報じられているのは北朝鮮労働党(※1)の創建64周年を記念するという大花火大会の有様。
写真で見る限り相当盛大な花火大会のようで、「まるで昼間のように明るい」様に見える。こういう物量作戦的花火は、西欧諸国でもまま見られるものだが、どうも私のような「古風な日本人」には性に合わない。明るいだけなら太陽が出ている昼間の方が明るいし、夜だって電灯を使えば相当明るくできる。花火の存在理由は、「明るくする照明」ではなく、「夜空をバックに大輪の華を開かせる火の芸術」である。
この報じられる写真のような花火の使い方は、「花火大会」ではなく、「照明弾の一斉発射」である。そこには、情緒も風情も感じられない。
が、これは一日本人の感想だ。北朝鮮の金将軍としては、この派手っちい花火大会で「国威の発揚」を図っているのだろう。国民が飢えても核兵器開発と弾道弾開発に余念のないかの国でも、かような大花火大会を行うだけの金はあるわけだ。弾道弾開発とは、「打上げ」つながりかも知れないが、流石にこの花火大会では、宇宙時代にもエコ時代にも縁故づけられないだろう。
下手な冗談は兎も角、派手な行事や建造物で国威の発揚を図るというのは、何も北朝鮮の専売特許ではなく、お隣の中国もつい先日、建国60周年に派手な軍事パレードを行い、最新兵器軍を並べ立てたのは記憶に新しい。なろう事なら北朝鮮も同様の軍事パレードで最新兵器を誇示したかったことは賭けても良いが、恐らくはハッタリであっても並べるだけの「最新兵器」に事欠いたのだろうと、私なんかは邪推している。或いは例に依っての報道管制で、軍事パレードは報じられていないかだ。
翻って我が国でも、軍事パレードは滅多にないが、面積で世界最大の仁徳天皇陵や、世界最大の金属製仏像・奈良の大仏などがあるから、やはり大規模建造物での国威の発揚は行われて(少なくとも試みられて)は居たようだ。
写真で見る限り相当盛大な花火大会のようで、「まるで昼間のように明るい」様に見える。こういう物量作戦的花火は、西欧諸国でもまま見られるものだが、どうも私のような「古風な日本人」には性に合わない。明るいだけなら太陽が出ている昼間の方が明るいし、夜だって電灯を使えば相当明るくできる。花火の存在理由は、「明るくする照明」ではなく、「夜空をバックに大輪の華を開かせる火の芸術」である。
この報じられる写真のような花火の使い方は、「花火大会」ではなく、「照明弾の一斉発射」である。そこには、情緒も風情も感じられない。
が、これは一日本人の感想だ。北朝鮮の金将軍としては、この派手っちい花火大会で「国威の発揚」を図っているのだろう。国民が飢えても核兵器開発と弾道弾開発に余念のないかの国でも、かような大花火大会を行うだけの金はあるわけだ。弾道弾開発とは、「打上げ」つながりかも知れないが、流石にこの花火大会では、宇宙時代にもエコ時代にも縁故づけられないだろう。
下手な冗談は兎も角、派手な行事や建造物で国威の発揚を図るというのは、何も北朝鮮の専売特許ではなく、お隣の中国もつい先日、建国60周年に派手な軍事パレードを行い、最新兵器軍を並べ立てたのは記憶に新しい。なろう事なら北朝鮮も同様の軍事パレードで最新兵器を誇示したかったことは賭けても良いが、恐らくはハッタリであっても並べるだけの「最新兵器」に事欠いたのだろうと、私なんかは邪推している。或いは例に依っての報道管制で、軍事パレードは報じられていないかだ。
翻って我が国でも、軍事パレードは滅多にないが、面積で世界最大の仁徳天皇陵や、世界最大の金属製仏像・奈良の大仏などがあるから、やはり大規模建造物での国威の発揚は行われて(少なくとも試みられて)は居たようだ。
但し、その世界最大面積墳墓を誇る仁徳天皇陛下には、「炊煙の故事」という逸話が伝えられている。
ある時、仁徳天皇陛下が高台に上って下界を見られたそうだ。調度食事の支度時間で炊事の煙が各戸から上がっていたが、燃料=薪が少ないらしく、細々としてとぎれとぎれだったそうだ。
「これはいかん。民の力は衰えている。」そう判断された仁徳天皇陛下は、向こう3年間を無税にすると決定したそうだ。今で言う、「減税による景気刺激策」だな。
そのため無税であった3年間に民の力は強くなり、炊事の煙はもくもくと立ち上るようになり、以降の仁徳天皇陛下の治世は財政的にも上手く行ったという故事だ。
勿論、「炊煙の故事」は伝説だ。恐らくは、史実とは異なるだろう。富の蓄積が難しい古代日本で、3年間税収無しで国家運営が無事で済むとは思えないから。(尤も文献至上主義からすると、文献に記されている以上、「炊煙の故事」は歴史的事実なのだが。)
だがこの伝説は、日本に於ける一つの指導者像、一つの理想の指導者を描いているように思われる。即ち炊煙に民の力を見、民のために心を砕く指導者を。
大花火大会で朝鮮労働党創建64周年を祝う北朝鮮の指導者。
軍事パレードで最新兵器を羅列し建国60周年を祝う中国の指導者。
炊煙に民の力を見、民のために心を砕く日本の指導者(像)。
果たして、優れるのはどの指導者か。
「これはいかん。民の力は衰えている。」そう判断された仁徳天皇陛下は、向こう3年間を無税にすると決定したそうだ。今で言う、「減税による景気刺激策」だな。
そのため無税であった3年間に民の力は強くなり、炊事の煙はもくもくと立ち上るようになり、以降の仁徳天皇陛下の治世は財政的にも上手く行ったという故事だ。
勿論、「炊煙の故事」は伝説だ。恐らくは、史実とは異なるだろう。富の蓄積が難しい古代日本で、3年間税収無しで国家運営が無事で済むとは思えないから。(尤も文献至上主義からすると、文献に記されている以上、「炊煙の故事」は歴史的事実なのだが。)
だがこの伝説は、日本に於ける一つの指導者像、一つの理想の指導者を描いているように思われる。即ち炊煙に民の力を見、民のために心を砕く指導者を。
大花火大会で朝鮮労働党創建64周年を祝う北朝鮮の指導者。
軍事パレードで最新兵器を羅列し建国60周年を祝う中国の指導者。
炊煙に民の力を見、民のために心を砕く日本の指導者(像)。
果たして、優れるのはどの指導者か。
我が国が、我が国民が従うべきは、どの指導者か。
<注釈>
(※1)一寸前までは「北朝鮮の共産党」と言って良かったが、何しろ憲法から「共産主義」を削除してしまったのだから、今はそう呼ぶのは妥当ではなかろう。「北朝鮮の政権与党」かな。野党は実質ないけれど。
(※1)一寸前までは「北朝鮮の共産党」と言って良かったが、何しろ憲法から「共産主義」を削除してしまったのだから、今はそう呼ぶのは妥当ではなかろう。「北朝鮮の政権与党」かな。野党は実質ないけれど。