2.「友愛ボート」構想にある諸々の問題点 にほんブログ村
さて、一読しただけで突っ込みどころ満載でどこから突っ込もうか迷うと「友愛ボート」構想だが、とりあえず片端から突っ込んでみよう(*1)。
①「自衛艦に民間人、外国人を乗せる構想」
一般的に軍艦と言うものはスペースに乏しく、その乗組員に対しても最低限のスペースしか割いていない。そこに民間人だの外国人だの、艦を動かすわけでもない余計な人間を乗せると言うのは容易な事ではない。それにこの人たちは紛争地域なり災害地域なりに手ぶらで出かけるわけではない。医療設備だの救援物資だのも積み込まねばならないし、人数が増えた分の食料飲料も必要だ。
「災害地域に行くのなら、武器は要らない。」と言う理屈は一応成り立つが、砲が主要兵器であった昔と違って、今の軍艦は広大な弾薬庫を持っているわけではないし、普通砲もランチャーも一朝一夕で取り外せるものではない。
それにそれらの武器弾薬も、紛争地域に行くのなら外す減らすわけには行くまい。
①「自衛艦に民間人、外国人を乗せる構想」
一般的に軍艦と言うものはスペースに乏しく、その乗組員に対しても最低限のスペースしか割いていない。そこに民間人だの外国人だの、艦を動かすわけでもない余計な人間を乗せると言うのは容易な事ではない。それにこの人たちは紛争地域なり災害地域なりに手ぶらで出かけるわけではない。医療設備だの救援物資だのも積み込まねばならないし、人数が増えた分の食料飲料も必要だ。
「災害地域に行くのなら、武器は要らない。」と言う理屈は一応成り立つが、砲が主要兵器であった昔と違って、今の軍艦は広大な弾薬庫を持っているわけではないし、普通砲もランチャーも一朝一夕で取り外せるものではない。
それにそれらの武器弾薬も、紛争地域に行くのなら外す減らすわけには行くまい。
防衛省はその「友愛ボート」に揚陸艦(*2)「おおすみ」を検討していると報じられている。
防衛省:友愛ボートに海自輸送艦「おおすみ」検討 http://mainichi.jp/select/today/news/20091117k0000m010140000c.html?link_id=RTH03
少なくとも災害派遣に関する限りは賢明な選択だと言えよう。元々揚陸艦なのだから、揚陸部隊に当てるスペースを、民間人なり外国人なりを載せるのに流用する事は可能である。
勿論、我が国の護衛艦に得体の知れないNGO=民間人や外国人が乗り込むというのは楽しい想像ではないが、観艦式にも動員されている艦であり、相応に対策は出来ない事もないだろう。
②「友愛ボート自衛艦を紛争地域や災害地域に派遣する」
一般的に軍艦は民間の船舶よりも速度が出る。その分燃料も食うのだが、速度が出る分民間船よりも早く現場に到着する事が期待できるのは事実だ。鳩山首相が「柔軟な使い方」と述べたときに念頭にあったのも、恐らくは自衛艦=軍艦の速度であろう。
が、乗せて行くのはNGOや外国人だという。何で外国人でなんでNGOなのかはまずは置くとしても、彼らは一体、何処に居るのだろうか。
紛争なり災害なり一朝事があってから募集でもするのだろうか。或いは特定のNGOなり外国人団体也を「友愛ボート乗組員」として予め指定し支持ありしだい指定の港湾に集結させるのだろうか。
いずれにせよ、その乗せるべきNGOや外国人が指定の港に集結するには相応の時間がかかり、「護衛艦の速度による早期到着早期救援」などと言う机上の空論を粉砕してしまうだろう公算は大である。
早期に到着、早期に救援を目指すならば、救援に赴く団体(それがNGOだろうと外国人だろうと、医療ロボット軍団だろうと)を予め指定・終結させておく方が「友愛ボート」として護衛艦をキープしておくよりも効果的である公算大である。
紛争地域となるとさらに話が難しくなる。こちらの場合こそ現地に赴くNGOなり外国人なりを予め用意しておかないと、何時になったら派遣できるかからしてあやしくなる。さらには、紛争地域に軍艦で乗り込む以上、紛争当事者との戦闘は起こるものと考えるべきであり、軍艦に充分な武装と明確な交戦規定を用意するというのが「グローバルスタンダード」であろう。
