第6世代戦闘機研究へ=米空軍トップhttp://www.afpbb.com/article/politics/2592543/4031085
2009年04月14日 16:19 発信地:米国
【時事通信社】
米空軍トップが14日まで米紙に異例の寄稿を行い、最新鋭戦闘機F22(写真=米空軍提供)の生産中止方針を改めて強調した。その上で、今後数年内に第六世代の新たな戦闘機の研究に着手する考えを明らかにした 【時事通信社】
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報じられているのは、米空軍トップのF-22ラプターに対する方針。
「生産中止方針を改めて強調した。」上に「今後数年内に第六世代の新たな戦闘機の研究に着手する。」と言うから、「F-22ラプターはもう要らない。次の戦闘機の研究を始める。(もっと新しい戦闘機が欲しい。)」と公言したわけだ。
新ためて書くまでもないが、F-22ラプターはステルス性と格闘性能を併せ持ち、超音速巡航なんて芸当まで出来てしまう、現在世界最強の制空戦闘機。しこうして間もなく退役する我らが航空自衛隊のF-4ファントムII戦闘機の後継機F-X候補の最右翼である。極めて高価であり、且つ最新技術の塊であるが故に、米議会から日本に対する輸出もライセンス輸出も今のところ禁じられている、という世界最強の制空戦闘機が、生産を終了する事になる。
このF-22生産中止を受けて日本経済新聞は、「日本のFX選定作業は振り出しに戻った。」と報じている。同報道ではF-X選定は仕切直にして今しばらく選定期間を延長し、開発中のF-35JSF(Joint Strike Fighter)の完成を待つだろう、言い換えれば「F-X候補としてF-35を加えるだろう」と言う予測であり、かつ「今後のF-X最有力候補はF-35JSFになるだろう。」と言うことを、強く示唆しているように思われる。
一方で、今月発売の航空雑誌各誌(毎月21日が、月間航空雑誌の発売日であることは、一部の人間しか知らないだろうな。)は、ボーイング社がF-15の新バージョンF-15SE(Silent Eagle 「静かなる鷲」あるいは「沈黙の荒鷲」?)を発表。F-15の双垂直尾翼に傾斜をつけ、塗装とコーティングでレーダー反射を抑えると共にF-15Eストライクイーグルからさらに発展させたコンフォーマルタンク内に空対空ミサイルやJDAM誘導爆弾を格納することで、ステルス性を高め、「一節にはF-35JSF並のステルス性」と報じる雑誌もある。一部雑誌が「F-X候補の最有力が出現した。」と報じるのも、無理からぬモノがある。(尤も、そのコンフォーマルタンクにASM-1やASM-2のような対艦ミサイルを収納できない限り、F-4の後継機としてのステルス性は、相当怪しくなる。)
それにしても、米空軍、思い切った決断をするモノだ。
先ず第1に、これでF-22の総生産数は当初計画を大きく下回ってしまったわけだから、F-22の開発費は別途予算が組まれない限り、既発注機に割掛けるしかメーカとしては手はなく、残りのF-22の価格が跳ね上がることは避けられそうにない。
唯でさえ高価格が最大の弱点とされる機体が、さらに高価になってしまう。
第2に、これで日本がF-X即ちF-4ファントムIIの後継としてF-22をアメリカから買うという可能性は殆どなくなった。そのためには今後閉じられるであろうアメリカのF-22生産ラインを再開しなければならず、これまた機体単価が高騰する要因となっる。
日本のF-XにF-22が収まる手は、未だ日本のライセンス国産と言う手が残っているが・・・この様な事態に至っては、そこに開発費を上乗せしたくなるのがメーカーだろう。ライセンス費は唯でさえ理不尽なほど高くなりやすいのに、さらにぼられ兼ねないから、日本にしてみれば米議会の承認の他にさらに障害が発生した形だ。二の足の一つも踏みたくなると・・・結局F-22は日本のF-Xにはなれず、今の既発注機で生産終了。生産ラインも畳むことになる。
第3に「今後数年内に第六世代の新たな戦闘機の研究に着手する」と言うことは、次の戦闘機の開発まで数年のギャップが生じた上、研究から開発、生産まで、先ず10年程度の年月「第6世代の新たな戦闘機」は生産ラインに乗らず、売り上げも利益もメーカーにはもたらさない。下手するとこの間、戦闘機生産ラインは閉じたままだ。
戦闘機工場閉鎖、労働者解雇と言う事態も充分想定される。これまた非道く勿体ない話だ。
しこうして、その「第6世代の新たな戦闘機」を以って、一体何を目指すのだろうか?「生産単価なんか構わないから、運動性能とステルス性を兼ね備えた超音速巡航可能な世界最強の戦闘機を目指した」F-22を葬り去って、新たに開発される新型戦闘機が、先ず安価であることを求められるのは想像に難くないが、果たして、新たな技術を導入し、新たに開発してまで装備する価値のあるモノになるかどうか。
