報じられているのは、インドのミサイル防衛システムの迎撃実験の成功。
テポドンやスカッドなどの弾道ミサイルに対するミサイル防衛と言うコンセプトは案外古く、大陸間弾道弾ICBMを迎撃する対ミサイル・ミサイルとしてABM(Anthi Ballistic Missile)なるものが冷戦時代に開発・配備され、戦略兵器制限条約SALTの制約対象にもなっていた。但し、「大陸間弾道弾を確実に迎撃するために核弾頭を搭載する迎撃ミサイル」とのコンセプトであったから「肉を斬らせて骨を断つ」と言うか、「弾道ミサイルが地上で核爆発するよりABMが上空で核爆発した方が大分ましだろう。」と言うシロモノであったから、ソ連(当時)の首都モスクワ防衛用ぐらいにしか配備されなかった。
「弾道ミサイルを宇宙で撃ち落とそう」と言うのが「スターウォーズ構想」とも言われた(揶揄された?)冷戦末期はレーガン大統領時代のSDI:Strategic Deffence Initiative =戦略防衛構想で、人工衛星に搭載したレーザー砲や荷電粒子ビーム砲や、果ては「中心に仕込んだ小型核爆弾(また核かよ!)のエネルギーで四方八方に強烈なガンマ線レーザを撃ち出す宇宙機雷」何てものまで提案された。それらのコンセプトについて検討を重ね、技術面コスト面などから現実的なものとして行ってのがSDIの後継であるWest Pac構想であり、今のMDミサイル防衛である。
1990年代初頭、イラクのクゥエート侵攻に始まる湾岸戦争に於いて、イラクが短距離弾道弾・スカッドを一種の政治的兵器(※1)として利用し、恫喝の材料やイスラエルの挑発に使った際、これを迎撃するために当時最新の地対空ミサイルPatriotを急遽展開し、スカッド迎撃に一定の成果を上げた事が、「ミサイル防衛」と言う概念を日本で普及させた嚆矢であろう。
湾岸戦争の際は米国からの借り物Patriotでスカッド迎撃を実施したイスラエルは、その後独自のミサイル防衛に邁進し、Arrow迎撃ミサイル、Arrow2迎撃ミサイルを開発・配備し、その他にも地上発射のレーザー砲の開発実験なども実施し、弾道ミサイルの脅威と言う「今そこにある危機」に対処している。マッサダが二度と落ちぬように。
ミサイル防衛というと、何かと文句を言うロシアだが、その最新の地対空ミサイルS-300の売りの一つは「弾道ミサイル迎撃能力」であり、これを武器に輸出に力を入れているし、その輸出先の一つが中国であるから、中国やロシアの言う「ミサイル防衛は緊張を高める」と言う理屈は、結局の処「中国やロシアの核恫喝の威力を殺ぐから止めて大人しく脅されていろ。」と言っているのに過ぎない。
閑話休題(それはさておき)、
上記記事に報じられたインドにアメリカは勿論、イスラエルにロシアに、輸入とは言え中国と、この世はミサイル防衛配備国には事欠かないことを示している。
無論それは、それぞれの国の国民と主権を守るためである。
自衛権が国家にとって自然権=当然の権利である以上、ミサイル防衛もまた当然の権利であると、私は考えるし、これらの国もそうであろう。
参考記事:http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/14076751.html
<注釈>
(※1)外交も軍事も政治の手段なのであるから、兵器が「政治的」であることは、大いにあり得ることなのではあるが
テポドンやスカッドなどの弾道ミサイルに対するミサイル防衛と言うコンセプトは案外古く、大陸間弾道弾ICBMを迎撃する対ミサイル・ミサイルとしてABM(Anthi Ballistic Missile)なるものが冷戦時代に開発・配備され、戦略兵器制限条約SALTの制約対象にもなっていた。但し、「大陸間弾道弾を確実に迎撃するために核弾頭を搭載する迎撃ミサイル」とのコンセプトであったから「肉を斬らせて骨を断つ」と言うか、「弾道ミサイルが地上で核爆発するよりABMが上空で核爆発した方が大分ましだろう。」と言うシロモノであったから、ソ連(当時)の首都モスクワ防衛用ぐらいにしか配備されなかった。
「弾道ミサイルを宇宙で撃ち落とそう」と言うのが「スターウォーズ構想」とも言われた(揶揄された?)冷戦末期はレーガン大統領時代のSDI:Strategic Deffence Initiative =戦略防衛構想で、人工衛星に搭載したレーザー砲や荷電粒子ビーム砲や、果ては「中心に仕込んだ小型核爆弾(また核かよ!)のエネルギーで四方八方に強烈なガンマ線レーザを撃ち出す宇宙機雷」何てものまで提案された。それらのコンセプトについて検討を重ね、技術面コスト面などから現実的なものとして行ってのがSDIの後継であるWest Pac構想であり、今のMDミサイル防衛である。
1990年代初頭、イラクのクゥエート侵攻に始まる湾岸戦争に於いて、イラクが短距離弾道弾・スカッドを一種の政治的兵器(※1)として利用し、恫喝の材料やイスラエルの挑発に使った際、これを迎撃するために当時最新の地対空ミサイルPatriotを急遽展開し、スカッド迎撃に一定の成果を上げた事が、「ミサイル防衛」と言う概念を日本で普及させた嚆矢であろう。
湾岸戦争の際は米国からの借り物Patriotでスカッド迎撃を実施したイスラエルは、その後独自のミサイル防衛に邁進し、Arrow迎撃ミサイル、Arrow2迎撃ミサイルを開発・配備し、その他にも地上発射のレーザー砲の開発実験なども実施し、弾道ミサイルの脅威と言う「今そこにある危機」に対処している。マッサダが二度と落ちぬように。
ミサイル防衛というと、何かと文句を言うロシアだが、その最新の地対空ミサイルS-300の売りの一つは「弾道ミサイル迎撃能力」であり、これを武器に輸出に力を入れているし、その輸出先の一つが中国であるから、中国やロシアの言う「ミサイル防衛は緊張を高める」と言う理屈は、結局の処「中国やロシアの核恫喝の威力を殺ぐから止めて大人しく脅されていろ。」と言っているのに過ぎない。
閑話休題(それはさておき)、
上記記事に報じられたインドにアメリカは勿論、イスラエルにロシアに、輸入とは言え中国と、この世はミサイル防衛配備国には事欠かないことを示している。
無論それは、それぞれの国の国民と主権を守るためである。
自衛権が国家にとって自然権=当然の権利である以上、ミサイル防衛もまた当然の権利であると、私は考えるし、これらの国もそうであろう。
参考記事:http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/14076751.html
<注釈>
(※1)外交も軍事も政治の手段なのであるから、兵器が「政治的」であることは、大いにあり得ることなのではあるが