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インド洋の海自を撤収へ 首相「アフガン政府強い思いない」 (1/2ページ)
2009.10.13 18:48 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091013/plc0910131848020-n1.htm

ソマリア沖の海賊対策で、横須賀基地を出港する海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」=13日午前10時37分、神奈川県横須賀市 インド洋で補給活動を行う海上自衛隊が来年1月15日の新テロ対策特別措置法の期限切れに伴い、撤収する方向となった。北沢俊美防衛相は13日の記者会見で「期限が来年1月に来るので、法に基づいて粛々と撤退をする」と明言。鳩山由紀夫首相は同日夕、記者団に「アフガニスタン政府自身にとってどうかということでわれわれは判断したい。アフガン政府自身が日本の給油支援に対してあまり強い思いを持っていない」と述べ、延長を見送る意向を示唆した。

 海自の補給活動をめぐっては、米国や英国、パキスタンなどが継続を求めている。特にインド洋上でアフガニスタンへの武器流入を阻止するパキスタンの小型船舶は海自の海上補給に依存しており、日本の撤退が関係国の対アフガン政策に深刻な影響を与える可能性もある。

 北沢氏は会見で、補給活動の継続について「臨時国会も間もなくという中で、政府の中で、新法案で再派遣をするという議論になっていない」と指摘。平野博文官房長官も13日午後の会見で、北沢氏の発言について、「そういうことも含めた最終判断をしないとならない」と述べ、撤収の方向で最終調整する方針を示した。

 これに先立ち、岡田氏は12日に訪問先のイスラマバードで記者団に対し、活動延長のための法案について「現実問題として国会日程は窮屈だ。臨時国会でというのは難しい」と述べ、26日召集予定の臨時国会への提出は困難だとの見方を表明した。

 その上で、岡田氏は「補給活動と切り離し、もう少し世界的な視野でみれば、テロの温床になっているパキスタンとアフガンの国境地帯に働きかけをし、どう支援をしていくのかが世界的な関心事だ」と述べ、補給活動と両国への支援問題を切り離して検討すべきだとの認識を示した。

 岡田氏は11日夜(日本時間12日未明)にパキスタンのギラニ首相と会談。同首相が補給活動の継続を求めたのに対し、根拠法失効後の対応は政府内で検討中との見解を示すにとどめた。
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(1.)敵前逃亡は銃殺―鳩山首相、インド洋上給油からの撤退を示唆―

 敵前逃亡は敵前反抗と共に銃殺刑に処されるのは軍法の通り相場だ。軍隊に適用される軍法は、戦時戦闘下と言う極限状態での組織命令系統と組織活動=戦闘の維持を目的としているから、敵前逃亡だの敵前反抗だののその目的を危うくする行為に対しては銃殺=死刑と言う厳罰を以って臨み、これによって軍隊と言う組織もその組織的戦闘と言う行動も担保するのが「グローバルスタンダード」となっている。
 そうでなくても敵前逃亡と言うのは軍隊・軍人として(*1)最も恥ずべき行為であり、人によっては切腹するに足るだけの恥辱である。

 が、報じられているところでは、我らが海上自衛隊は、政府の無策により、この敵前逃亡を強制されようとしている。報じられるところでは、鳩山首相、岡田外相、北沢防衛相、揃いも揃って海上自衛隊によるインド洋上給油から撤収の方向を示唆しているそうだ。社民党とつるんだ時点で、或いは前回の延長時の民主党の態度「憲法違反論」からも、充分予想された事態ではあるが。
 無論、政府の命令による敵前逃亡であるから、撤収してくる海上自衛隊員が銃殺刑に書される心配は無い。そもそも我らが自衛隊には軍法が無いから、敵前反抗しようが敵前逃亡しようが銃殺=死刑になる気遣いはない。
 
