「この門をくぐるものは、一切の希望を捨てよ」
俺が今日から歌謡学校の校門には、学校名ではなくこの言葉が刻まれていた。
ここは悪魔を育成する学校、俗称地獄校。
これだけ聞けば突拍子もないことを言っていると思うかもしれないが、そんなことはない。だが今の時代悪魔は、政府高官もお召し抱えになる、もはやの公職なのである!
実際、ついこの前の首相襲撃事件の際も、護衛にいた悪魔のおかげで命拾いしたのだ。
この事件をきっかけに、この地獄校への入学希望者が増加し、募集枠200人のところ、受験志願者数が12000人という、倍率600倍という鬼畜な競争が起こったのも事実である。
そんな中をくぐり抜けてきた俺って天才のように思えるだろう。
いや、そんなことはない。他の奴らは超エリートばかりで、俺なんかその中で言ったら最下位に近いレベルだ。
だがそんなエリート校にしては、事業や生活指導などの基準が案外ゆるい。
なんだか空想上の大学のような感じがする。
例えば授業について。驚くことに、来るも来ないも勝手、なのだ。
普通に考えたらありえないことだが、悪魔を要請する学校だから、という屁理屈を通せば納得できなくもない。ただ進学に必要な単位があるらしく、全授業の8割は出るのが進学の条件なのだとか。
他には寮での生活について。これまた驚きなのだが、ここは全寮制の学校であり、女子と同じ部屋を使うという奇妙な生活を送らなければならない。
みんなはこれを見て羨ましいなんて思うんだろうけど、全くもってそれは違う!断言できるね!女子との相部屋なんて、気まずいったらありゃしない。
夜中にゲームとかやっていたら女子に怒られるし、女子が着替え中の時は目のやり場がない。ちなみにこれは、俺の近所に住んでいたここの卒業生から聞いた話だけど。