間に駐留するほか選択肢が無いし、米政府もこれを支持する他無いだろう。
 普天間基地返還を約した現行日米合意の前提条件が満たされないのだから、普天間基地に「居座る」米海兵隊には、少なくともアメリカ側からすれば、天地俯仰に恥じる処が無い。
 
 普天間市民は普天間基地による危険に曝され続けるわけだが、それは名護市長や名護市民の与り知る所ではない。
 
 それとも鳩山首相は、「ユキオーバラク」と呼び合い、「Trust me!」と大見得切った相手のオバマ大統領ならば、何とかしてくれるとでも思っているのだろうか。
 そのTrustを。物の見事に裏切っておいて。
 そんなことは私なら、希望する事すらできはしない。
 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/31497963.html へ続く