 銃殺される心配は無いが、敵前逃亡が屈辱恥辱である事には変わりが無い。
 
 報じられているところでは、鳩山首相は「アフガニスタン政府自身にとってどうかということでわれわれは判断したい。」と言い「アフガン政府自身が日本の給油支援に対してあまり強い思いを持っていない。」と言っているそうだ。が、アフガニスタンは艦艇はおろか海軍すら持たない内陸国。インド洋上の給油支援に「強い思い」を持っている筈があろうか。我田引水と言うより、完全に屁理屈だ。
 元々インド洋上でアフガニスタン支援の艦艇に給油すると言うのはアフガニスタンにとっては間接的な支援であり、いわば「縁の下の力持ち」。「アフガニスタン政府にとってどうか」となれば、アフガニスタンによる評価は直接支援には適うまい。適わないが他にやれるものも少ないし、インド洋上に展開する各国艦艇にとっては非常に有益であるから、アフガニスタン以外の国々、米国、英国、パキスタンなどからは評価が高い。間接的な効果を評価するのは、アフガニスタン政府でなくても難しいところだろうが、他を以って替え難い任務を海上自衛隊が果たしていることは間違いない。

 それを、アフガニスタン政府からの直接評価が低いからと、止めようと言うのだ。民主党・鳩山政権は。

 ならば民主党・鳩山政権は、国威の発揚を求める名誉心が強いのかと言うと、むしろ逆である。今回のインド洋上給油活動中止=撤退にしても、屁理屈をこねては居るが「初めに撤退ありき」としか思えない。それを言うなら八つ葉ダムの中止にしてもそうであるし、前回のインド洋上給油活動法延長の際はは審議拒否をしてまで足を引っ張った党だから「ブレていない」といえばブレていないのだが・・・
 
 増してや、今回報じられている「インド洋上給油活動からの海上自衛隊撤退」はその代替策=アフガニスタン支援策が具体的にサッパリ決まっていない。来月にはオバマ米大統領が来日するし、今度は先回の訪米のように「都合の悪い話は知らん振り」ではすむまい。今回インド洋上給油活動中止を表明した以上今まで以上に代替の充分説得力のあるアフガニスタン支援策の早急な策定がひつようである。
 が・・・「元タリバン兵に職業訓練する」等の民生支援で「やれる事が沢山ある」と岡田外相は主張し、社民党なぞは絶叫しているが、それら民生支援を米軍が1個軍団の増援を受けないと負けるかもしれないというアフガニスタンで実施するという事実を一体どこまでまじめに考えているのか。
 
 陸上自衛隊を出して民生支援に自前の護衛を付ける覚悟があるのか。
 民主党・小沢氏にならば兎も角、社民党なんぞにそんな覚悟はあるまい。米軍増援に必要とされる6万人と同数を民生支援の護衛に必要な兵力と仮定すると、全陸上自衛隊の半分をアフガニスタンに投入しなければならない勘定だが、護衛の兵力はいかほどと見積もっているのか。
 もし民生支援だけ、陸自による自前の護衛なしと考えているのなら(その公算は極めて大だが)、その民生支援は米軍をはじめとするアフガニスタン駐留軍に新たな護衛対象と言う負担を強いるか…或いは護衛なしの丸腰(*2)で民間人を「治安の悪化している」アフガニスタンに放り出すのか。その場合の犠牲を甘受・許容するだけの覚悟があると言うのならば、大したものだ。

 仮にその覚悟があったとしても、陸自による自前の護衛もつけない民間人=民生支援をアフガニスタンに殿として残し、海上自衛隊がインド洋から撤退する事に変わりは無い。これが何を意味するかわかるか?
 海上自衛隊にとっての屈辱であり、我が国にとっての屈辱にして国威の失墜である。
 民間人を危険地帯に曝しに行って屈辱と国威の失墜をわざわざ被ろうと言う、民主党の政権与党としての意図を疑う。
 
 ハナッから、日本の国威を失墜させ(*3)、日本人、特に自衛隊に屈辱を味あわせようとして政権を取ったというのなら、理解できる話ではある。
 
 もしそうなら、そんな政党を、「自民党ではない。」と言うだけで政権与党に担ぎ出した、国民の愚挙、否暴挙の結果と言うことだ。
 
 如何に、国民。


<注釈>
(*1)或いは単に男として、
(*2)アメリカの民生支援なら兎も角、日本の民生支援は拳銃一つ撃った事もない者ばかり。本当に丸腰だ。それとも剣道経験者に日本刀でも持たすのか。日本人と言うことと併せれば、抑止効果は期待できるかも知れないが。
(*3)日の丸つなげて党旗作って、それを小沢代表と2ショットでインターネットで大公開していた党だから、その可能性は無視し得ない。