報じられているのは、天然ガスの価格などを巡って対立しているウクライナとロシアのために欧州向けロシア産天然ガスの供給パイプラインが止まったという事実。
止まったのは事実だが、ウクライナは「ロシアがガス供給を止めた。」と非難し、ロシアは「ウクライナが欧州向けガスを横取りしている(つまり欧州向けを止めたのはウクライナだ)。」と非難しており,どちらの責任かはこの報道だけでは判然としない。
ロシアとウクライナは昨年から天然ガスの価格を巡って対立していた。ウクライナがロシアに天然ガスの料金を支払わず、今後の価格についても合意できないと言うのが主な対立点だったと記憶する。年末にはウクライナが債務を支払って対立を解消するとの報道もあったが、その直後にロシアからガス供給停止の警告が発せられた事から、「対立点として、今後の価格がまだ残っているのだな。」と理解した。
年が明けて、ロシアがウクライナへのガス供給を停止すると発表。しかしながら「ウクライナ経由欧州向けのガス供給は続行」との報道だったので、「そんな器用なことは、ロシアから欧州へのパイプラインがウクライナの手の届かない処を走っていない限り出来そうにないな。」と思っていたが・・・やはり出来なかったようだ。
ウクライナにしてみれば目の前を欧州までノンストップで流れていく(筈の)天然ガスに手をつけたくなるだろうし、ロシアにしてみれば欧州向けガスをウクライナの性にしてストップすることで、欧州をこの紛争に仲介させる事を期待できるから、「犯行の動機」はどちらの側にもありそうだ。
だが、この報道が示唆しているのは、ウクライナとロシアのローカルな経済対立、と言うだけではあるまい。
ウクライナは近年、欧州EU諸国への傾斜を強めてきた。「強いロシア」の復活を夢見るロシアとしては、看過し得ざる事態だ。
克てて加えて、先の金融危機までの「好景気」は天然ガスを含む資源価格を高騰させ、資源輸出国であるロシアは大いに経済的に潤っていた。が、ここへ着ての金融危機でその資源輸出もいつまでも好調では無さそうだ。さらには天然ガスは冬の暖房による需要がそうおうにある。
天然ガスパイプラインを止めることで外交手段にするのは「今が一番良い時期」なのではなかろうか。
無論、外交的武器があるからと言って、必ず使わなければならないと言う法はない。が、ロシアという国、かつてのソ連ほどには外交的武器には恵まれていないし、それに対し解決したい外交問題は相当に多い。
ロシアとしては今後も資源恫喝外交を続けるものと、見るべきだろう。
それは欧州のみならず、極東においても同様である。
止まったのは事実だが、ウクライナは「ロシアがガス供給を止めた。」と非難し、ロシアは「ウクライナが欧州向けガスを横取りしている(つまり欧州向けを止めたのはウクライナだ)。」と非難しており,どちらの責任かはこの報道だけでは判然としない。
ロシアとウクライナは昨年から天然ガスの価格を巡って対立していた。ウクライナがロシアに天然ガスの料金を支払わず、今後の価格についても合意できないと言うのが主な対立点だったと記憶する。年末にはウクライナが債務を支払って対立を解消するとの報道もあったが、その直後にロシアからガス供給停止の警告が発せられた事から、「対立点として、今後の価格がまだ残っているのだな。」と理解した。
年が明けて、ロシアがウクライナへのガス供給を停止すると発表。しかしながら「ウクライナ経由欧州向けのガス供給は続行」との報道だったので、「そんな器用なことは、ロシアから欧州へのパイプラインがウクライナの手の届かない処を走っていない限り出来そうにないな。」と思っていたが・・・やはり出来なかったようだ。
ウクライナにしてみれば目の前を欧州までノンストップで流れていく(筈の)天然ガスに手をつけたくなるだろうし、ロシアにしてみれば欧州向けガスをウクライナの性にしてストップすることで、欧州をこの紛争に仲介させる事を期待できるから、「犯行の動機」はどちらの側にもありそうだ。
だが、この報道が示唆しているのは、ウクライナとロシアのローカルな経済対立、と言うだけではあるまい。
ウクライナは近年、欧州EU諸国への傾斜を強めてきた。「強いロシア」の復活を夢見るロシアとしては、看過し得ざる事態だ。
克てて加えて、先の金融危機までの「好景気」は天然ガスを含む資源価格を高騰させ、資源輸出国であるロシアは大いに経済的に潤っていた。が、ここへ着ての金融危機でその資源輸出もいつまでも好調では無さそうだ。さらには天然ガスは冬の暖房による需要がそうおうにある。
天然ガスパイプラインを止めることで外交手段にするのは「今が一番良い時期」なのではなかろうか。
無論、外交的武器があるからと言って、必ず使わなければならないと言う法はない。が、ロシアという国、かつてのソ連ほどには外交的武器には恵まれていないし、それに対し解決したい外交問題は相当に多い。
ロシアとしては今後も資源恫喝外交を続けるものと、見るべきだろう。
それは欧州のみならず、極東においても同様である。