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 報じられているのは、韓国人男性が北朝鮮に亡命したというもの。国民が飢餓に晒されても核兵器開発と弾道ミサイル開発に余念がない北朝鮮から韓国に亡命する、亡命したいものは枚挙に暇がないが、逆は珍しい。「犬が人を噛んでもニュースではない。人が犬を噛んだらニュースだ。」というニュースの新奇性と言う点からすると、此は正しくニュースだろう。
 報じられる所では、この養豚業の韓国人男性、カン・ドンリム(Kang Tong-Rim)氏は、
>軍事境界線を越えて北朝鮮に亡命したと伝えた。
>韓国軍によると、境界線の鉄柵が切断されていたという。
と言うから38度線を突破してきた朝鮮に亡命し、
>当局の「温かい保護」を受けており、
>「亡命したいという思いを達成できたことを喜んでいる」と伝えた。
そうである。まあ、北朝鮮としては世にも珍しい南から北への亡命者だ。下へも置かぬ歓迎をすることは想像に難くない。
 勿論日本にだって、かつてYS-11旅客機「よど」号を乗っ取って「世界同時革命だ。」とか何とか言って北朝鮮に亡命するという酔狂な連中がいたぐらいだから、自由な韓国で北朝鮮にあこがれて亡命してしまう者が居ても決して不思議ではない。
 だが報じられているのは、そんな「北朝鮮フリーク」の思いあまっても亡命、とは行かないようだ。
 
>韓国の警察当局は28日、カン氏について、暴行容疑で指名手配中だったと発表した。
>カン氏は暴行事件の2か月前から同養豚場に勤務。鈍器のようなもので経営者に暴行した後、逃走していたという。
 つまりこのカン氏は北朝鮮に政治亡命したわけではなく、単に国外逃亡の逃亡先として、地続きである北朝鮮を選んだと言うことらしい。
 無論北朝鮮は此を認めないだろう。米帝の傀儡をすてて偉大なる主席様の能登に馳せ参じた国家の英雄が、けちな暴行傷害犯とあっては何かと都合が悪い。
 
 しかしながら、ありそうなのはどちらだ?
 
 暴行傷害犯として指名手配され、切羽詰まって北朝鮮に国外逃亡を試みることか。
 
 随分前から北朝鮮に憧れ続け、思いあまって38度線を強行突破した「民族の英雄」が「米帝の傀儡」によって暴行傷害犯という濡れ衣を着せられることか。
 
 私にはどう考えても、前者の公算が大きいと思われるのだが。