が、鳩山首相也、民主党なり、現連立政権なりにそのための交戦規定を設定する気概も勇気もあるとは全然思えない。だからこそ(⑤)「友愛ボートが戦闘を行う事は想定されていない」と私は断じているのであるが。
③「医療援助を行う。」
この医療援助を何処で行う心算かがまず問題になる。派遣された「友愛ボート」艦艇内で行うならば、その艦艇まで負傷者なり患者なりを大量輸送しないといけないのだが、その手段はどうするか。なるほど大概の護衛艦にはヘリ甲板があるし、「おおすみ」にはエアクッション艇を格納できる。少数の患者を迅速に輸送するにはどちらも良い手段だが、災害や紛争で発生するであろう多数の患者には非常に心許ない。
ではNGOなり外国人なりが揚陸し、陸上で医療援助を行うのだろうか。これは災害地域ならば一つの解だろう。だが紛争地域ならば、この者たちの安全確保が当然問題になる。私の考えうる対策は以下の通り。
(1) 少ない乗組員から陸戦隊を編成し、護衛につける。火器については艦載のものは数が少ない筈だから、別に予め準備をし、訓練も行っておかねばならない。
この場合、当然ながら陸戦隊が紛争当事者と衝突し、下手をすれば日本がその紛争に参戦してしまうから、少なくとも陸戦の交戦規定が必要である。さもないと、予想も予定もしていない開戦をしてしまいかねない。
(2) 輸送してきた火器をNGOなり外国人なりに渡し、自らの身を自ら守らせる。
日本のNGOには一寸出来そうにないが、外国人なら期待できるかもしれない。この場合、紛争当事国との戦闘が起こっても、民間人または外国人の戦闘であり、日本が紛争に巻き込まれる事は、直接的には回避できる。
(3) 「友愛ボート」で運ばれてきた、医療援助を行う者を、攻撃する者など居ない。(と信じて/断じて何も対策しない。)
(4) 交戦規定もあり、装備も充分な外国の軍隊を護衛として付ける。
防衛省:友愛ボートに海自輸送艦「おおすみ」検討 http://mainichi.jp/select/today/news/20091117k0000m010140000c.html?link_id=RTH03
少なくとも災害派遣に関する限りは賢明な選択だと言えよう。元々揚陸艦なのだから、揚陸部隊に当てるスペースを、民間人なり外国人なりを載せるのに流用する事は可能である。
勿論、我が国の護衛艦に得体の知れないNGO=民間人や外国人が乗り込むというのは楽しい想像ではないが、観艦式にも動員されている艦であり、相応に対策は出来ない事もないだろう。
②「友愛ボート自衛艦を紛争地域や災害地域に派遣する」
一般的に軍艦は民間の船舶よりも速度が出る。その分燃料も食うのだが、速度が出る分民間船よりも早く現場に到着する事が期待できるのは事実だ。鳩山首相が「柔軟な使い方」と述べたときに念頭にあったのも、恐らくは自衛艦=軍艦の速度であろう。
が、乗せて行くのはNGOや外国人だという。何で外国人でなんでNGOなのかはまずは置くとしても、彼らは一体、何処に居るのだろうか。
紛争なり災害なり一朝事があってから募集でもするのだろうか。或いは特定のNGOなり外国人団体也を「友愛ボート乗組員」として予め指定し支持ありしだい指定の港湾に集結させるのだろうか。
いずれにせよ、その乗せるべきNGOや外国人が指定の港に集結するには相応の時間がかかり、「護衛艦の速度による早期到着早期救援」などと言う机上の空論を粉砕してしまうだろう公算は大である。
早期に到着、早期に救援を目指すならば、救援に赴く団体(それがNGOだろうと外国人だろうと、医療ロボット軍団だろうと)を予め指定・終結させておく方が「友愛ボート」として護衛艦をキープしておくよりも効果的である公算大である。
