歴史は繰り返す？-アフガン駐留軍補給の急所はカイバル峠-

　報じられているのは、タリバンの攻撃でNATO輸送部隊が受けた損害が、アフガニスタン駐留軍の補給路の脆弱性を示しているというもの。
　しかしながら、補給路や補給部隊が、特にテロリストのような非正規部隊（つまり民間人のフリをしている、ジュネーブ条約適用外の武装組織）に対し脆弱なのは世の常。
　
　ましてや今回NATO輸送部隊が襲撃を受けたのはカイバル峠だ。
　
　カイバル峠と言えばアフガニスタンの入り口で要害の地。ここで防げば「一夫関に当たるや万夫も開く無し」と歌に歌われた函谷関に勝るとも劣らない事は、史実からして明らかだ。
　報道に依ればかかる地理的条件に加えて、政治的にも不安定な地域であるためタリバンのテロリストとしては願ったり適ったりの場所。一方NATOのアフガニスタン駐留軍としては、現状補給物資の７割をカイバル峠経由に頼っていると言うから、成る程これは弱点だ。
　
　十分な空港と輸送機があれば、空輸や空中投下というのも有力な補給法になるが「月にトラック２０００台分」となると少々荷が重いか。報道されているとおり、コストの問題もある。

　当面は陸上輸送部隊の集団護衛、海路で言うところの「護送船団方式」が有効なのでは無かろうか。