報じられているのは、海賊が跳梁跋扈しているソマリア沖の現状に、ついにEU艦隊が派遣され、一方で海賊はEU艦隊を避けて東に活動期をシフトしていると言うもの。
 EU艦隊は「少なくとも8か国が参加。艦船6隻、哨戒機3機で構成される」と言うが、ここで言う哨戒機とは、機数の少なさと写真から、哨戒ヘリコプターであろう。
 陸上からの固定翼哨戒機を利用できれば場合によっては哨戒機から攻撃できるので何かと都合が良いが、近くに陸上基地を確保しないと、継続的な運用は難しい。
 こういうときにあると便利なのが空母、特にアメリカが有するようなCTOL空母である。何しろジェットの全天候攻撃機を山のように積んでいるから、昼夜天候に関わらず、戦闘半径は大きいし、速いし、威力は絶大。絶大すぎて海賊船相手だとかって苦労しそうなぐらいだ。
 VTOL空母がこれに次ぐがEUでこれを保有する英・仏・伊・西ともまだソマリア沖に派遣はしていないらしい。
 
 一方の海賊は、流石に寄せ集めのEU艦隊とは言え正面切って対決する度胸はないらしく、艦隊の居ないところで活動しようと言う様子。まあ、テロリスト戦略の基本ではあろう。
  
 とは言え、海賊と言うことは通商破壊の一種。通商破壊は我が国のような貿易立国が最も忌むべき敵であり、ソマリア沖という遙か彼方といえども、七つの海で商売している我が国にとっては他人事ではすまされない。
 
 「護衛空母」と言う艦種は、廃れて久しいが、ひゅうが級も就航したことだし、我が国の安全保障上、検討して良い艦種では無かろうか。
 
 うーん、VTOLが無いな。