紛争地域となるとさらに話が難しくなる。こちらの場合こそ現地に赴くNGOなり外国人なりを予め用意しておかないと、何時になったら派遣できるかからしてあやしくなる。さらには、紛争地域に軍艦で乗り込む以上、紛争当事者との戦闘は起こるものと考えるべきであり、軍艦に充分な武装と明確な交戦規定を用意するというのが「グローバルスタンダード」であろう。
が、鳩山首相也、民主党なり、現連立政権なりにそのための交戦規定を設定する気概も勇気もあるとは全然思えない。だからこそ(⑤)「友愛ボートが戦闘を行う事は想定されていない」と私は断じているのであるが。
③「医療援助を行う。」
この医療援助を何処で行う心算かがまず問題になる。派遣された「友愛ボート」艦艇内で行うならば、その艦艇まで負傷者なり患者なりを大量輸送しないといけないのだが、その手段はどうするか。なるほど大概の護衛艦にはヘリ甲板があるし、「おおすみ」にはエアクッション艇を格納できる。少数の患者を迅速に輸送するにはどちらも良い手段だが、災害や紛争で発生するであろう多数の患者には非常に心許ない。
ではNGOなり外国人なりが揚陸し、陸上で医療援助を行うのだろうか。これは災害地域ならば一つの解だろう。だが紛争地域ならば、この者たちの安全確保が当然問題になる。私の考えうる対策は以下の通り。
(1) 少ない乗組員から陸戦隊を編成し、護衛につける。火器については艦載のものは数が少ない筈だから、別に予め準備をし、訓練も行っておかねばならない。
この場合、当然ながら陸戦隊が紛争当事者と衝突し、下手をすれば日本がその紛争に参戦してしまうから、少なくとも陸戦の交戦規定が必要である。さもないと、予想も予定もしていない開戦をしてしまいかねない。
(2) 輸送してきた火器をNGOなり外国人なりに渡し、自らの身を自ら守らせる。
日本のNGOには一寸出来そうにないが、外国人なら期待できるかもしれない。この場合、紛争当事国との戦闘が起こっても、民間人または外国人の戦闘であり、日本が紛争に巻き込まれる事は、直接的には回避できる。
(3) 「友愛ボート」で運ばれてきた、医療援助を行う者を、攻撃する者など居ない。(と信じて/断じて何も対策しない。)
(4) 交戦規定もあり、装備も充分な外国の軍隊を護衛として付ける。
(1)は大いにありそうな現実解だが、残念ながら兵力的に護衛能力に限界があることと、交戦規定の設定がやはりネックだ。
(2)は甚だ無責任だがこれまた現実解だ。但し、こんな医療援助を行おうと言う奇特なNGOなり外国人なりがどれほど居るかは疑問である。
(3)は・・・やはり論外だ。
(4)は海上自衛隊にとっても我が国にとっても屈辱であるし、そんな強力な護衛が常につけられるとはとても思えない。
(2)は甚だ無責任だがこれまた現実解だ。但し、こんな医療援助を行おうと言う奇特なNGOなり外国人なりがどれほど居るかは疑問である。
(3)は・・・やはり論外だ。
(4)は海上自衛隊にとっても我が国にとっても屈辱であるし、そんな強力な護衛が常につけられるとはとても思えない。
<注釈>
(*1) それでも神ならぬ身の人である私には、全ての突っ込みどころは尽くせないに違いない。
(*2)下記報道では「輸送艦」になっているが、「おおすみ」の艦種記号LSTの頭文字「L」は米海軍では「揚陸戦艦艇」を意味する。
(*1) それでも神ならぬ身の人である私には、全ての突っ込みどころは尽くせないに違いない。
(*2)下記報道では「輸送艦」になっているが、「おおすみ」の艦種記号LSTの頭文字「L」は米海軍では「揚陸戦艦艇」を意味する。
3. 「ねずみ輸送」と呼ぶ所以
それはさておき、
此処でタイトルに立ち返って見よう。私はこの「友愛ボート」構想を聞いて真っ先に思い浮かべたのが「ねずみ輸送」である。それ故にかようなタイトルをつけたわけだが、では「ねずみ輸送」とは何か。
時は大東亜戦争(太平洋戦争)当時。南太平洋の制海権を巡る日米のつばぜり合いで、焦点となったのがガタルカナル島、略称ガ島である。
まず日本側がこの島に滑走路を建築した。滑走路があれば当然航空機が使え、ガ島周辺の制空権は日本のものになる、筈だった。
