黒い太陽・・・
小説家・森村誠一の『悪魔の飽食』から騒がれ始めそれをもとに中国でも映画化されました。
この本に掲載された写真の大半は、石井部隊とは無関係な写真を無理やり
関連付けたものであることが各方面からの指摘で発覚しました。
森村は修正版(“続刊”)を出版。
しかし、“石井731部隊の元隊員”であったとする人物から提供されたとする写真を
新発見とうたって“続刊”に掲載したところ、そのほとんどが偽造写真であることが判明。
この問題により回収を余儀なくされ絶版となりました。
その後、問題写真を削除した上で角川書店より新たに出版。
それだけでも信頼性は既に無い様に思います。
「ノン・フィクション」と呼ぶには真実性に著しく欠けますね。
真実とするなら特筆するのは最後の場面です。
逆説的に必ず証拠の所在がくるはずの証拠隠滅の描写があやふやで納得出来ません。
では、最終面を軸に概要をザックリと下記に記してみましょう。
構成員約3000名が石井731部隊として、旧満州国の平房(ピョンファン)に存在していました。
不可侵条約を破棄した旧ソ連軍の満州侵攻が始まった1945年8月
部隊は“秘密隠匿”のため、施設を“完全破壊”するとともに
“実験試料のマルタ”をすべて殺害して退散したとされています。
すべての施設は爆破され、収容していたマルタの大量虐殺が始まりました。
監獄へ青酸ガスを流し込み、それでも殺せない者は日本兵が銃剣で止めを刺しながら歩きました。
さらに、残ったマルタを一ヶ所に集めて爆発物を投じて一挙に爆死させたり
それでも残っているマルタには二人一組にして互いに殺し合わせることで処分しました。
証拠が発見されたり、マルタが生き証人として残れば罪は免れない。
撤退作業の中、マルタの殺戮は激越を極め
また、死体の隠滅を図るために大きな穴を掘って
そこに死体を一挙に投げ入れてガソリンをかけて燃やしたそうです。
死体は生焼けで異様な匂いを放ち、土をかぶせて部隊は撤退作業を行いました。
焼却された死体の骨は松花江(スンガリー)という川に運ばれて投棄したそうです。
ここで疑問点や問題点を洗い出してみます。
信用に足るかどうか、推察して頂きたい。
1・内容に登場する人物はすべて匿名で
森村(著者)が引用する登場人物の“証言”が版を追うごとに異なっている。
2・真相に関し、「石井731部隊に関する資料を米国が回収し、公開していないため検証不能」
とする弁明には状況的な無理がある。(旧満州国の検閲を実施した当事者は米国ではなく、旧ソ連であり中国であった)。
3・戦後に関係者から証言を引き出したとするハバロフスク裁判自体が、法学者によってその存在を否定されている。
4・この本は、日本共産党の機関紙・赤旗(日曜版)における連載から生まれ
日本共産党の協力のもとに出版された経緯を鑑みれば、“事実”よりプロパガンダの性格が強い。
5・医学博士と法学者が旧満州に渡航し実際に石井731部隊を訪れて
くまなく現地を視察しているにもかかわらず、記述された様な
人体実験設備、そのためのマルタ(捕虜)収容所、毒ガス、細菌兵器に関する研究施設は報告されてない。
6・一切の証拠隠滅が行われたとする惨劇の目撃者が存在しない。
支那人も旧日本兵で実名で証言する者は皆無である。
7・語られる様子が、毛沢東が文化大革命で自国民を大量殺害した手法と同じである。
8・旧満州国末期に、隊員の数倍もの数の遺体にかけて燃やすほどのガソリンが存在していたのか?
9・土で埋めたはずのマルタの死体が出て来なかったのはなぜか?
10・“完全破壊”されたはずの建物の大半は残り
修理が加えられたものの石井部隊の本部棟は原型はそのままで、最近まで小学校として使用されていた。
11・それだけの惨劇があったとすれば、跡地を小学校に使用するだろうか?
12・松花江という川に投棄したとする大量骨が発見されなかったのはなぜか?
13・旧ソ連軍が南下しつつある状況で、それほど大量の遺骨を現場から数キロも離れた川に運んだり
埋めたりする余裕があったのか?
14・「証拠がない」ことを“証拠隠滅”に置き換え、米軍との司法取引があったかの如く喧伝している。
が、しかし、米国にも資料は存在していない。
上記の事から真実に値しない歴史、作りもの独特の詰めの甘さを感じます。
これらを説明している肯定派の言葉は、どこをどう探しても皆無。
全てが偽りでは無いでしょうが、限りなく綴られたストーリーだと考えます。
<補足>
予防データの作成と予防法の解明を前提とし、伝染病、疫病に感染した者を入院させ
軍医の指導のもとに、実習生が治療にあたる小規模の病院設備は確かに施設内に存在した。
同部隊の存在と施設の役割と使命は、そもそも駐留軍と移住民のための防疫給水と伝染病の予防にあった。
旧満州の水に関する衛生状態はきわめて深刻であり、井戸を掘って汲み置きした水であっても
度々襲来する黄砂が水を濁らせた。
水は、かろうじて、やかんで沸騰させて飲用に用いたが
時間が経てば、やかんの底にはさまざまな不純物が沈殿するほど汚い水であった場合が多かった。
このように、泥や砂が混合している現地の水では、そのまま生活上水道としての使用することは困難であった。
石井731部隊の防疫活動研究班は「石井式濾水機」(水のろ過器)を開発し、実際運用の面で成果を残している。
http://soumoukukki.at.webry.info/
http://nonbe.way-nifty.com/blog/cat6936257/index.html
