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 日中韓の首脳会談が開かれたのだそうな。
 「日中韓協力10周年を記念する共同声明」なるものもを発表したそうな。
 鳩山新首相としては、一種の晴れ舞台ではあろう。日中会談も日韓会談も既に済ましているから、インパクトは小さいが。
 報じられているところでは、上記共同声明の中身は以下の通り。区切りは私が入れたものである。
 
①>共同声明には朝鮮半島の非核化を達成するため、
②>今後も対話と協議を継続し、平和的手段による取り組みを続けることや、
③>北東アジアの平和と安定を保障し、平和で調和的、開放的で繁栄したアジアを構築するため、
④>6か国協議の早期再開に向けて関係各国と協調して取り組むなどの内容が盛り込まれた。

 さて、如何であろうか。
 なるほど「日中韓協力10周年を記念する」だけあって、記念しかしていないと言うのが、私の率直な感想だ。即ち、この宣言には殆ど意味がなく、影響力や効果は全く望めない。
 
 上記の内①でこの声明は、北朝鮮、特に北朝鮮の核兵器開発を題材に取り上げている。その他には具体的には全く取り上げられていない。せいぜい「日中韓で共声明を出した」事による「揃った足並み」が見られる位だ。が、取り上げる対象を「北朝鮮の核開発」のみに絞り、日本にとっての大問題(韓国にとっての小問題)、北朝鮮による拉致問題には全く触れられていないのだから、北朝鮮の「血の盟友」中国にとっても同意しやすくなっている。上記④では中国の主催する6カ国協議の早期再開への努力を唱っているのだから、中国にしてみればほくほくであり、この程度の共同声明なら「足並みが揃って」当たり前。
 言い換えれば、日本としての外交努力をした形跡または成果が全く見られない。
 
 第一、みなさん綺麗にお忘れのようだが、北朝鮮は朝鮮戦争の再開を既に宣言して居るではないか。  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/27433214.html
 であると言うのに上記②のように「平和的解決」のみを明記し、武力による解決はおくびにも出さないと言うのは、日本に憲法9条という制約があるとは言え、迫力を欠くことおびただしい。少なくとも、民主党が「政権を取ったら早期に成立させる」と言明していた北朝鮮船舶臨検法による経済制裁の強化ぐらい、盛り込まれて然るべきだろう。
 
 外交は、アジア諸国首脳とお友達になるためにあるのではない。
 外交は、国益追求の手段だ。