米側が素早く反撃しガ島の滑走路を占領し、さらには航空機部隊を配置した。ガ島周辺の制空権は米側の手に落ちた格好だが、日本側も反撃して滑走路を奪い返そうとし、ここにガ島の、特に滑走路を巡る凄絶な戦いが始まった。
米側は制空権を確保していたから、日本側は先行して送り込んだ陸上部隊の増援どころか補給にも事欠く有様になった。ガ島滑走路からの航空攻撃で、ガ島に近づく輸送船は片端から沈められてしまうため、増援も補給もままならないのだ。
そこで日本側は、高速で航行できる駆逐艦の甲板に補給物資=弾薬や食料を縛りつけ、(当時の)航空機が飛べない夜間にガ島に接近、荷物を陸上部隊に引き渡すと高速で離脱し、夜が明ける前にガ島制空圏下を脱するという輸送作戦を始めた。これが日本側で言う「ねずみ輸送」。米側で言うTokyo Expressである。
結果から言うと、ガ島の陸上兵力を支えるには、駆逐艦に無理矢理乗せた物資では不足し過ぎた。ガ島では日本軍の戦死者餓死者が続出し、「飢島」と呼ばれる事になる。
軍艦の高速を利用した物資の高速輸送と言うのは、まさに「友愛ボート」に通じるものがあり、輸送先が紛争地域と言うのも符合する。普通の護衛艦、DDやDE、DDGを使う限り1隻あたりの人員・物資輸送量は酷く限られるから、「ねずみ輸送」同様の失敗に終わる可能性が高いと私が感じた事も、理解していただけようか。
幸い防衛省にはガ島の戦訓を忘れない者がしっかり居るらしく、揚陸艦「おおすみ」を以ってこの任務に当たろうとしている。ガ島に散った英霊たちも、その点では心安らかであろう。
此処でタイトルに立ち返って見よう。私はこの「友愛ボート」構想を聞いて真っ先に思い浮かべたのが「ねずみ輸送」である。それ故にかようなタイトルをつけたわけだが、では「ねずみ輸送」とは何か。
時は大東亜戦争(太平洋戦争)当時。南太平洋の制海権を巡る日米のつばぜり合いで、焦点となったのがガタルカナル島、略称ガ島である。
まず日本側がこの島に滑走路を建築した。滑走路があれば当然航空機が使え、ガ島周辺の制空権は日本のものになる、筈だった。
米側が素早く反撃しガ島の滑走路を占領し、さらには航空機部隊を配置した。ガ島周辺の制空権は米側の手に落ちた格好だが、日本側も反撃して滑走路を奪い返そうとし、ここにガ島の、特に滑走路を巡る凄絶な戦いが始まった。
米側は制空権を確保していたから、日本側は先行して送り込んだ陸上部隊の増援どころか補給にも事欠く有様になった。ガ島滑走路からの航空攻撃で、ガ島に近づく輸送船は片端から沈められてしまうため、増援も補給もままならないのだ。
そこで日本側は、高速で航行できる駆逐艦の甲板に補給物資=弾薬や食料を縛りつけ、(当時の)航空機が飛べない夜間にガ島に接近、荷物を陸上部隊に引き渡すと高速で離脱し、夜が明ける前にガ島制空圏下を脱するという輸送作戦を始めた。これが日本側で言う「ねずみ輸送」。米側で言うTokyo Expressである。
結果から言うと、ガ島の陸上兵力を支えるには、駆逐艦に無理矢理乗せた物資では不足し過ぎた。ガ島では日本軍の戦死者餓死者が続出し、「飢島」と呼ばれる事になる。
軍艦の高速を利用した物資の高速輸送と言うのは、まさに「友愛ボート」に通じるものがあり、輸送先が紛争地域と言うのも符合する。普通の護衛艦、DDやDE、DDGを使う限り1隻あたりの人員・物資輸送量は酷く限られるから、「ねずみ輸送」同様の失敗に終わる可能性が高いと私が感じた事も、理解していただけようか。
幸い防衛省にはガ島の戦訓を忘れない者がしっかり居るらしく、揚陸艦「おおすみ」を以ってこの任務に当たろうとしている。ガ島に散った英霊たちも、その点では心安らかであろう。
4. 「友愛ボート」に海上自衛隊を派遣するのなら、専用艦を建造し、海上自衛隊も拡大すべきである。
海上自衛隊の任務は「友愛」ではない。
海上自衛隊の任務は国防である。
海上自衛隊の「国防」任務は確かに広い意味がある。それは領土領空領海並びに国民の生命財産の安全確保に留まらず、海上交通路の安全確保を含む。
