(承前 社民党マニュフェストから  http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/manifesto03_10.htm)
3.平和憲法の理念の実現をめざし、自衛隊を縮小・改編します  にほんブログ村   

(1)○憲法の理念に基づく安全保障政策を実現するために「平和基本法」を制定し、肥大化した自衛隊の規模や装備を早期に必要最小限の水準に改編・縮小します。(*1)
(2)○新規の正面装備の契約を控え、防衛費に占める歳出化経費の割合を抑制します。防衛調達をめぐる不祥事の再発防止をはかるため、防衛予算の透明化をはかります。(*2)
(3)○「専守防衛」の理念を厳守し、イージス艦、空中給油機、軽空母や敵基地攻撃能力を持つ爆撃機などの攻撃的な装備の保有を抑制します。(*3)
(4)○インド洋に派遣している自衛艦は撤退します。自衛隊の海外派遣のための恒久法の制定は行いません。(*4)
(5)○海賊問題への対処は、海上保安庁を主体とするものに組み換えます。(*5)
(6)○「シビリアン・コントロール」の理念を実質化し、情報公開を進めます(*6)。武器輸出禁止3原則を厳格に守ります。
(7)○自衛隊内部での人権侵害を防ぐために「自衛官オンブズマン」制度を創設し、自衛官の基本的人権を保障する立法をめざします。(*7)
(8)○憲法審査会における憲法改正案の作成に反対します。(*8)


<注釈>
(*1)何を以って「肥大化」と言い、どのレベルを「必要最小限の水準」と言うのか、具体的には全く示されていない。
(*2)現状でさえ正面装備費は防衛費の1割だ。つまり全面的に正面装備購入を取りやめても、防衛費圧縮は1割にしかならない。それを「抑制」する意味は、社民党の自己満足以外に何かあるのか?
(*3)イージス艦は防空艦。空中給油機は効率的防空にも有効。軽空母は効率的シーレーン防御に有効。「爆撃機」とは何のことを言っているのかわからない。一体何を以って「攻撃的」と判断するのか?見た目の怖さか??
(*4)単純明快だが、解決になっていない。民主党ですら、大体の国際貢献に触れていると言うのに。ただ、止めるだけ。
 社民党らしいと言えば、らしいが。
(*5)ソマリア沖までいけるのは「しきしま」級唯1隻なんて冷や飯食わしておいて、いまさら海上保安庁主体も無いもんだ。
 一体何年かけて「しきしま」の交代艦を建造・配備するつもりか。
(*6)聞こえは良いが、田母神前空幕長更迭劇の例からすると、ここで言うシビリアン・コントロールは思想統制を含んでいる可能性が高い。
 社民党が主張するとなると、村山談話を踏み絵にする公算大と言えよう。
 これは、人権蹂躙にして、思想侵略の疑いさえある。
(*7)早い話が「政治委員」ではないのか。流石は社会主義に根源を持つ党だな。
(*8)「不磨の大典」と呼ばれたのは、大日本帝国憲法だったはずなのだが・・・改正規定が厳しいとは言えある現憲法を、死守しようと言う発想は一体どこから来るのかねぇ。


4.国連中心の外交政策をすすめ、非軍事面の国際協力を進めます

(1)○安全保障理事会のあり方を見直すなど、国連の民主的改革を推進し、大国主義ではない民主的な国連をめざして努力します。(*1)
(2)○海外の大規模災害への緊急援助や、途上国の開発支援のための協力などに積極的に取り組みます。国連平和維持活動(PKO)への参加は、憲法の枠内の人道的な活動に徹します。
(3)○政府開発援助(ODA)予算を国民総所得の0.7%という目標(国連のミレニアム開発目標)の実現に向けて増額します。開発援助資金の財源として「国際連帯税(航空券への課税)」の導入を検討します。
(4)○ODAを社会開発、人権、女性支援、環境保全など「人間の安全保障」重視に転換します。「ODA基本法」を制定し、長期的な視点で信頼をえられる援助外交をめざします。
(5)○投機的な短期資金の移動を抑制し、途上国の債務や貧困、環境破壊などの解決をはかる資金源とするために、「トービン税(国際通貨取引税)」の導入を支持します。


<注釈>
(*1)「努力します」を目標にするところがこすいが、現実的だな。
 「努力」さえすれば、この公約は果たせる。


5.北東アジアを非核化し、核も戦争もない21世紀をめざします(*1)

(1)○外交・安全保障関係の情報公開を進め、「密約」問題の真相を明らかにします。
(2)○国是である非核3原則(持たず、つくらず、持ち込ませず)を厳守し、法制化をはかります。(*2)
(3)○核兵器の役割を縮小させるために拡大抑止(核の傘)の役割を対核兵器に限定し(*3)、核兵器国による消極的安全保証を再確認します(*4)。
(4)○核兵器国に核の先制不使用宣言をよびかけ、条約化をめざします。(*5)
(5)○CTBT(包括的核実験禁止条約)発効やカットオフ条約の具体化を目標に、関係国への働きかけを強め、NPT体制の強化をめざします。(*6)
(6)○核拡散につながるプルトニウム利用政策を転換し、国際的にも批判が強い六ヶ所村の核燃料再処理施設の運用を凍結します。(*7)
(7)○対人地雷、クラスター弾に続いて劣化ウラン弾を禁止する条約の実現をめざします。(*8)


<注釈>
(*1)どこからどこまでが北東アジアか?そこには当然北朝鮮が入るのだろうが、ロシアや中国は入るのか?入るとしたら、北朝鮮と中国とロシアを「非核化」なんてどうやってやるんだ?
(*2)この二つは、日本へ核兵器を「持ち込ませない」効果は期待できるかも知れないが、それだけだ。この2つでは、「北東アジアの非核化」はこちら側の一方的ですら半歩も進みはしない。
(*3)つまり、核兵器に核兵器で対抗することは認めるわけだ。ならば、北朝鮮、ロシア、中国に対し、我が国の核武装を説くのが順当な理論展開だと思うが、そうはならない。
(*4)「核兵器国による消極的安全保証」って何だ。冷戦同様の核抑止力の事か?その「再確認」って一体何をやるんだ?さっぱりわからん。
(*5)これが「核兵器国による消極的安全保証」と言うことか。だとしても「目指す」のは結構だが、締結の目処なぞあるのか?第一、「北東アジア」に丸々入っている北朝鮮の「非核化」一つまともに出来ては居ないではないか。
(*6)北朝鮮の核開発はNPT体制化で行われた。故に「体制の強化」は必要だろうが、それで今度こそ十分何て、期待できるのは何故か?
(*7)我が国の原子力エネルギー政策の見直しを言っているわけだが、これまた「北東アジアの非核化」には全く何の影響も与えない上、我が国のエネルギー不足もしくは二酸化炭素排出量増大を招く話だ。
(*8)北東アジアに、日本以外にクラスター弾禁止条約を批准している国が一つもない現状で、劣化ウラン弾禁止条約が、何かの役に立つと何故思えるのか?


6.あらゆる差別に反対し、表現の自由を守ります(省略)
 (ゲイやレスビアンに対する偏見の解消だの、「同性間のカップルに異性間のカップルに準じた民法上の権利を保障」と言う事は「同性婚の容認」など突っ込みどころ満載だが、安全保障とは関係ないので省略。)

7.「市民の司法」を実現する立場で司法制度改革に取り組みます(省略)
 (これまた安全保障とは関係ないため。他の項も突っ込みどころが色々ありそうだが省略。)
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