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報じられているのは我が国のF-4EJファントムIIの後継となるF-Xの機種選定の件。
>次世代戦闘機「F35(F-35 Joint Strike Fighter、JSF)」を採用する方向で
>防衛省が調整に入ったと報じた。
そうである。
最有力候補であったF-22ラプターが米本国ですら生産終了となる以上、F-Xに選定するには仮に米国政府の許可があったとしてもF-22の生産ラインを丸ごと買い上げるだけの対価が必要であり、タダでさえ単価の高いステルススーパークルーザーF-22を選定するというのは現実的でないのは・・・残念ながら衆目の一致するところだろう。
国際共同開発とは言え米国主体のF-35JSFが選定されると言うのも、まあ「順当なところ」と言えないこともない。少なくとも、今までのF-X選定(F-86、F-104、F-4,F-15)の歴史からして「妥当な線」だろう。
それだけに・・・つまらない選択ではある。
当ブログでもいくつか記事にしてきたとおり、我が国がF-Xとして欲するのは、「最強の制空戦闘機」である。
「何故最強なのか、2番目ではいけないのか。」と問われれば、「常に数的劣性を強いられるに違いない我が航空自衛隊は最強の空軍であることが必要である。最強の空軍とは航空機というハードのみならず人というソフトも併せてのことであるが、訓練や精神力ではステルス性や超音速巡航能力は得られない。故にこれらを持つ最強の戦闘機F-22をF-Xに欲する。」と答える。
北朝鮮軍ぐらいなら兎も角、中国やロシアの雲霞の如き数に抗するためには、絶対の室が必要なのである。(無論、戦闘機を錆びさせて置くなんてのは論外だ。)
とは言え、米国政府の頑なな態度もあり、F-22の上記の生産事情もあり、F-22をF-Xに選定できそうにないことは前から判っていること。これに対し当ブログでは「いっそ、アメリカ製戦闘機ではなく、ユーロファイター・Typhoonを導入す可し。」とも主張してきた。理由は先述の通り、米国製戦闘機は確かに優れているが、米国製ばかり導入し続けていることで日米安保体制が強化されるのは兎も角、アメリカが日本の足元を見る傾向が目に付いてきた。F-22の情報開示禁止がそうであり、F-22のモンキーモデルを米軍購入の倍の値段で提案してくるのがそうである。であるならば、今回のF-Xでは米国製ならぬユーロファイターTyphoonを採用する、少なくとも採用する動きを見せる事で、あわよくばF-22の輸出許可を引きだそうとするのが次善の策であろうと。
いささか詭道ではあるが、これぐらいの詭計は外交上あって然るべきと考えていた。
Typhoonの自信と甘言 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/28301454.html
次期主力戦闘機F-X選定について-1 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/26537166.html
次期主力戦闘機F-X選定について-2 ttp://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/26537209.html
次期主力戦闘機F-X選定について-3 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/26537231.html
報じられているのは我が国のF-4EJファントムIIの後継となるF-Xの機種選定の件。
>次世代戦闘機「F35(F-35 Joint Strike Fighter、JSF)」を採用する方向で
>防衛省が調整に入ったと報じた。
そうである。
最有力候補であったF-22ラプターが米本国ですら生産終了となる以上、F-Xに選定するには仮に米国政府の許可があったとしてもF-22の生産ラインを丸ごと買い上げるだけの対価が必要であり、タダでさえ単価の高いステルススーパークルーザーF-22を選定するというのは現実的でないのは・・・残念ながら衆目の一致するところだろう。
