報じられているのはここのところの金融危機でますます会社経営が危うくなった米国自動車会社ビックスリーの一つGM社が、会社再建計画を提出し、議会に180億ドルの融資を求めたというもの。いわばこの再建計画に180億ドルの値をつけた、訳だ。(まあ、2012年までに金は返す計画だそうだが。)
 同様にフォードは90億ドル、クライスラーは70億ドルの融資を議会に求めており、ビックスリーはそろって莫大な資金を議会に、つまりは合衆国政府に、頼ろうとしていることになる。
 大雑把に1ドル=百円で考えても、GMの求める融資額は1.8兆円。ビックスリー合計の求める融資額は3.5兆円に達する。
 ちょっと前のトヨタの稼ぎ出す利益が年1兆円だったことを考えても、相当な額だ。
 
 GMの借金返済についても「米自動車産業が年間120万台以上の新車販売台数を確保できれば」と言う前提条件がついているが、120万台というのは昨年11月の月間販売台数であるから、まあ、相当堅実な条件とは言えるだろう。
 逆に言うと、その程度のことで返せる借金を、何で国に求めるのかと言う疑問もわく。
 この再建計画が、相当杜撰なのではないかとの疑いも。

 そもそも、大型車の上に胡座をかいて、まともな小型車やハイブリッド車を開発して来なかったのが今回の事態の原因であるとすれば、この再建計画、上層部の更迭を含まなければ筋が通るまい。

別の報道によると、再建策の一環として、役員報酬を1$、即ちほぼタダ働きとすると言うのがあるそうだ。「辞職して責任を取る」と言うやり方よりも「タダ働きでも役職に止まって、始末をつけて責任を取る」と言う方法らしい。が、これは、今まで無能ぶりを発揮してきたビックスリー経営者が今回の事態に心機一転し、タダ働きでも十分な有能ぶりを発揮する、と言うのが前提になっている。
 そういう人もいなくはないだろうけれど・・・大半は、そうはいかないのじゃ無かろうか。