言うまでもないが日本の海上交通路は日本と言う国が存続するために不可欠であり、その海上交通路は全世界に通じている。
英国海軍華やかなりし頃、「英国の国境は、敵国の港湾の背後にあり。」と称されたそうである。つまり敵国と言えども港湾までは英国領土と言う強烈な主張であり、「英国海軍華やかなりし頃」の英国ならではの主張であるが、「海上交通の支配、少なくとも海上交通の安全確保がなければ、海洋国の繁栄は図れない。」と言うメッセージには共感するものがある。我が国が相応の海軍=海上自衛隊を保有し、世界最強最大の海軍=米海軍と同盟=日米安保体制を組んでいるのも、目指すところは同じ「海洋国である祖国の繁栄」であろう。
そもそも海上交通路と言うものは、海軍などの武力を以って一定のレベルで制圧しなければ、安全は確保できないものである。「自由の海」のデフォルト状態は「無法の海」に他ならず、なればこそソマリア沖(*1)などには海賊の跳梁跋扈が後を絶たない。
海上自衛隊の任務は国防である。
海上自衛隊の「国防」任務は確かに広い意味がある。それは領土領空領海並びに国民の生命財産の安全確保に留まらず、海上交通路の安全確保を含む。
言うまでもないが日本の海上交通路は日本と言う国が存続するために不可欠であり、その海上交通路は全世界に通じている。
英国海軍華やかなりし頃、「英国の国境は、敵国の港湾の背後にあり。」と称されたそうである。つまり敵国と言えども港湾までは英国領土と言う強烈な主張であり、「英国海軍華やかなりし頃」の英国ならではの主張であるが、「海上交通の支配、少なくとも海上交通の安全確保がなければ、海洋国の繁栄は図れない。」と言うメッセージには共感するものがある。我が国が相応の海軍=海上自衛隊を保有し、世界最強最大の海軍=米海軍と同盟=日米安保体制を組んでいるのも、目指すところは同じ「海洋国である祖国の繁栄」であろう。
そもそも海上交通路と言うものは、海軍などの武力を以って一定のレベルで制圧しなければ、安全は確保できないものである。「自由の海」のデフォルト状態は「無法の海」に他ならず、なればこそソマリア沖(*1)などには海賊の跳梁跋扈が後を絶たない。
その海上交通路の安全確保には「友愛外交」だろうが「友愛ボート」だろうが、宣伝としての効果は兎も角、実質の効果は全く当てに出来ない。従って「友愛ボート」として友軍から切り離されて派遣される自衛艦は、完全に遊兵と化す。少なくとも航行と繰艦の訓練にはなったインド洋上給油派遣とは違うのである。
我らが海上自衛隊に、遊兵として遊ばせて置ける艦艇の余裕は無い。
従って鳩山首相がその「友愛ボート」構想なるものに海上自衛隊艦艇を派遣する心算ならば、その分の艦艇と乗員は海上自衛隊を増強すべきである。言うまでもないがこれは、防衛費の増額を伴う。
鳩山首相、民主党、現与党連立政権が、「友愛ボート」をただの思いつきや例によっての鳩山食言に終わらせない心算ならば、海上自衛隊の防衛費を増額し、友愛ボート任務に当てる艦艇と人員を確保すべきである。
それ以外に、交戦規定なり、日本が紛争地域で開戦する覚悟なりも必用である事を、銘記すべきである。
鳩山首相、御覚悟を。
我らが海上自衛隊に、遊兵として遊ばせて置ける艦艇の余裕は無い。
従って鳩山首相がその「友愛ボート」構想なるものに海上自衛隊艦艇を派遣する心算ならば、その分の艦艇と乗員は海上自衛隊を増強すべきである。言うまでもないがこれは、防衛費の増額を伴う。
鳩山首相、民主党、現与党連立政権が、「友愛ボート」をただの思いつきや例によっての鳩山食言に終わらせない心算ならば、海上自衛隊の防衛費を増額し、友愛ボート任務に当てる艦艇と人員を確保すべきである。
それ以外に、交戦規定なり、日本が紛争地域で開戦する覚悟なりも必用である事を、銘記すべきである。
鳩山首相、御覚悟を。
<注釈>
(*1)ソマリア沖ばかりが海賊の名所ではないが。
(*1)ソマリア沖ばかりが海賊の名所ではないが。