国際共同開発とは言え米国主体のF-35JSFが選定されると言うのも、まあ「順当なところ」と言えないこともない。少なくとも、今までのF-X選定(F-86、F-104、F-4,F-15)の歴史からして「妥当な線」だろう。
それだけに・・・つまらない選択ではある。
当ブログでもいくつか記事にしてきたとおり、我が国がF-Xとして欲するのは、「最強の制空戦闘機」である。
「何故最強なのか、2番目ではいけないのか。」と問われれば、「常に数的劣性を強いられるに違いない我が航空自衛隊は最強の空軍であることが必要である。最強の空軍とは航空機というハードのみならず人というソフトも併せてのことであるが、訓練や精神力ではステルス性や超音速巡航能力は得られない。故にこれらを持つ最強の戦闘機F-22をF-Xに欲する。」と答える。
北朝鮮軍ぐらいなら兎も角、中国やロシアの雲霞の如き数に抗するためには、絶対の室が必要なのである。(無論、戦闘機を錆びさせて置くなんてのは論外だ。)
とは言え、米国政府の頑なな態度もあり、F-22の上記の生産事情もあり、F-22をF-Xに選定できそうにないことは前から判っていること。これに対し当ブログでは「いっそ、アメリカ製戦闘機ではなく、ユーロファイター・Typhoonを導入す可し。」とも主張してきた。理由は先述の通り、米国製戦闘機は確かに優れているが、米国製ばかり導入し続けていることで日米安保体制が強化されるのは兎も角、アメリカが日本の足元を見る傾向が目に付いてきた。F-22の情報開示禁止がそうであり、F-22のモンキーモデルを米軍購入の倍の値段で提案してくるのがそうである。であるならば、今回のF-Xでは米国製ならぬユーロファイターTyphoonを採用する、少なくとも採用する動きを見せる事で、あわよくばF-22の輸出許可を引きだそうとするのが次善の策であろうと。
いささか詭道ではあるが、これぐらいの詭計は外交上あって然るべきと考えていた。
Typhoonの自信と甘言 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/28301454.html
次期主力戦闘機F-X選定について-1 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/26537166.html
次期主力戦闘機F-X選定について-2 ttp://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/26537209.html
次期主力戦闘機F-X選定について-3 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/26537231.html
ところが実際はF-35JSFの方向だそうである。この選択肢はいくつか問題がある。
一つには上述の通り日本の足下を見始めた米国に対し全くプレッシャーにならないことである。なにしろF-35はF-22の輸出どころか情報開示まで拒む米国政府ご推奨の機体だ。F-35を推奨通り買う日本に、F-22を売ってやらねばならない理由は米国にはない。
二つには当初から言われていたとおり、F-35はまだ開発中の機体であり、その調達日程はF-4ファントムの退役に間に合わないことである。
然るに、報道では・・・・
>40機程度の購入を想定し、2011年度の概算要求に関連経費を盛り込む考えだ。
とある。勿論2011年度即ち再来年殿「関連経費」はいきなり調達ではないだろうけれど、果たして何年度から調達開始する計画なのか。
普通に考えればF-4ファントムの退役を何とかして引き延ばすか、つなぎに別の機体を一時なりとも採用するか、何れかの方策が必要であり、後者ならばその機体を買うなりレンタルするなりの費用が発生する。
>価格は1機約90億円になる見込み。
と報じられるF-35は、一応F-22より遙かに単価が安い「見込み」ではあるが、上記の「つなぎ」の機体も考えると、そう単純ではない。「つなぎ」の機体に何を選ぶのかという「プレF-X」選定も問題になろう。
一つには上述の通り日本の足下を見始めた米国に対し全くプレッシャーにならないことである。なにしろF-35はF-22の輸出どころか情報開示まで拒む米国政府ご推奨の機体だ。F-35を推奨通り買う日本に、F-22を売ってやらねばならない理由は米国にはない。
