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報じられているのは、全日空が一部の便で乗客に対し、搭乗前にトイレを済ませるように求めていると言うもの。1ヶ月で4.2トンの二酸化炭素削減になるというのだから、これは一定の効果を見込んでいるのだろう。
勿論、客に搭乗前にトイレを済ませて欲しいのは、重量軽減のためである。
報じられているのは、全日空が一部の便で乗客に対し、搭乗前にトイレを済ませるように求めていると言うもの。1ヶ月で4.2トンの二酸化炭素削減になるというのだから、これは一定の効果を見込んでいるのだろう。
勿論、客に搭乗前にトイレを済ませて欲しいのは、重量軽減のためである。
大凡空を飛ぶものにとって軽量化は永遠の課題であり、空虚重量で2トンもある零式艦上戦闘機=通称・ゼロ戦がその設計の際1グラム単位で軽量化を図ったのは有名な話だ。
搭載量も離陸重量も、零式艦上戦闘機なんぞより遙かに巨大な現代の旅客機に於いても軽量化は「至上」とは言わぬまでも重大な課題である。なぜならば、無駄な質量増加は、無駄な揚力を必要とし(翼で空を飛ぶ以上はそうなる。ロケットのように推力で飛ぶなら別だが)、それは無駄な誘導抵抗を発生させる。
誘導抵抗の増加は運行速度を下げない限り推力の増加を必要とし、推力の増加は燃料消費の増加を意味し、これは二酸化炭素発生量の増加であるのもさることながら、燃料代による運行コストの増大を意味する。それは即ち利益の圧迫だ。
全日空は航空会社であって慈善団体ではないから、利益を追求する。少なくとも正当な利益を確保しようとする。その努力と二酸化炭素排出量削減という「環境目標」は、「旅客機の運用状態の軽量化」と言う点で利害を一致させる。全日空が、「(全日空の利益のためではなく)二酸化炭素排出量削減のため搭乗前にトイレを。」と訴える所以である。
搭載量も離陸重量も、零式艦上戦闘機なんぞより遙かに巨大な現代の旅客機に於いても軽量化は「至上」とは言わぬまでも重大な課題である。なぜならば、無駄な質量増加は、無駄な揚力を必要とし(翼で空を飛ぶ以上はそうなる。ロケットのように推力で飛ぶなら別だが)、それは無駄な誘導抵抗を発生させる。
誘導抵抗の増加は運行速度を下げない限り推力の増加を必要とし、推力の増加は燃料消費の増加を意味し、これは二酸化炭素発生量の増加であるのもさることながら、燃料代による運行コストの増大を意味する。それは即ち利益の圧迫だ。
全日空は航空会社であって慈善団体ではないから、利益を追求する。少なくとも正当な利益を確保しようとする。その努力と二酸化炭素排出量削減という「環境目標」は、「旅客機の運用状態の軽量化」と言う点で利害を一致させる。全日空が、「(全日空の利益のためではなく)二酸化炭素排出量削減のため搭乗前にトイレを。」と訴える所以である。
理には適っている。何も排泄物を運ぶために燃料を消費し、二酸化炭素排出量を増やす必要はない。搭乗前にトイレに行くというのなら、大概の人には出来る。
ダイエットなぞとは違って。
ダイエットなぞとは違って。
左様、二酸化炭素の排出量削減に効いているのは、旅客機の運用状態の軽量化なのであるから、乗客にダイエットを求めても同様の効果が期待できる。
或いは乗客の体重制限をかけても同様だ。または手荷物重量制限をさらに厳しくしても良い。さらには、体重と手荷物の重量合計によって旅客運賃を変えるという手もある。いずれも、「旅客機の運用状態の軽量化」を図れる点で変わりはないから、「二酸化炭素排出量の削減」効果が期待できる。
或いは乗客の体重制限をかけても同様だ。または手荷物重量制限をさらに厳しくしても良い。さらには、体重と手荷物の重量合計によって旅客運賃を変えるという手もある。いずれも、「旅客機の運用状態の軽量化」を図れる点で変わりはないから、「二酸化炭素排出量の削減」効果が期待できる。
勿論問題は、上記の策が旅客サービスの向上と相反することと、その効率性=労力対効果だ。
搭乗前のトイレにより、人がどのぐらい軽量化するか=どれぐらいの質量を排泄するかは俄には断じかねるが、良いところ一人当たり2kgではなかろうか。子供や老人のように食べる量が少ない人ならもっと減るだろう。
それで毎月4.2トンの二酸化炭素削減効果があるのだとしたら、手荷物重量制限の方がより効果的なのではなかろうか。
それで毎月4.2トンの二酸化炭素削減効果があるのだとしたら、手荷物重量制限の方がより効果的なのではなかろうか。
無論それは旅客サービスの低下である。
しかしながら、先頃鳩山首相が公言してしまった「二酸化炭素25%削減」を実現するためには、それぐらいの旅客サービス低下でも、全然足りないことだろう。
しかしながら、先頃鳩山首相が公言してしまった「二酸化炭素25%削減」を実現するためには、それぐらいの旅客サービス低下でも、全然足りないことだろう。