報じられているのは、我らが海上自衛隊のイージス艦「こんごう」級3番艦「みょうこう」によるSM-3発射並びに弾道弾迎撃試験の成功。 にほんブログ村

 この報道のポイントは次の3点であろう。
 ①「こんごう」級イージス艦「みょうこう」に対弾道ミサイル迎撃能力が付与された事が明確になった。「明確」というのは国内のみならず、北朝鮮や中国に対しても、と言う意味だ。
 その抑止効果が期待できる反面「手の内を晒した」というのも一面の真理であろう。
 「実は対弾道ミサイル能力を持つ艦艇を一杯持っている」と言うのは、確かに秘密にしても余り効果はなさそうではあるが。

 ②迎撃した目標は「中距離模擬弾道ミサイル」である。つまり大陸間弾道弾よりも射程が短く、北朝鮮は勿論中国も大量に保有している「今そこにある危機」である。
 一方で中国や北朝鮮からアメリカ本土を攻撃するには大陸間弾道弾が必要であり、今回目標となった中距離(模擬)弾道ミサイルは、集団的自衛権を巡る神学論争を回避できる「実際的な」目標である。

 ③SM-3は高度160kmで目標を攻撃したと報じられている。この高度は「高校生でも判る」弾道ミサイル防衛1」 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/25808659.html のグラフに見るとおり、中距離弾道弾としては可成り低い高度と言える。その分速度は速く、迎撃困難な目標である。
 また、この高度に中距離弾道弾が達するのは、発射後まもなくか終末フェーズ近く。日本の立地条件を考えると、日本海で北朝鮮なり中国なりの弾道弾を迎撃するというシナリオが伺える。
 
 これも実際的と言うべきだろう。

 いずれにせよ、我が海上自衛隊の弾道ミサイル迎撃能力が実証されたことは喜ばしい。
 頼むぞ、自衛隊。