二つには当初から言われていたとおり、F-35はまだ開発中の機体であり、その調達日程はF-4ファントムの退役に間に合わないことである。
然るに、報道では・・・・
>40機程度の購入を想定し、2011年度の概算要求に関連経費を盛り込む考えだ。
とある。勿論2011年度即ち再来年殿「関連経費」はいきなり調達ではないだろうけれど、果たして何年度から調達開始する計画なのか。
普通に考えればF-4ファントムの退役を何とかして引き延ばすか、つなぎに別の機体を一時なりとも採用するか、何れかの方策が必要であり、後者ならばその機体を買うなりレンタルするなりの費用が発生する。
>価格は1機約90億円になる見込み。
と報じられるF-35は、一応F-22より遙かに単価が安い「見込み」ではあるが、上記の「つなぎ」の機体も考えると、そう単純ではない。「つなぎ」の機体に何を選ぶのかという「プレF-X」選定も問題になろう。
三つには、二番目とも関与することだが、F-35は国際共同開発の機体である事だ。
まずこの国際共同開発に日本も参加するか否かという選択が問題になる。かような兵器の国際共同開発は、資金不足に陥るのが常なので、日本が新たに国際共同開発に参加することを米国は歓迎しそうであるが、兵器の国際共同開発となると武器輸出禁止に抵触する。今のところ武器輸出禁止に抵触せず行えるのは、日米共同開発だけである。
そこは「日米共同開発」を「日米を含む国際共同開発」に拡大すれば済む話かも知れない。画素礼状に問題なのは、このような国際共同開発は、往々にして開発が予定通りに進まない事があり、その可能性は国際共同開発国に参加する国や軍(米軍はF-35を空軍・海軍・海兵隊で採用予定だが、皆仕様が違う)の数が多いほど予定通りの開発が難しくなる。
既に米(空・海・海兵)英(空・海)伊蘭豪加土デンマーク・ノルゥエー、イスラエルにシンガポールまで「金は出すけど口も出すぞ」状態のF-35の開発日程キープがいかに難事かは想像を絶しよう。つまり、多分確実に開発は遅れ、当然調達も遅れると予想される。
国際共同開発に参加しないと言う選択しもある。この場合我が国もF-35が入ってくるのは、共同開発各国に充分なF-35が行き渡ってからとなるから、共同開発に参加しない場合に比べて遙かに遅い調達となる。
一番目の問題は兎も角、二番目と三番目、中でも三番目の問題が最も困難であろう。
鳩山首相とその連立政権が、F-35の国際共同開発に参加するか否かをどう判断するかは見物ではあるが・・・・判断する時点まで政権が持つかは非常に疑問だな。何しろ普天間基地異説問題一つ年内に判断できそうにない首相であり政権なんだから。
まずこの国際共同開発に日本も参加するか否かという選択が問題になる。かような兵器の国際共同開発は、資金不足に陥るのが常なので、日本が新たに国際共同開発に参加することを米国は歓迎しそうであるが、兵器の国際共同開発となると武器輸出禁止に抵触する。今のところ武器輸出禁止に抵触せず行えるのは、日米共同開発だけである。
そこは「日米共同開発」を「日米を含む国際共同開発」に拡大すれば済む話かも知れない。画素礼状に問題なのは、このような国際共同開発は、往々にして開発が予定通りに進まない事があり、その可能性は国際共同開発国に参加する国や軍(米軍はF-35を空軍・海軍・海兵隊で採用予定だが、皆仕様が違う)の数が多いほど予定通りの開発が難しくなる。
既に米(空・海・海兵)英(空・海)伊蘭豪加土デンマーク・ノルゥエー、イスラエルにシンガポールまで「金は出すけど口も出すぞ」状態のF-35の開発日程キープがいかに難事かは想像を絶しよう。つまり、多分確実に開発は遅れ、当然調達も遅れると予想される。
国際共同開発に参加しないと言う選択しもある。この場合我が国もF-35が入ってくるのは、共同開発各国に充分なF-35が行き渡ってからとなるから、共同開発に参加しない場合に比べて遙かに遅い調達となる。
一番目の問題は兎も角、二番目と三番目、中でも三番目の問題が最も困難であろう。
鳩山首相とその連立政権が、F-35の国際共同開発に参加するか否かをどう判断するかは見物ではあるが・・・・判断する時点まで政権が持つかは非常に疑問だな。何しろ普天間基地異説問題一つ年内に判断できそうにない首相であり政権なんだから。