アメリカ人のお手並み拝見と言うところか。
2009年04月14日 16:19 発信地:米国
【時事通信社】
米空軍トップが14日まで米紙に異例の寄稿を行い、最新鋭戦闘機F22(写真=米空軍提供)の生産中止方針を改めて強調した。その上で、今後数年内に第六世代の新たな戦闘機の研究に着手する考えを明らかにした 【時事通信社】
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報じられているのは、米空軍トップのF-22ラプターに対する方針。
「生産中止方針を改めて強調した。」上に「今後数年内に第六世代の新たな戦闘機の研究に着手する。」と言うから、「F-22ラプターはもう要らない。次の戦闘機の研究を始める。(もっと新しい戦闘機が欲しい。)」と公言したわけだ。
新ためて書くまでもないが、F-22ラプターはステルス性と格闘性能を併せ持ち、超音速巡航なんて芸当まで出来てしまう、現在世界最強の制空戦闘機。しこうして間もなく退役する我らが航空自衛隊のF-4ファントムII戦闘機の後継機F-X候補の最右翼である。極めて高価であり、且つ最新技術の塊であるが故に、米議会から日本に対する輸出もライセンス輸出も今のところ禁じられている、という世界最強の制空戦闘機が、生産を終了する事になる。
このF-22生産中止を受けて日本経済新聞は、「日本のFX選定作業は振り出しに戻った。」と報じている。同報道ではF-X選定は仕切直にして今しばらく選定期間を延長し、開発中のF-35JSF(Joint Strike Fighter)の完成を待つだろう、言い換えれば「F-X候補としてF-35を加えるだろう」と言う予測であり、かつ「今後のF-X最有力候補はF-35JSFになるだろう。」と言うことを、強く示唆しているように思われる。
一方で、今月発売の航空雑誌各誌(毎月21日が、月間航空雑誌の発売日であることは、一部の人間しか知らないだろうな。)は、ボーイング社がF-15の新バージョンF-15SE(Silent Eagle 「静かなる鷲」あるいは「沈黙の荒鷲」?)を発表。F-15の双垂直尾翼に傾斜をつけ、塗装とコーティングでレーダー反射を抑えると共にF-15Eストライクイーグルからさらに発展させたコンフォーマルタンク内に空対空ミサイルやJDAM誘導爆弾を格納することで、ステルス性を高め、「一節にはF-35JSF並のステルス性」と報じる雑誌もある。一部雑誌が「F-X候補の最有力が出現した。」と報じるのも、無理からぬモノがある。(尤も、そのコンフォーマルタンクにASM-1やASM-2のような対艦ミサイルを収納できない限り、F-4の後継機としてのステルス性は、相当怪しくなる。)
それにしても、米空軍、思い切った決断をするモノだ。
先ず第1に、これでF-22の総生産数は当初計画を大きく下回ってしまったわけだから、F-22の開発費は別途予算が組まれない限り、既発注機に割掛けるしかメーカとしては手はなく、残りのF-22の価格が跳ね上がることは避けられそうにない。
唯でさえ高価格が最大の弱点とされる機体が、さらに高価になってしまう。
第2に、これで日本がF-X即ちF-4ファントムIIの後継としてF-22をアメリカから買うという可能性は殆どなくなった。そのためには今後閉じられるであろうアメリカのF-22生産ラインを再開しなければならず、これまた機体単価が高騰する要因となっる。
日本のF-XにF-22が収まる手は、未だ日本のライセンス国産と言う手が残っているが・・・この様な事態に至っては、そこに開発費を上乗せしたくなるのがメーカーだろう。ライセンス費は唯でさえ理不尽なほど高くなりやすいのに、さらにぼられ兼ねないから、日本にしてみれば米議会の承認の他にさらに障害が発生した形だ。二の足の一つも踏みたくなると・・・結局F-22は日本のF-Xにはなれず、今の既発注機で生産終了。生産ラインも畳むことになる。
第3に「今後数年内に第六世代の新たな戦闘機の研究に着手する」と言うことは、次の戦闘機の開発まで数年のギャップが生じた上、研究から開発、生産まで、先ず10年程度の年月「第6世代の新たな戦闘機」は生産ラインに乗らず、売り上げも利益もメーカーにはもたらさない。下手するとこの間、戦闘機生産ラインは閉じたままだ。
戦闘機工場閉鎖、労働者解雇と言う事態も充分想定される。これまた非道く勿体ない話だ。
しこうして、その「第6世代の新たな戦闘機」を以って、一体何を目指すのだろうか?「生産単価なんか構わないから、運動性能とステルス性を兼ね備えた超音速巡航可能な世界最強の戦闘機を目指した」F-22を葬り去って、新たに開発される新型戦闘機が、先ず安価であることを求められるのは想像に難くないが、果たして、新たな技術を導入し、新たに開発してまで装備する価値のあるモノになるかどうか。
アメリカ人のお手並み拝見と言うところか。